第19回文化庁メディア芸術祭 「マンガ部門」大賞に東村アキコ、優秀賞に田亀源五郎や志村貴子ら
今年は過去最多となる4417作品が集まりました。
第19回文化庁メディア芸術祭の各部門賞が発表されました。同祭典は、メディア芸術の創造とその発展を図ることを目的に1997年度から実施されており、「マンガ部門」「アニメーション部門」「アート部門」「エンターテイメント部門」の4部門で構成されています。今年は過去最多となる4417作品(うち、2216作品は海外から)の応募がありました。
マンガ部門では、東村アキコさんの「かくかくしかじか」が大賞を受賞。東村さんは受賞を受けて「『絵を描くこととは何か』、体当たりで教えてくれた私の恩師というか師匠との思い出を、ただ、思い出すまま何も考えずに描いたこのマンガでこのような大きな賞をいただけて本当に驚いています。ただ、『描くしか』ない。この賞に恥じないようこれからも私にしか描けないマンガを描き続けていきたいと思います」とコメントを発表しています。
優秀賞には、「ゲイ・エロティック・アーティスト」として知られる田亀源五郎さんによる初の一般誌連載作品で、同性愛をテーマにした「弟の夫」や、Webコミックサイト「ぽこぽこ」で連載している志村貴子さんの「淡島百景」などが選ばれました。
またアニメーション部門では、フランスの短編作「Boris LABBE」が大賞に選出。タイトルは「千のプラトー」(著:ジル・ドゥルーズ|フェリックス・ガタリ)という書物の中で展開される「リゾーム(Rhizome)」の概念からとられたもので、審査委員の山村浩二さんは「仮想のスケール空間のなかで、生物とも無機物ともつかない抽象的な形態がつねに変化し、個々の動きが全体の動きへと連なっていく」と評しています。優秀賞には、岩井俊二監督による初の長編アニメーション作品となった「花とアリス殺人事件」、新人賞には「台風のノルダ」などが選ばれています。
このほか、アート部門ではプログラミング言語を使用し、額装した6枚のシートで構成された「50 . Shades of Grey」が、エンターテイメント部門では岸野雄一さんによる、人形劇+演劇+アニメーション+演奏といった複数の表現で構成された観客参加型の音楽劇「正しい数の数え方」がそれぞれ大賞を受賞。功労賞には、映像作家/批評家の飯村隆彦さん、ハードウェア開発者/ビデオゲーム研究者の上村雅之さん、アニメーター/作画監督/キャラクター・デザイナーの小田部羊一さん、漫画・諷刺画研究家の清水勲さんが、それぞれ選ばれました。
贈呈式は国立新美術館で2016年2月2日に行われる予定。同年2月3〜14日には、国立新美術館などで受賞作品の展示会も行われます。
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