AppBank、リワード広告「今後はやらない」――「モンスト攻略」から「オーブプレゼント」が消えた理由

アプリの「リワード広告」なぜ問題に?

» 2015年06月15日 18時45分 公開
[ねとらぼ]

 スマートフォン用アプリの「リワード広告」が問題視されている件で、AppBankは今後、リワード広告の扱いを取りやめる方向で動いていることが分かりました。すでにiOS版「モンスト攻略」アプリからはリワード広告が削除されており、Androidについてもプラットフォーマーからの要請があれば従っていくとのこと。




ランキングを操作する「リワード広告」の仕組み

 リワード広告というのは、「このアプリをダウンロードすればアイテムプレゼント!」といった具合に、アプリのダウンロードや会員登録などと引き換えに、アイテムやポイントなどの報酬(リワード)がもらえる広告のこと。AppBankが提供している「モンスト攻略」アプリでも、アプリのダウンロードを条件に、「モンスターストライク」内で使える有料アイテム「オーブ」がもらえるリワード広告を実施していました。


画像 「モンスト攻略」アプリにおけるリワード広告の流れ。まずはアプリのトップページにある「オーブがもらえるキャンペーンはこちら!」のバナーをクリック(画像:アップトーキョー提供)

画像 その後、キャンペーン対象のアプリを選んでダウンロードすると、「モンスターストライク」内で使える「オーブ」がプレゼントされる仕組み(画像:アップトーキョー提供)

画像 リワード広告実施後のランキング。見事に対象のアプリがランキング上位を席巻しています(※リワード広告は通常、複数のアプリやメディアに一斉に掲出されるため、「モンスト攻略」アプリだけの影響でこうなったわけではない点に注意)(画像:アップトーキョー提供)

 もともとAppleはこうしたリワード広告について「不正にランキングを操作するもの」として禁止していたのですが、問題が注目されるようになったきっかけは6月11日。「モンスト攻略」アプリが突如App Storeからリジェクトされたことから、関係者の間で「ついにAppleがリワード広告の取り締まりに本腰を入れはじめたのでは」と話題になりました(関連記事)。その後アプリは復活しましたが、以前はあったリワード広告のキャンペーンバナーが、現在は削除されています。

 こうした一連の流れについてAppBank側に問い合わせたところ、AppBankの宮下泰明社長から次のような回答がありました。



AppBankは「リワード広告、今後はやらない」

「『モンスト攻略』アプリ内におけるリワード広告枠の販売に関連する企業に対して、今後はApple社の意向を尊重し、iOSプラットフォーム上ではリワード広告を展開しない考えであることを通達いたしました」(AppBank・宮下泰明社長)

 流れとしては、まず6月11日にストアから「モンスト攻略」アプリが削除された際、Appleからは「モンスト攻略記事が他のアプリを紹介しているためリジェクトした」という連絡があったとのこと。この時点でAppBankは「不具合によるもの」として記事で発表しましたが、その後Appleからあらためて「別のアプリのアイテムを受け渡してユーザーに他アプリのダウンロードを助けている」と、リワード広告について指摘があったそう。リワード広告についてAppleから警告を受けたのは「今回が初めて」(宮下氏)だったそうです。

 また、一部で指摘されているリワード広告自体の適法性については、AppBank側としては「法律や社会的に問題があるものではなく、あくまでAppleの規約をどのように解釈するかの問題であり、これまでも顧問弁護士や各業界団体に確認をとりながら対応を進めてきました」(宮下氏)とのこと。ただし今回の指摘については重く受け止めており、「基本的にはiOSのデベロッパーガイドラインを尊重し、それに沿った形でAppleとコミュニケーションをとりながら進めていくことが大切だと考えています」(宮下氏)とコメントしました。

 なお、Android版「モンスト攻略」アプリでは現在もリワード広告が掲載されていますが、「他のプラットフォームの動向に関しても適切な把握に努め、必要に応じて速やかな対策および行動をとる考えです」(宮下氏)とのこと。


画像 左が現在のiOS版「モンスト攻略」アプリ、右がAndroid版。Android版にはまだ「オーブがもらえるキャンペーンはこちら!」というバナーが掲載されていますが、iOS版からは消えています

 リワード広告の効果は絶大ですが、それだけに、野放しにしてしまうと、ストアのランキングが不正に操作され、本来の数字以上に「人気のあるアプリ」という認識を与えてしまう危険性もあります。「モンスト攻略」にはさまざまなアプリがリワード広告を出稿していましたが、中にはニュースアプリの「Yahoo!ニュース」や「グノシー」、音楽配信アプリ「AWA」、オークションアプリ「ヤフオク!」、トークアプリ「755(ナナゴーゴー)」といった有名アプリも含まれていました。


画像 有名アプリのリワード広告出稿も(画像:アップトーキョー提供)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/17/news147.jpg 青木菜花、22歳急逝した“俳優夫の遺品”が3歳娘の宝物に……小さな手でぎゅっと握る子に「なんだか愛着湧いちゃうな」
  2. /nl/articles/2409/17/news060.jpg 「すごい」「ヤバッ」 ATMでお金を下ろしたら…… “衝撃の結果”にSNS興奮 「たまにはじっくり見とかないとダメ」
  3. /nl/articles/2409/16/news018.jpg 88歳女性「誰もしてないようなメッシュにしたい」→驚がくの大変身が850万再生 「どぅえええええ?!」「カッコ良すぎて憧れます」
  4. /nl/articles/2409/16/news010.jpg 100均のクッションゴム、まさかの使い方に目からウロコ 家中の“プチストレス解消法”に「思いつかなかった!」「これはすごい」
  5. /nl/articles/2408/11/news034.jpg 「なんなんだよwww」 新紙幣期待してATMで引き出し→“信じられない結果”に思わず二度見 「逆にすごい」
  6. /nl/articles/2409/15/news052.jpg 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  7. /nl/articles/2409/16/news037.jpg 「とんでもなく遠い」 空港に向かうドライバーを絶望させる“衝撃の標識”が話題 「なぜそこに」「飛行機が必要そうな距離」
  8. /nl/articles/2409/17/news173.jpg 普通に買い物してる!? 佐々木希、 “すっぴんノーガード状態”で地元スーパーに出没「違和感半端ない」「隠しきれない美人オーラ」
  9. /nl/articles/2409/16/news032.jpg 100均の紙粘土でこのクオリティーを!? 『ファイブスター物語』のモーターヘッドを制作、野生の原型師に称賛
  10. /nl/articles/2409/17/news137.jpg “リビング約100畳の豪邸”前澤友作、屋内の“超巨大プール”もとんだ常識外れ……ゴージャス環境&全長18メートルに「異次元すぎ」「施設が高級ホテル」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  2. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  3. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  4. 「僕ですかこれ」 垢抜けたい男性が“劇的イメチェン”→その大変身に「すげええ!」「泣けたわ」と仰天
  5. 第5子妊娠中の宮崎麗香、子どもたちとの“奇跡の1枚”が撮影される ギャップ満載な“現実”ショットも話題に
  6. そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
  7. 天皇皇后両陛下の那須静養、愛子さまが天皇陛下のため蚊を手で払う場面も…… “仲むつまじいショット”が約240万再生
  8. 「脳がおかしくなった」 新宿駅を出る→“まさかの光景”に思わず三度見 「意味わからん」「田舎者にはマジでダンジョン」
  9. 合宿前の兄たち、0歳末っ子と離れたくなくて…… メロメロな“別れの光景”に「あーもうなんて尊い」「幸せ」430万再生突破
  10. 雑草だらけの庭が“たった1台の草刈り機”で…… “見事な変化”に7000万再生 「よくやった」「まさにプロ」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」