アニメ業界に新時代を 2人のアニメ馬鹿が「CHIKA☆CHIKA IDOL」プロジェクトに込めたメッセージ「とある」シリーズ錦織監督の挑戦(3/3 ページ)

» 2016年02月01日 21時00分 公開
[Tokyo Otaku Mode]
tokyoOtakuMode
前のページへ 1|2|3       

―― ライブシーンは動きが多くて作るのが大変ですよね。

本条 コストがかかりますし、演出も曲も必要です。どんなアイドルアニメでも毎回というのは難しいです。しかし「CHIKA☆CHIKA IDOL」の場合は、基本的に各話で誰かしらの新しいライブシーンを表現したいと思っています。

錦織 そこは歌やダンスもそうですし、会場の演出も含め、パフォーマンスを日常シーンと合わせてエンターテイメントとして見てもらいたいです。その一つの方法として3DCGを用いています。将来的には、より没入感のあるVRコンテンツへつなげることも視野に入れています。

本条 日常的なパートは、非常に親しみやすく現実的。ライブパートでは最先端の技術を使った、非日常的でファンタジックな映像を展開し、視聴者の皆が盛り上がれるようにしたいですね。この両パートのギャップを通じて、作品に幅をもたせられればと考えています。根底にある価値観はシンプルに二つだけ。「良い」と思った歌を皆でライブで一緒に歌うのは気持ちいいよね、というのが一つ。もう一つはアイドルを応援したい気持ちです。技術的な進歩を受け入れつつ、この二つの価値観をブレないようにしたいと思います。

錦織 作品として成功したら、VRコンテンツや初音ミクのようなリアル世界のライブなど、様々な技術・媒体にリンクさせることも考えています。

―― クラウンドファンディングでファンとつながり、さらに展開する媒体を多様化することで、そのつながりを深く、広くしていきたい。

本条 クラウドファンディングの良い点の一つは、お客様の声がダイレクトに届くことです。僕らが良い案を出せなかったらあまり支援も得られないでしょうし、出せれば盛り上がります。もしたくさんの企業・メーカーの資本が入っていると制作の自由が効かなくなり、クオリティー管理がずさんになるケースもしばしばあります。我々がコンテンツのクオリティーをしっかり管理する主体になって、ベストな形で世界に提供したいのです。

CHIKA☆CHIKA IDOL 「世界の人々にアニメを楽しんでもらうためにベストを尽くします。ぜひアニメ作りを直接支援して楽しんでほしい」と話す本条氏

―― インターネットの登場以来、アニメファンとクリエイターの距離が、今だかつてないほど近いですね。

本条 作品とファンの関係性は少しずつ変わっていくと思っています。ファン投票やクラウドファンディングなどがあるように、皆でコミュニケーションを取りながら作品作りが展開されていくようになっていくのかなと思います。また一方で、ちょっとした失言やミスでインターネット上で酷評されてしまうかもしれません。そうしたリスクに怯えてしまう人も少なくないでしょう。でも僕らはリスクを承知で前に進むしかないと思っていて、炎上してまっ黒に焦げてもかまいません。僕は焼け焦げる覚悟でやっていますので、その姿すらも皆さんに楽しんでほしいです(笑)。

―― 今までにないコンテンツを生む可能性がある一方、緊張感がありますね。

本条 はい。また一方で、皆さんが気になっている懸念点の一つにアニメーターやクリエイターの低賃金や待遇の問題があると思います。日本のアニメ業界は、Blu-ray DiscやDVDの売り上げに左右される収益構造がぐらついているのも事実で、皆「どうにかしないといけない」と思ってはいるのですが、様子を窺って動けていないようにも感じます。そこで僕たちが最初のチャレンジャーになって、アニメ作りの新しいビジネスモデルに挑戦してみようかなと思いました。失敗したら仕方ないですが、良い作品ができれば世に残ります。「お金が本当にないのか?」と誰かに問われれば、正直ありません(笑)。僕ら二人のお金はクラウドファンディングのためのPVとマンガを作るのに使ってしまいました。だから僕らの考えを知って、「CHIKA☆CHIKA IDOL」という作品をワクワクして楽しみにして頂ける方には、できる範囲でサポートして頂けたら嬉しいです。皆さんの見たいアニメを作ろうと意気込んでいますので、これから信頼関係を少しずつ築いていきたいです。

CHIKA☆CHIKA IDOL インタビュー中、あふれんばかりに話が出てくる錦織監督と本条氏。二人のプロジェクトにかける情熱は留まることを知らず

―― 錦織監督は、本プロジェクトに関してどんなこだわりが?

錦織 ファンとの関係と同様にこだわっているのは、「商業アニメを作ること」です。ちゃんとプロフェッショナルなものを作る前提でやっています。そこでスタッフには、多くの若手を起用する一方、要所のポジションへ「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」や「TIGER & BUNNY」などの制作にも参加した信頼できるスタッフを配置しています。

―― 良い作品を生み出すために。

錦織 作りに対しては言い訳しないで、最高水準のものをファンに届ける。時代に応じて中身を発展させていく。そういった意味で純粋にファンとクリエイターのことを考えたプロジェクトです。クリエイターが直接支援を受けて、クリエイターが直接ファンへ発表する。これがアニメとファンの最終的なスタイルになっていくと思います。この形がうまくいけば、クリエイターへしっかり還元していくことができると同時に、ファンもクリエイターも声優も、皆が幸せになる仕組みになるんじゃないかと信じています。

CHIKA☆CHIKA IDOL 「僕ら、アニメ馬鹿なんですよ。失うものはありません」と話し、息ピッタリのお二人でした

「CHIKA☆CHIKA IDOL」公式サイト

シンフォニウム株式会社

Twitterアカウント:@chikachika_idol

英文記事:A New Era in the World of Anime: Two Anime Fanatics Send a Message with the CHIKA*CHIKA IDOL Project

前のページへ 1|2|3       

© Tokyo Otaku Mode Inc.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」