ドラマ「バイプレイヤーズ」第3話 文春が引き続き大不倫キャンペーン中! 芸能人スキャンダル問題にヒヤヒヤしっぱなしねとらぼレビュー

ウミガメの生命の営み。

» 2017年01月28日 11時00分 公開
[たまごまごねとらぼ]

 テレビ東京のドラマ24「バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」。第3話は「バイプレイヤーとスキャンダル」。

 不倫がテーマ。昨年の芸能界は不倫騒動でえらいことになっていただけに、最初から最後までヒヤヒヤしっぱなし。


バイプレイヤーズ3話 一番の愛されキャラだったはずの光石研さんが……!?


今までのおさらい

 出て来る俳優さんたちのキャラクターをデフォルメしながら、本人を本人が演じるというちょっと変わったドラマ。基本フィクションです。

 3カ月のシェアハウス生活をすることになった、遠藤憲一さん、大杉漣さん、田口トモロヲさん、寺島進さん、松重豊さん、光石研さんの6人。全員が50代以上の大御所バイプレイヤー(名脇役俳優)。大杉さんをリーダーに、少しずつ仲良く、でも踏み込みすぎずに共同生活を始めます。

 ただ1つ、みんな同じ傷を抱えている。10年前の自主制作映画「バイプレイヤーズ」。みんな熱すぎて大喧嘩。いい思い出とは言い難い。でも大事な記憶でした。

 ところがそのフィルムが盗まれた。大杉さんは、家中にカメラを仕掛けて、みんなを監視。裏切り者は誰だ。



誰にだって性欲はある

寺島「やんちゃしたいねー53になっても」

大杉「大丈夫だよ、俺たちもう、たたないもんな」


 朝ごはんの時からこの会話。おじさんたちと来たらもう。責任感が強くなり、やんちゃしなくなった(あと身体が……)中年だからこそこんな話で笑えます。

 でも当然、50代であろうと性欲はある。女の子は好きだし、エロい動画だって見たい。

 光石さんと山口紗弥加さんは、架空のドラマ「W不倫の悲劇」で共演。山口さんは光石さんを、仕事仲間として自宅の夕食に招待しました。ところが山口さんは光石さんに熱視線。お酒の勢いでキス、光石さんにも口移しでワインを飲ませて、そのままベッドへ。

 愛妻家の光石さん、不倫の道に転落。


バイプレイヤーズ3話 すぐに共演者に惚れちゃう光石さん。山口さんに自宅へ招かれ……

 翌朝シェアハウスで週刊文春を読むと、知り合いの滝藤賢一さん不倫現場の写真が。テレビ局で出会った滝藤さん、光石さんの前で号泣。もう他人事ではない。不倫をきっぱりやめようと山口さんに言おうとするも、また流され……。



人間の不倫

 いかに不倫が悲劇を起こすか、生々しく描いています。不倫ですっぱ抜かれた役の滝藤さんのシーンがきつい。連ドラに映画2本にCMまでとんでしまう。子ども4人いるのに。

 酸いも甘いも見てきた50代バイプレイヤーズ。やっぱり過ちで、今まで積み重ねてきた仕事と信頼全部失うのは、怖いもの。

 ただ、人生経験が長いと、視野は広くなっています。

遠藤「昔の俳優ってさ、もっと豪快なエピソードばんばんあったよね」

松重「そうですね、勝新さんとかね」

大杉「昔はさ、女遊びも芸の肥やしって言われたけど、今はそうじゃないからさあ」


 「不倫=芸能人は非難を浴びる」のが常ではなかった。

 現代の「芸能人の不倫」の重さに、さらに切り込んでいきます。



謝る相手

 大杉さんは、劇中で光石さんの悩みを、うっすらわかっていました。核心である山口さんとの不倫までは気づかなかったようですが、女の人がらみで苦しんでいるであろうことまでは勘付いています。

 温厚な光石さんが一瞬怒鳴った時に全部悟ったのかもしれません。光石さんと2人きりで話す大杉さんのセリフが、芸能人と不倫の問題についてすごく繊細に考えておられて、本当にステキなので、書き出しておきます。

大杉「三十何年とかやってこれたってのはさ、自分のアレもあるんだろうけど、やっぱり支えっていうかさ、家族だったりさ、かみさんだったり、あとはスタッフだったり共演者だったり、いろんな方の支えがあってさ。まあそれはすごい感謝の気持ちがないといけないなと。まあ、不倫じゃないけどさ。愛人だったり不倫だったりって、割と快楽に走り始めてね、男として面白いなと思うんだけど。まあ、リスクもあるしね」


 大杉さんの、責めるでもなく、たしなめるでもなく、あくまでも持論として光石さんに不倫問題を話すシーン。ベテラン俳優ならではの、重みのあるセリフでした。

 不倫をしてしまう心理は、分からないわけじゃない。けれども、目を合わせられなくなるような罪悪感を抱く相手、頭にすぐ浮かぶはず。

 家族、妻や子ども。一緒に働くスタッフや共演者。信頼してくれていた人たちに、嘘をついてしまった。「誠実じゃない人」として信用を失う。それが一番怖い。



裏切られた時の気持ち

 光石さんは文春砲をくらわなかった。シェアハウスのみんなにも最後までバレていない。


バイプレイヤーズ3話 浮気からの朝帰り、松重さんには一瞬バレそうになりましたが……

 けれども不倫相手だった山口さんからは二股かけられる側に。だまされたことを知り、心底痛い目にあいました。この瞬間に、はじめて本当の意味で、自分が家族と仲間を傷つけた、という事態を理解したのでしょう。

 清算すべく家族の元にすぐに向かい、全部話した様子。テコンドーでボコボコにされていましたが、奥さんは外に言わなかったし、離婚もしていない。家族の問題として、全部飲み込んで終了。これってものすごくありがたい、感謝してもしきれない役者を「支える」家族。もう二度と裏切れないよ。


バイプレイヤーズ3話 ちゃんとケジメはつけました

 光石さんが嗚咽しながら泣くシーンは、理由までは言わない。みんなも無理して言わせようとはしない。でも仲間には十分すぎるほど伝わりました。

 傷つきつつもまずまっさきにみんなに「ごめん」。感情のダムが決壊して、罪悪感の涙がだだ漏れ。俳優・光石研さんの演技のすごみに圧倒される場面です。

大杉「女だったんだろうね、頻繁に連絡取り合ってたの」「みんなのためにあんなに一生懸命泣けるんだもんな」


 信用は一度失ってしまうと取り戻すのが大変。でも、今まで積み重ねてきた努力は絶対無駄じゃない。本気の感情をあらわにしたときにはちゃんと伝わる。大杉さんと松重さんは、今までの彼の歩みを知っているからこそ、仲間として信じることにしました。

 もしこれで、のほほんと不倫を続けて、文春砲くらって、映画がおじゃんになったら。みんなにめちゃくちゃ怒られ、絶縁状態だったかもしれない。でもちゃんと真実の気持ちを見せてくれたのなら、信じたい。これが中年の男たちの信頼関係。



ウミガメの貴重な産卵シーン

 今回なにげにいいキャラを出していたのが、遠藤憲一さん。

 食い入るようにテレビのウミガメの産卵シーンを見ていました。涙していました。

 朝食の時、大杉さんがふざけてジャスミンに「この6人の中で誰がいい?」と言い出した時。遠藤さんは「やめようよそういうこと」とすぐ止めに入りました。

 滝藤さんがスクープされた時も、山口さんが載った時も、まっさきに週刊文春を読んでいたのが遠藤さんでした。

 公式HPのキャラ紹介には、こうあります。

男っぽくコワモテだが、繊細で細やかな感性を持ち、心配性である。日常生活でも仕事の上でも、実は意外と右往左往する。


 とっても繊細。いろんなことを気にする。今回の「女遊び」の件も、1話で女の子に手を出すなと光石さんを叱っていたのが、遠藤さんでした。

 今回は遠藤さんと大杉さんが目立ちましたが、それぞれ全員の性格がシェアハウスでの日常の中で、細かく表現されているのがこのドラマの楽しいところ。別々な行動を取っている時、ひとりひとり見ると性格を生かした演技をこまめに入れているので、繰り返し見てチェックするのをオススメします。

 にしても、今回のラストで突然寺島さんが、大杉さんの監視部屋に木刀を持って乱入。正直怖かった……Vシネのワンシーンみたいだった。

 次週は田口トモロヲさんと寺島進さんの話になりそう。どんどんバレていくとなると、監視の話はどうなっていくんだろう。大杉さん誰かに怒られて仲間割れしちゃったりしないのかしら。


(C)「バイプレイヤーズ」製作委員会

たまごまご



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/05/news022.jpg 「クレオパトラみたい」と言われ傷ついた55歳女性→カット&パーマで大変身! 「本当にびっくり」「素敵なマダムに」
  2. /nl/articles/2410/05/news040.jpg 伝説の不倫ドラマ「金曜日の妻たちへ」放送から41年、キャストの現在→75歳近影が「とても見えません」と話題
  3. /nl/articles/2410/02/news116.jpg 余りがちなクリアファイル、“じゃないほう”の使い方で食器棚がまさかのスッキリ 「目からウロコ」「思いつかなかった!」と反響
  4. /nl/articles/2410/05/news023.jpg 七五三で刀を持っていた少年→20年後には…… “まさかの進化”に「好きなもの突き進んでかっこいい!」
  5. /nl/articles/2410/05/news018.jpg 野良猫が窓越しに「保護してください」と圧をかけ続け…… ひしひし感じる強い意志と表情に「かわいすぎるw」「視線がすごい」
  6. /nl/articles/2410/05/news012.jpg 「あのお客さんに幸あれっ!」 小銭の出し方が完璧な“神客”にレジ店員感激 会計がスムーズになる配慮が参考になる
  7. /nl/articles/2410/04/news048.jpg 「こういうの好き」 割れたコップの破片を並べたら…… “まさかの発想”で息を飲むアート作品に 「すごいセンス良い」「前向きな考え」
  8. /nl/articles/2410/04/news040.jpg 50代女性「モンチッチみたいにしてほしい」→美容師がプロのワザを見せ…… 別人級の変身に「めっちゃお洒落」「すごい!」
  9. /nl/articles/2410/04/news025.jpg 「これが免許証の写真???」 コスプレイヤーが公開した“信じられない”免許証が話題 コスプレ姿との比較に「両方とも可愛いすぎる」
  10. /nl/articles/2410/05/news032.jpg 大型犬が18年間、ドアを開け続けた結果……そうはならんやろな驚きの末路に「どうしたらこんな風になるのよ」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声