「燃やす」「娼婦」 ハリポタ作家J.K.ローリング、トランプ支持者から猛攻撃を受けるも華麗な切り返しが話題に

相手が悪すぎた。

» 2017年02月04日 20時00分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 ドナルド・トランプ米大統領への不支持を表明している「ハリー・ポッター」シリーズの著者J.K.ローリングが、Twitter上でトランプ支持者から一斉攻撃を受けるも、その返しがさすがだと話題になっています。

Twitter上でトランプ大統領支持者とバトルを繰り広げたJ.K.ローリング Twitter上で猛バトル(画像はPottarmoreのInstagramから)

 トランプ大統領就任直後から、イスラム圏7カ国からの入国停止など衝撃的なニュースが飛び交うアメリカ(関連記事)。ローリングはマイク・ペンス副大統領が2015年にツイートした「イスラム教徒だという理由でアメリカへの入国を禁止することは攻撃的であり、違憲である」を引用し、「人がたとえ全世界を手に入れたとしても、魂を失ってしまったら何になるだろう」という意味のマタイ福音書16章26節を用いペンス副大統領に苦言を呈していました。

 さらに、日系2世の米国人俳優ジョージ・タケイやタレントのキム・カーダシアンがツイートした、イスラム圏7カ国からの入国を停止すべき根拠はないことを示すものをリツイートするなどしていました。

 一連のツイートやリツイートはトランプ大統領の支持者らを刺激し、攻撃の的に。ある支持者は、ローリングが引用していた英政治家ウィンストン・チャーチルの言葉「敵がいる? いいことです。つまりあなたは人生で何かのために立ち向かったことがあるということだ」を引用リツイートし「まさにこれはトランプ大統領のこと。彼はとても、とても素晴らしいことのために立ちあがっているし、お前は彼の敵だよ、愚劣な作家先生」と侮辱するも、ローリングは「はあ……私ももっと努力すれば、カエルの漫画の後ろに隠れてる孤独なヴァージンになれるかもしれないわね」と歯牙にもかけません。

 さらに、「フォロワーとダサいガキの後ろに隠れている年老いた娼婦がよく言うな」とからかわれると、「あなたがフードを被ったチワワでないなら、私のほうが“隠れてない”という面では勝ってるわ。でも“年老いた娼婦”っていうのはいいわね、シェークスピアみたい」と、まるで余裕。なお、「カエルの漫画」と「フードを被ったチワワ」はそれぞれのアイコン画像を指したものです。

 「お前の本と映画(のDVD)は燃やしてやる」などの過激ツイートには「DVDを燃やした煙は身体に毒だと思うんだけど、代金はもういただいてるわけだし、ライターお貸しましょうか」と軽妙にレス。このリプライは、約15万のリツイートと約46万のいいねがついています(記事執筆時)。


 また、「17年間ファンだったけど、たった今ハリー・ポッターの本を燃やしました」のように“失望しましたファン辞めます”的ツイートには、「少女に、独裁者の盛衰について書かれた本を読ませることはできても自分でものを考えさせることはできない、といわれるのは本当だったようね」と回答しました。

 最後にローリングは激しいバトルを見守っていたファンに向けて感謝のツイートも。批判よりも応援メッセージの方が多かったと明かし、「さらなる炎上のためにちょっと休むわ」と変わらずウィットに富んだ文言で、世界で最も有名な作家の1人としての貫録を見せつけました。

 舞台版ハリー・ポッターでハーマイオニー役の女優が、黒人だという理由で人種差別を受けた際などもはっきりと不快感を示していたローリング(関連記事)。かねて肌の色や宗教、性別などによる差別を批判する姿勢を見せ、Twitter上ではトランプ大統領の方針を問題視する記事やツイートを積極的にリツイート。そのユーモアと文才で自らの信念を貫いています。

J.K.ローリングはトランプ大統領不支持をはっきりと表明 どちらもTwitter強者(画像はドナルド・トランプ大統領のInstagramから)

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