レビュー
» 2016年10月16日 11時00分 公開

鉄道×鶏そばの最強コンビ 鉄道好きが贈る駅そばグルメ本「鶏と鉄道」にそそられる司書メイドの同人誌レビューノート

撮り鉄ならぬ「鶏鉄」活動。

[シャッツキステ,ねとらぼ]
シャッツキステ

 日差しが少しずつ柔らかくなり、見るものがなんだか穏やかに目に映る季節。涼しくなった風に、ふっと「旅に出ようかな」なんて思ってみたり……秋ですねー。

 どこかに行くなら、こんなおいしい旅はいかがでしょうか。今回は鉄道に乗って出会う「鶏」にスポットを当てた同人誌です。

今回紹介する同人誌

「鶏と鉄道 2」 B5 44ページ 表紙・本文カラー

著者:長沢佳


同人誌「鶏と鉄道 2」 おいしい鶏に出会うために、旅に出たくなる!

唐揚げそば・駅弁・焼き鳥……鉄道周りにはおいしい鶏がいっぱい

 表紙を開くと、お蕎麦の上に「どどん!」と乗った唐揚げ。唐揚げそばの特集からスタートです。お蕎麦の量も、唐揚げの大きさもさまざまな鶏そばなのですが、おつゆにとっぷり浸かった姿に、「噛んだらじゅわーっとしそう!」と、期待感が否応なく高まります。

同人誌「鶏と鉄道 2」 前回の本で唐揚げそばを取り上げたら大反響だったそう。今回は情報量アップ、最新情報を追加です

 最初の紹介は伊東駅の唐揚げそば(520円)。「そばは甘みの効いたつゆで、かけそばのとして食べても独特の風味がクセになる味」「そこに乗る唐揚げはさくさくプリプリ系」とのレポートに、今すぐお箸を手にしたくなります。唐揚げそばには「サクジュワ系、カリフワ系、やわぷり系などさまざまな食感」があるんですって。ひとつひとつにメニューの名前、価格、どこの駅で食べられるのか、またそれは駅の構内か、座れるか、といったデータが添えられているのが細やかでうれしいです。

同人誌「鶏と鉄道 2」 伊東駅の「祇園」さんの唐揚げそばはさくさくプリプリ系なんですって!

 東北新幹線の駅や、山手線圏内などさまざまな鶏そばが登場しつつ、JR西日本の主要駅で食べられるというとり天うどんや、名古屋のからあげきしめんまでカバー。他にも、東北の鶏駅弁めぐり紀行や、中には、“鉄道会社さんが駅内に作った串焼き店”というレアなお店での焼き鳥レポートなどもあり、紹介された鶏メニューなんとおよそ35種類!

撮り鉄から生まれた“鶏鉄”!?

 本の中の鶏メニューはどれも作者さんが実際に鉄道に乗ってご自分で食されたものばかり。作者さんはそもそも、鉄道がお好きで鉄道同人誌を作っていらっしゃったところ、「趣味をもっとフリーダムに!」という気持ちから、この鶏を味わう鉄道趣味「鶏鉄」の活動を始められたのだそう。

同人誌「鶏と鉄道 2」 さりげなく、しかしきっちり捉えられた鉄道写真が旅らしさをアップさせています

 なるほど、お料理の間に度々登場する列車の写真が、先頭車両から最後尾まできっちり収まっていてかっこいいと思っていましたが、もともと鉄道写真をお撮りになるのがお好きなんですね。だからでしょうか、お料理の写真の奥に、さりげなく写り込むステンレスのテーブルや、こしょうの瓶……そんな風景が切り取られ、「そこに旅した思い出」まで伝えてくるようで、なんとも旅情をそそるんです。窓辺に置かれた色あざやかなそぼろと、車窓の向こうに広がる景色……レールを走る音まで聞こえてきそうです。

同人誌「鶏と鉄道 2」 朝焼けの雪景色も素敵です。でもお弁当が気になりますー

体を張った充実の食レポ

 鉄道と鶏料理がお好きなんだろうな、というのがにじみ出るこの本ですが、私が驚いたのは「甲州山賊そばめぐり」という、中央本線沿いに点在する駅そば屋「丸政」さんの支店5店舗全てをめぐって山賊そばを食べるという企画。同じ系列で唐揚げとお蕎麦を食すレポートに、「いやいや、いくらなんでも苦痛では?」と心配してしまいますが、作者さんの目線は料理そのものはもちろん、各お店の調度品や駅舎まで観察していて、実に楽しい旅模様が描かれているのです。

 「東北鶏飯めぐり」の2泊3日で購入したお弁当は計17個。さすがにお腹いっぱいで食べきれず、翌朝の朝ごはんになったりもしたそう。でも、それでがっかりするかというと、全くそんなことなく、「2種類の唐揚げのクオリティが非常に高く、これ単品だけでもたくさん食べたい」「鶏ハムからは凝縮された旨みが出ていて印象的」と、鶏のおいしいところをしっかりレポートされているんです。体を張って自分の目で見て、舌で味わって……、鉄道と鶏を愛して旅した実感が伝わってくる本です。


サークル情報

サークル名:渚沙野電車区

Webサイト:http://kqnagasawa.wixsite.com/nagisano

取り扱い:メロンブックス https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=169118

とらのあな http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/42/47/040030424793.html


今週のシャッツキステ

シャッツキステ 音楽ユニット「binaria(ビナリア)」さんの10周年を記念して、アルバムジャケットを壁に飾っております。朝夕の微妙な光りの中で、カラフルな作品が壁を彩ってくれます

著者紹介

司書メイド ミソノ 司書メイド ミソノ:秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」でメイドとしてお給仕する傍ら、とある大きな図書館で司書としても働く“司書メイド”。その一方で、こよなく同人誌を愛し、シャッツキステでも「はじめての同人誌づくり」「こだわりの特殊装丁」の展示イベントを開く。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えた辺りで数えるのをやめました」と語る

関連キーワード

同人誌 | 料理 | 写真 | 電車


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10

  1. 上野樹里、“娘”の誕生日に愛情たっぷり手作りオムライス公開 「がんばろうね ママより」と祝福メッセージ
  2. 石橋貴明&鈴木保奈美が離婚報告 今後は“事務所社長と所属俳優”として「新たなパートナーシップ」構築
  3. 元ブルゾンちえみ・藤原史織、最新ショットに反響 「更に痩せた?? 可愛すぎる」「素敵です!! 足細いですね」
  4. 「美容師人生の集大成を見せる」 タンザニアハーフ女子を縮毛矯正したら「美容師ナメてた」「人生変わるレベル」と360万再生
  5. 出勤時、妻にいつになく強く抱きしめられた夫→妻が家に帰ってくると…… 何気ない日常を描いた漫画にツッコミつつもジーンとする
  6. 怒られたシェパード、柴犬の後ろに隠れたけど…… でっかくて丸見えなしょんぼりワンコが応援したくなる
  7. 塚本高史、中2長女&小6長男の背の高さに驚き 「なんじゃこいつらの成長の早さは!」「俺身長抜かれるんか?」
  8. 「声出して笑った」「狂人度高くて好き」 自転車泥棒を防ごうと不吉そうな箱を自作→まさかの結末迎える漫画が話題に
  9. 石橋貴明の娘・穂乃香「お父さん大好き」 幼少期キスショット公開し「愛されてますね〜」「ステキな写真!」と反響
  10. 基地で生まれ育った子猫、兵士が足踏みすると…… まねをして一緒に行進する姿がかわいい

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「産んでくれた親に失礼」「ちょっと我慢できません」 上原浩治、容姿批判のコラム記事に不快感あらわ
  2. ホワイトタイガー「あっ、落としてもうた」 うっかり子どもを落とした母と、落ちてゆく子どもの表情がじわじわくる
  3. がん闘病の大島康徳、肝臓に続いて肺への転移を告白 息苦しさに悩まされるも「大して成長してない」
  4. 「目パッチリです」 宮迫博之、最高難度の美容整形を決行 クスリ疑惑もたれたクマやほうれい線の一掃で“別迫”に
  5. 石橋貴明の娘・穂乃香「お父さん大好き」 幼少期キスショット公開し「愛されてますね〜」「ステキな写真!」と反響
  6. 大島康徳、ステージ4のがん闘病でげっそり顔痩せ 相次ぐ通院に「正直かなりしんどかった」
  7. 山に捨てられていたワンコを保護→2年後…… “すっかり懐いたイッヌ”の表情に「爆笑した」「かっこよすぎ」の声
  8. 「ブス、死ね」 りゅうちぇる、心ない言葉への返答が感銘を呼ぶ 「心もイケメン」「りゅうちぇるのおかげで自己肯定感上がった」
  9. 『はらぺこあおむし』の版元、毎日新聞の風刺漫画を批判 「おそらく絵本を読んでいない」
  10. 小林礼奈、4歳娘を連れて夕食中に客とトラブル 痛烈コメント受けて「私たち親子を悪にしたい人がいる」