ニュース
» 2017年03月26日 09時45分 公開

スマホ版「KOF」景表法違反の疑いで訴訟問題に発展か さらに特商法違反も発覚

まさかKOFでこんなことが起きるなんて……。

 SNKプレイモアの看板ゲームシリーズ、「ザ・キング・オブ・ファイターズ」のスマートフォン用ゲームに訴訟の動きが持ち上がっています。

 問題となっているタイトルは「THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH Online(KOF98 UM OL)」。SNKプレイモアのライセンスを受けて中国OURPALM社が提供しているゲームで、最近ではテレビCMも大量に投下されており、ストアのランキング上位に並ぶことも多い人気タイトルです。



 今回提訴されようとしているのは、その日本法人であるOURPALM株式会社。同作のガチャに確率表記の誤解を招く表現があり、それを指摘したプレイヤーが「景品表示法」の「有利誤認」にあたるとして提訴しようとしています。ところがその過程で、景表法違反だけでなく別の法律違反の可能性も出てきたことで話題になっています。


「出現確率3%」のウソ

 そもそもの発端は、人気キャラクター「クーラ」が出現するガチャキャンペーンで、ゲーム内の説明では「出現確率3%」と表記されていました。

 しかし、その確率に疑問を感じたユーザーの1人・Tomasさんが運営に問い合わたところ、運営からは「ガチャを引いて格闘家が出てきたときに3%の確率でクーラが出現する」という意味の回答があったとのこと。

 同作のガチャでは、格闘家(キャラクター)やその破片、成長アイテムなどがランダムで排出されますが、単発で引いた場合、格闘家が出現する確率は10%程度といわれています(※詳細な確率は非公開/10回回せば格闘家1体確定)。クーラが出現する確率は“そこからさらに3%”ですから、実際は3%よりもはるかに低い確率ということになります。


KOF訴訟 問題のキャンペーン画面。「出現確率3%」と書かれていますが……

OURPALMの“虚偽”回答が火に油を注ぐ

 これを知ったTomasさんは、この「出現確率3%」という表記が、景品表示法の“有利誤認(実際に提供されている商品より有利であるかのように誤解させる表示)”にあたるのではと指摘し、返金を求めます。

 これに対しOURPALM側は「キャンペーンページに記載があった」と反論。しかし、Tomasさんがあらかじめ保存しておいた説明ページを確認しても、そのような記載はありませんでした。

 これに怒ったTomasさんは、OURPALMに対し「一週間以内に返金に応じなければ訴訟を起こす」と内容証明を送ります。もともとTomasさんはOURPALMが謝罪し、その後の運営を正してくれれば訴訟までは考えていなかったのですが、結果的に、OURPALMの不誠実な対応が火に油を注ぐことになりました。


KOF訴訟 Tomasさんが送った内容証明

さらに斜め上の対応も

 Tomasさんはこれで謝るか……と考えていましたが、OURPALMの対応はその斜め上を行きました。OURPALMの返答は「Appleに『課金したけど反映されなかった』と伝えて返金を求めるように」――つまり、虚偽の報告による返金をすすめられたとのこと。Tomasさんがそれを拒否して訴状を送ると、今度は秘密保持契約を結び、訴訟を取り下げることを条件にダイヤを補填すると提案されたそうです。

 しかし、この対応がTomasさんの怒りにさらなる火をつけることに。Tomasさんは「裁判して事実関係を明らかにして、プレイヤーをだましたら処罰される前例を作ろう」と徹底抗戦を決意します。Tomasさんが個人の返金を求めて裁判で勝てば、同じ状況にある他のプレイヤーも、同じように返金を求められるようになるためです。


訴状が届かない!→特定商取引法違反も発覚

 ところがその後、訴訟の準備をすすめる中で、さらに驚くべきことが起こります。送ったはずの訴状が「宛先不明」で戻ってきてしまったのです。

 通常、オンラインで品物を販売する会社は、住所、代表、電話番号、メールアドレスなどを正確に掲載することが「特定商取引法(特商法)」で必須とされています。そこで、Tomasさんは特商法の記載のある住所に存在するビルに問い合わせましたが、ビル側によればそのような会社は入居していないとのことでした。


KOF訴訟 サイトに掲載されていた住所表記

 編集部でも消費者庁に問い合わせてみたところ、これは明確に「特商法違反」との回答を得ました。現在、アプリ市場では海外のメーカーなどを中心に、特商法表記の違反が多くなっていますが、そもそも連絡先を正しく表記していないため、消費者庁側も指導ができない状況になっているのだそうです。消費者庁でもこの問題は認識しており、是正を促すように動いているとのことでした。


サイトの住所表記は更新されたものの……

 結局、Tomasさんは会社代表の自宅に訴状を送り、ようやく訴状は受理されます。

 その後、OURPALM側は公式サイトを更新し、現在は別の住所が表記されていますが、今回も該当住所のマンションに対して、フロアなどが明記されていない「届かない住所情報」になっており、特商法違反になっています。

 また更新に伴い、現在は代表者の表記も削除されています。


KOF訴訟 現在の所在地表記では「中央区月島」になっています

 Tomasさんは現在も提訴の準備を進めており、自身のサイトでも詳細な経緯を報告しています

 なお、編集部でもOURPALM側にメールで問い合わせを行っていますが、いまだ回答は得られていません。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/01/news138.jpg 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  2. /nl/articles/2312/01/news121.jpg “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  3. /nl/articles/2312/01/news115.jpg 「心底惚れて」「毎日うっとり」 宮里藍、新たな愛車を公開→国産車のチョイスに反響「庶民的」「きれいな色」
  4. /nl/articles/2311/30/news047.jpg 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  5. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. /nl/articles/2312/01/news065.jpg 「惨めな人生を送ってる」 パリス・ヒルトン、0歳息子の容姿揶揄をまたもバッサリ “頭が大きい”と受診勧めた人々振り返り「気の毒」
  7. /nl/articles/2312/01/news014.jpg ワンコ大好きなインコに“恋がたき”登場で174万再生! まさかの展開に困惑するワンコに「爆笑w」「ダブルだw」
  8. /nl/articles/2312/01/news019.jpg 寝込んだママが心配でたまらない元保護犬と小学生息子 それぞれが見せるけなげな姿に「泣けてきた」「なんて優しい子!」
  9. /nl/articles/2311/30/news031.jpg シロフクロウが自分とそっくりのぬいぐるみをくわえ…… 自慢げな表情に「本物の赤ちゃんかと」「ヘドウィグが!」と453万再生
  10. /nl/articles/2312/01/news105.jpg 俳優の井川瑠音さんが31歳で逝去 体調不良から復帰ならず、最後の投稿では「忘れられないようまだまだ精進」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」