曲のタイトルに「黒歴史」、ステージで組み体操……ヴィジュアル系バンドJin-Machineがいろいろおかしい

ステージでけん玉にコーラの一気飲みに組体操。ライブでお笑い芸人のネタを見ているような気分になる、そんなヴィジュアル系バンドがあります。

» 2015年12月29日 11時00分 公開
[姫野ケイねとらぼ]

 ガッツリメイクを施して謎めいた雰囲気を醸し出し、笑いをとりにいくことはない……。ヴィジュアル系バンドには多くの人がそのようなイメージを抱いてるかもしれません。しかし、そんな概念を覆す「日本一おもしろいヴィジュアル系バンド」をうたうバンドがいます。

 その名も「Jin-Machine」(ジンマシーン)。蕁麻疹(じんましん)? と思わず聞き返してしまうようなユニークなバンド名の彼ら。クールにキメたアーティスト写真は、一見普通のヴィジュアル系バンドマンのようにも見えます。

Jin-Machine Jin-Machine

 しかし、何やら曲のタイトルがおかしい。「ゴリラ」って……。PVではゴリラの着ぐるみと一緒に「ウホホウホホ」と踊っているし……。

Jin-Machine 「ゴリラ」
Jin-Machine ゴリラの着ぐるみと一緒に踊ってる……!

 「さよなら✝黒歴史」というタイトルのシングルもあります。表題曲の他に収録されているのは「やったぜ!バイトリーダー」、トークのみの「ブラックヒストリーレディオ 前編」の3曲。「黒歴史」「バイトリーダー」という言葉も、普通のヴィジュアル系バンドの曲には到底出てこないようなワードです。さらに「ブラックヒストリーレディオ 前編」は、メンバーそれぞれの黒歴史を語るトークとなっています(後編は同時期に発売の「さよなら✝黒歴史(通常盤)」に収録)。

Jin-Machine 「さよなら✝黒歴史」

 メンバーはボーカルではなく「MC」担当の「featuring16」(フィーチャリングイチロー)、「破壊」デスボイス担当の「あっつtheデストロイ」、「ギタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」担当の「マジョリカ・マジョルカ・マジカルひもり」、「ていおん」担当の「ブッシュドノエル・水月・アリッサ」、ドラムではなく「ドラミ」担当の「ルーベラ木村カエレ」。担当楽器と名前もなにが何やら……。

 公式サイトのプロフィールにも「好きな戦艦 宇宙戦艦ナデシコ(featuring16)」「好きな女性のタイプ 八神はやて、九条カレン、3次元は理想高いです。モデルさん(あっつtheデストロイ)」「気に入りの一冊 恥ずかしい事がいっぱい書いてある俺ノート(マジョリカ・マジョルカ・マジカルひもり)」などツッコミどころのある記述が。そもそもヴィジュアル系バンドのプロフィールに「縄文土器、弥生土器どっちが好き?」「昨日のうんこの色は?」という質問があること自体、ツッコミどころなのですが。ちなみに、白塗りメイクのあっつtheデストロイはねとらぼの読者で、アニメや水樹奈々さんが大好きだそう。

 そんな彼らのライブは「ミサ」と呼ばれます。普通のヴィジュアル系バンドのライブとは違って、曲に合わせて全員でダンスをする、お客さん参加型。ゴリラダンスもみんなで踊るし、「マグロに賭けた男たち」という曲では、ステージから客席に向けてマグロのぬいぐるみが飛び、飛んできたマグロをお客さんが力一杯ステージに投げ返します。

Jin-Machine ミサの様子

 ――と、ここまではまだライブっぽいのでが、それだけではなく、ミサに行くとお笑い芸人のネタを見ているような気分になります。先日のミサでは、地味にけん玉を披露(たまにミスする)、コーラの一気飲みをする(あえなく失敗)、組体操をする……などなどシュールなパフォーマンスが繰り広げられ、会場は笑いの渦で包まれました。ちなみにツアータイトルは「Jin-Machine12ヶ月連続ワンマンおげれつ戦国ハナクソ相撲Final!」。タイトルからしてもう……。

 インストアイベントも個性的です。CDを買うとトークやサイン会、握手会などのイベントの参加券がついてくるのですが、イベントではアニメキャラやランボーなどさまざまなコスプレ姿が見られます。しかも、ヴィジュアル系バンドとしては初めて秋葉原の某家電店(アイドルが水着でイベントを行うあの場所)でイベントを開催したことも。

Jin-Machine ソ○マップじゃないですかー!
Jin-Machine アニメキャラ編
Jin-Machine 某ダンスグループ編
Jin-Machine ランボー編(なお、普段は白塗りのあっつtheデストロイの肌色の顔を見られるのは、イベントで肌色のキャラのコスプレをしたときのみ)

 ヴィジュアル系はその名の通り、見た目がカッコいいことが第一条件として扱われることがほとんど。しかし、Jin-Machineは見た目だけではなく「おもしろさ」をも追求しています。カッコいいのに体を張って笑いを取りにいけるのは、ほかのヴィジュアル系バンドと大きく違うところでしょう。笑いだけでなく、もちろん演奏のクオリティも素晴らしいですよ。

 「ヴィジュアル系なんてどうせ見た目だけでしょ?」と思っている方、Jin-Machineのミサに参加すると、その先入観がガラガラと崩れ落ちるはず。暗いニュースも多い昨今、Jin-Machineのミサに行って、思いっきり歌って踊り、笑い転げてみませんか?

姫野ケイ

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