ニュース
» 2016年03月02日 14時00分 公開

スマホを置けば注文完了 「PaperBeacon」メニューをお台場の「フレームカフェ」で使ってみた

2020年、東京の飲食店の注文の仕方はこんな風に?

[Glycineねとらぼ]

 帝人と東大ベンチャーのセルクロス、位置情報サービスを提供するタグキャストが共同開発したシート型のビーコン「PaperBeacon」。これを導入したお台場・ジョイポリスにある「フレームカフェ」が、スマホを置くだけで注文できる、近未来感のある空間となっていました。

「PaperBeacon」を活用したメニューアプリ 「PaperBeacon」を活用したメニューアプリ

 新宿駅のスマホナビ(関連記事)や、東京メトロの出口案内アプリ(関連記事)など、ビーコンの活用事例が身近に見られるようになってきた現在。フレームカフェは、PaperBeaconと、米Putmenuが開発した10言語対応の飲食店向けオーダーシステム「Putmenu」を組み合わせたシステムを1月から導入しました。

 多言語対応から分かるとおり、外国人の利用も視野に入れたこのシステムは、2020年東京五輪に向けた取り組みとして注目されます。なぜ、シート型ビーコンなのかなどは最後に紹介するとして、フレームカフェで実際にスマートなオーダーを体験してみました。

フレームカフェ内観 レインボーブリッジを一望できる景観が人気のフレームカフェ

 フレームカフェ入り口そばのオープンスペースにある5つのテーブルに、PaperBeaconメニューと対応言語やアプリダウンロードのためのQRコードなどが記されたマニュアルを設置。利用にはアプリのインストールが必要ですが、それさえ済んでいればすぐに注文可能。ファミレスや居酒屋のようにボタンで注文を取ってもらうこともなく、料理やドリンクが運ばれてくるのを待つだけのスマートオーダーは外国人観光客にも簡単そうです。

テーブル テーブル上の「PaperBeacon」メニューとスマホ、これだけで注文OK

Putmenuアプリ Putmenuのアプリから、フレームカフェのメニューを選択

メニュー 料理やドリンクをチョイス、個数を指定して

料金表示 料金が表示されたら、ワンクリックで注文

 アプリから注文した後、そのスマホをメニューの上に置くとカウントダウンが始まり、20秒以内にキャンセルがなければ注文完了という流れ。それと同時に、どのテーブルからの注文なのかが店側から特定できるようになっています。

メニュー上にスマホ メニューにスマホを置くと、Bluetooth経由で通信。20秒以内ならキャンセルも可能

 一方、厨房(ちゅうぼう)側を見ると、Putmenuの管理用アプリがインストールされたタブレットとワイヤレスプリンタでオーダーシートが出力され、注文内容が確認・処理されています。

タブレットとプリンター お店側のタブレット上の管理用アプリとプリンター

管理用アプリ お店側では、注文から支払いまで、プロセスに従って注文内容を編集できます

 カフェを運営するノムラデベロップメントの齋藤有希さんは、「PaperBeaconメニューを目当てに来店する新しもの好きのお客さまもいらっしゃいます。おいしい食事やすてきな夜景とともに、便利さや楽しみも提供するために、新しいものは大歓迎。Putmenuのシステムひとつで会計までできるようになればもっと良いですね」と評価しています。


 タグキャストの野崎太樹さんと、富澤智さんに、技術的な部分について聞いてみました。

野崎さんと富澤さん タグキャストの野崎さんと富澤さん

―― 従来の技術と、何が違うのでしょう?

野崎・富澤 空間に電波が広がる通常のビーコンとは違い、PaperBeaconなら、初めてテーブル単位で座標が取れる、つまり場所を特定してサービスを行うことが可能となりました。

 交通系カードなどで使われているNFC(近距離無線通信)だと、iOSでは使えませんが、ビーコンのBluetooth LEなら世界の標準規格ですので、グローバルに普及する可能性があります。

―― 飲食店のオーダーシステムのほかに、どのような用途がありますか?

富澤 まず、教育の分野です。総務省は、2020年までに、生徒1人にタブレット1台の配布を目標としています。自分の机の上のシート型ビーコンにタブレットを置いて、生徒個別のプログラムを表示させることができます。

 交通局のサイネージを双方向コミュニケーションにも活用できますね。シート型ビーコンのモジュール1つで、ハガキサイズから大型ポスターまで、さまざまな形状やサイズに対応するので、スマホでタッチするだけで、外国人観光客が好きな言語で内容を理解する、といった活用法が考えられます。

野崎 ユーザーを個別に認識できるのもビーコンの大きな利点です。注文履歴などの統計データを取り、マーケティングデータとして活用できます。現在のオーダーシステムも、将来的にはクーポニングや決済まで含めたトータルなサービスとして進化していきます。


 2020年東京五輪の日常は、先端技術でどう変わるのか? お台場のトワイライトを堪能しながら、近未来を占ってみるのも楽しそうです。

お台場のトワイライト これぞ東京、レインボーブリッジが輝くお台場のトワイライトが素敵

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/01/news138.jpg 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  2. /nl/articles/2312/01/news121.jpg “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  3. /nl/articles/2312/01/news115.jpg 「心底惚れて」「毎日うっとり」 宮里藍、新たな愛車を公開→国産車のチョイスに反響「庶民的」「きれいな色」
  4. /nl/articles/2311/30/news047.jpg 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  5. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. /nl/articles/2312/01/news065.jpg 「惨めな人生を送ってる」 パリス・ヒルトン、0歳息子の容姿揶揄をまたもバッサリ “頭が大きい”と受診勧めた人々振り返り「気の毒」
  7. /nl/articles/2312/01/news014.jpg ワンコ大好きなインコに“恋がたき”登場で174万再生! まさかの展開に困惑するワンコに「爆笑w」「ダブルだw」
  8. /nl/articles/2312/01/news019.jpg 寝込んだママが心配でたまらない元保護犬と小学生息子 それぞれが見せるけなげな姿に「泣けてきた」「なんて優しい子!」
  9. /nl/articles/2311/30/news031.jpg シロフクロウが自分とそっくりのぬいぐるみをくわえ…… 自慢げな表情に「本物の赤ちゃんかと」「ヘドウィグが!」と453万再生
  10. /nl/articles/2312/01/news105.jpg 俳優の井川瑠音さんが31歳で逝去 体調不良から復帰ならず、最後の投稿では「忘れられないようまだまだ精進」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」