ニュース
» 2015年08月28日 14時39分 公開
国立大の「文系学部廃止政策」に日本出版者協議会が反対 「大学教育は金儲けのためにあるわけでない」
「先人の知的蓄積を継承し、未来を構想するのが『文化的教養』」だと「文系学部」の必要性を訴えています。
[黒木 貴啓,ねとらぼ]
文部科学省は6月、全国86の国立大学に今後6年間で教育養成系および人文系の学部を廃止または再編成するよう指示しました。この政策に反対する声明文を、8月27日に日本出版社協議会が発表。「大学教育は金儲けのためにあるわけでない」と非難しています。
声明では、同政策は2013年に閣議決定された「国立大学改革プラン」を受けたものだと説明。「独立行政法人化」「グローバル化」を押し付けるプランにより、教員の労働負担が増え、文系大学の予算配分も権限も削られていることを踏まえて、国立大学は「徹底した経済の論理によって文科省に支配されている」と述べています。
資本主義になりつつある状況に対し、日本が国立大学を設立したのは「若者が日本の未来を託すことができるような市民的成熟を果たすよう支援するため」と解説。国立大学が「自国の歴史や文化に対する愛着も関心もなく、ひたすらグローバル資本主義に邁進し、高い地位と年収をめざす学生たちの競争と格付けだけのための場になった国に未来はないだろう」と指摘しました。
出版業界の視点からも、現政権の教育政策は「教養の必要性の軽視」であり、政治や社会への批判的視点を持てない“物言わぬ専門家”を育成させると説きます。日本の出版不況はさらに危機的な状況を迎え、大学教育が力を注がない人文・社会科学の書籍の需要も急激に低下するとのこと。「先人の知的蓄積を継承し、未来を構想するのが『文化的教養』」だとし、これを学生に伝えるためにも文系学部の必要性を訴えています。
(黒木貴啓)
関連記事
会田誠さん作品の撤去要請問題 美術館側は「あくまで相談段階」 今後は「作者との話し合いで決定」
撤去を要請したのではなく、中学生にもっと親しみある内容にならないか相談した程度のものだとの見解。会田誠さん作品撤去要請についての意見を発表 東京都現代美術館で開催中の展覧会
クレームは1件のみだった。小中学生はネットの“情報整理”が苦手 文部科学省が調査
複数のWebページの情報を整理するのが苦手なもよう。カロリーや栄養成分、コレステロールまで検索できる時代に Google検索に新機能追加
不思議な感覚です。取り壊される校舎を巨大キャンバスに 最後の思い出づくり、ぺんてるとキヤノンMJがサポート
児童が壁などに描いた絵をポスターにしたり、製作過程をフォトブックで残したりします。宇宙兄弟×文部科学省 ポスターを全国の学校に配布
ポスターには挑戦することの大切さを伝えるメッセージが。文化庁、ことば食堂へようこそ かわいいお姉さんが言葉の誤用を解説
知らずに使っていることありますよね。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
昨日の総合アクセスTOP10
【なんて読む?】今日の難読漢字「雀躍り」
ahamoなど新料金プランのデメリット、イエモンの告知きっかけで拡散 メールや決済に注意
バーでナンパしてきた不思議な男の正体とは? 切なくも美しい漫画に「近未来的なのに懐かしい」「深淵をのぞくような物語」の声
「浜ちゃんそっくり」「ミニ浜ちゃん」 小川菜摘、息子たちの幼少期ショット公開で“浜田のDNA”に注目集まる
「分かる」「ついさっきやった」 “歳取ったと感じる瞬間”を描いた漫画にダメージを受ける読者続出
花粉症を「完全」に治す薬を作ったはずが…… 優秀すぎた製薬会社社員の末路を描いた創作漫画に鼻水が止まらない
猫「おーい、めしっ」→起きない飼い主にまさかの展開……! 賢い猫と飛び起きる飼い主の漫画が面白い
猫とおやつ当てゲームをしてみたら…… 「こっちかにゃ」と考える猫の表情がかわいい!
「このままの自分」を好きになってもいい 漫画「ぽっちゃりした女の子を描くようになった話」に元気づけられる
「おいもがねているのでかたづけないで」 愛猫思いな息子さんの張り紙、きょうだい猫たちとの絆にほっこり
先週の総合アクセスTOP10
- 指原莉乃、すっぴんからのメイク動画が1日で100万再生を突破 「プレゼンがすごく上手くてビックリ」と高評価も続々
- お水を飲みたいカラスさんがとった行動とは……? 人間に“ある方法”でお願いするカラスが賢くてかわいい
- 菊地亜美、体調不良の原因は「赤ちゃんと同じような大きさの…」 RIZAP10キロ減から2年で襲った悲劇
- アンガ田中、「みなおか」で買わされた“高級腕時計”を披露 438万円→800万円に価値高騰で「欲しがるコレクターもたくさん」と反響
- 息子が「パパ」と言って指さしたのは……? 親子でバスに乗ったときのエピソードを描いた漫画がジワジワ面白い
- アントニオ猪木、“リハビリ中”の現在の姿を公開 激励相次ぐ「猪木さんは不死身の漢や!」「負ける訳ないやないか」
- 「綺麗で腰抜かした」「シワ少ない!!」 67歳の研ナオコ、華やかメイク動画で披露したすっぴん姿に反響
- 実家に「ねこ様元気?」と聞いた結果…… やりたい放題のお猫さまが笑ってしまうかわいさ
- 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
- インコさんが逆さまのまま「すやぁ……」 衝撃の寝相で爆睡するインコが面白かわいい
先月の総合アクセスTOP10
- 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
- 痩せたらこんなに変わるのか 丸山桂里奈、現役時代の姿が別人過ぎて「誰かわからん」の声殺到
- 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
- セーラーサターンの変身シーン、四半世紀を経てアニメ初公開にネット湧く 「ついに公式が」「感謝しかない」
- 「髪型体型全て違う」 丸山桂里奈、引退直後のセルフ写真にツッコミ 4年前のスレンダーな姿に「今も輝いててかわいい」の声も
- 鳥取砂丘から古い「ファンタグレープ」の空き缶が出土 → 情報を募った結果とても貴重なものと判明 ファンタ公式も反応
- 「マジで助けてくれ」 試験中止で教授に“リスのさんすうノート”を提出することになった大学生に爆笑
- 「140秒とは思えない満足感」「なぜこれだけの傑作が埋もれているのか」 崩壊した日本を旅する“最後の動画配信者”のショートフィルムが話題
- 「化粧! 今すぐ落としてこい!」 男性教師に怒鳴られる生徒をかばう女性教師を描いた漫画に納得と感謝の声
- 畠山愛理、いま着たらピチピチなレオタードを公開 「とんでもなく可愛い」「見惚れてしまいました」と反響