「真田丸」振り返り4コマ(12月11日放送分『前夜』)

伊達と真田の密約、事実は小説より奇なり。

» 2016年12月13日 12時40分 公開
[シミルボン]

 自称プロの真田幸村ファン、みかめです。

 NHK大河ドラマ『真田丸』振り返り4コマ、今回は第49話の「前夜」から。

大河ドラマ「真田丸」振り返り4コマ 12月11日放送分「前夜」

 伊達政宗との密約!

 第24話で、「わしがもう20年早く生まれていたら、大広間の首座に座っているのは秀吉ではなくわしであった!」と言い、空を斬りつけた刀。それから25年、戦場で再会を果たし、その形を再現してみせた幸村。胸熱のシーンでした。

 北条氏滅亡の後、ギリギリで命をつないだ政宗は、巨大な勢力に屈せねばならぬ悔しさを吐露します。「男なら天下をかけた大戦で大軍を率いて敵を蹴散らしたいと思うだろう?」と問いかけた政宗に対し、「私はその器ではない」と答えた幸村。その幸村が大軍を率いて天下を相手に戦うことになろうとは。運命の巡り合わせは何とも不思議なものです。

 上杉景勝が幸村を「わしがそうありたいと思っていた人生を生きておる」と評したように、政宗にとっても、幸村は「そうありたかった」姿なのでしょう。恐らく、徳川に従う多くの外様大名がそう思ったに違いありません。政宗が、多くの戦国大名が捨てた夢を、幸村が実現してみせたのです。だからこそ政宗は幸村の妻子の保護を快諾したのでしょう。幸村ほどの男に頼まれたのだから、一命を賭して守り抜かねば男が廃る。伊達と真田の密約、事実は小説より奇なり、ですね。

 さて、ドラマでは春さんも政宗のところに行きましたが、史実ではどうだったのでしょうか?

 今回紹介する本は「真田幸村の系譜 直系子孫が語る四〇〇年」です。

真田幸村の系譜 直系子孫が語る四〇〇年

 こちらの本は幸村から数えて14代目に当たる真田徹氏の書籍。主に「幸村以降」を扱った一冊です。幸村の女系子孫であり仙台真田氏研究の第一人者である小西幸雄氏の著書「仙台真田代々記」をベースに、情報をアップデートしております。

 ドラマでは春、梅、大八の3人が政宗の下に行きましたが、同書によると政宗の下に行ったのは合計6人。幸村の正室春(史実では名前不明)は九度山時代に生まれた最年長の娘あぐりと一緒に九度山に落ちのびようとしますが、徳川の捜査網に引っ掛かり、釈放されたのちは京都に住み、子供たちの行く末を見守ったといいます。

 大八はのちに片倉守信という名の仙台藩士となり、以降仙台真田家は脈々と続いていくのです。

 さて、いよいよ次回が最終回……きりちゃんもようやく報われたことだし、このまま豊臣が勝つハッピーエンドに……はならないですよね。覚悟して待ちましょう!

 「真田丸」振り返り4コマは毎週火曜日更新予定です。次回もどうぞお楽しみに!

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