やしろあずきの日常―― Web漫画家ってどうやって過ごしてるの?(後編)〜仕事の仕方やお金の話を怒られない程度に話してみる〜(1/3 ページ)
仕事ください。
こんにちは。やしろあずきです。
この記事は前回の続きになっているので、もしご覧になっていない方がいましたらぜひ読んでもらえるとうれしいです。
さて、前回はどういった人がWeb漫画家と呼ばれているのかといった話や、僕のクソみたいな1日を紹介したりしたのですが、正直これだけではWeb漫画家がどういったものなのかまだ分からないし、Web漫画家のもっと深い所を知りたい人も多いと思います。金のこととか。
ということで、後編ではWeb漫画家の「仕事」「働き方」について掘り下げて書いていきたいと思います。と言ってもまだ僕もWeb漫画家になって数年ですし、完全にWeb漫画1本で食っていくようになってから半年ぐらいしかたってないので、説明不足になってしまう所もあるかもしれませんが……。ただ、Web漫画1本でなんとか食っていけるようになった過程で、仕事での立ち回り方やトラブルの解決法などいろいろ学べたことはあるので、多少役に立てるような文章が書けると良いなと思います。
Web漫画家ってどう稼いでるの?
前回説明した通り、Webで漫画を描いている人は皆Web漫画家と言っても良いと思います。それではプロのWeb漫画家といったらどういったものになるのでしょうか。
プロというのはプロフェッショナルの略であり、「その分野で生計を立てている人」ということを指します。つまり今回の場合は「Web漫画を描いてお金をもらい、それで生計を立てている人」がプロのWeb漫画家ということになります。僕もWebで漫画を描いてお金をもらって生活しているのでその中に入りますね。
では、そのいわゆる「プロのWeb漫画家」はどうやって生計を立てているのか、僕が知る事例のみになってしまいますが簡単に説明したいと思います。
- 連載
まず、連載です。これは週刊雑誌などで連載している漫画家さんなどと同じく、どこか特定の媒体、ネット上のメディアやWeb漫画サイトなどと契約し、月1だったり週1だったりで漫画を描くことです。単行本化のチャンスもあります。
漫画ではありませんが僕がここ、「ねとらぼ」で週1回記事を書かせてもらっているのも連載ですね。
「連載」という形態は同じでも、描くメディアなどによって全く締め切りや原稿の提出規定が違うので、そこはちょっと大変です。月に1回まとめて出す所があったり、週1の所もあったり、3日に1回の所もあったり……。Webは原稿さえ渡せばすぐに更新ができてしまうので、そのあたりは紙の雑誌とちょっと違うかもしれません。その分締め切りの融通はききやすいですが……(ごめんなさい)。
現在は紙の大手雑誌もWebに力を入れていて、そこでWeb漫画家としてのデビューを果たすと、通常の雑誌連載である漫画家さんと同じ待遇を受けられる場合もあるそうです。
ただ、その裏では原稿料が半端じゃなく安かったり作家や作品への扱いがひどい場所もあるので、そのあたりはよくよく調べてからお仕事の話は受けた方が良いと思います。
そこがどこかは僕は言いません。死にたくないから。
- 単発依頼、広告依頼
次に単発でのイラスト、漫画依頼や広告案件ですね。
単発の依頼は例えば「このWebサイトに4コマを2本描いてほしい」とか「こういったサイトのトップページのイラストを描いてほしい」など、連載とは違ってその1発だけのお仕事のことです。ニュース系のサイトや企業、専門学校など依頼主はさまざまです。
ちなみにこういった単発の案件から連載につながるという話もあります。
さて、それから広告なのですが、こちらは想像通り広告代理店などからの依頼で「◎◎の商品のPRをしたいので漫画を描いてくれ」というものです。
今はステルス・マーケティングに厳しい時代なので、ちゃんとPRであることを表記した上での漫画寄稿となるのですが、作家さんによっては商品PR漫画を描くのに抵抗がある人も割と多いと聞きます。
それでも僕は受けますけどね。なぜって、理由は後述しますが結構描いていて頭を使うので面白いというのと、単純に報酬がかなり良いからです。
……はい。まあ「宣伝」ってものすごくもうかるお仕事なんですよね。多分どの業界でも。
ただ、めちゃくちゃもうかるお仕事がめちゃくちゃ大変なのは世の常であり、やはり企業様の商品をPRする漫画なので漫画内の表現の制限や、修正が非常に多いことが特徴です。
プライドがある作家とかだとここで折れちゃうかもしれません。
さらに、描いた漫画をTwitterなどでバズらせる(拡散させる)必要もあります。宣伝なので多くの人に見てもらわなければ意味がないですから。
なので決められた制限の中で自分の漫画の良さ、特徴を引き立たせ尚かつ拡散されるような漫画を考えるという割とハードな仕事が求められるわけです。キツい。
ただ僕は基本的に「楽しんで作業する」ことを信念としているので、修正がガンガン戻ってきても「じゃあこうしたらどうだ」「これならいけるだろ」と代理店と駆け引きをたのしんで仕事をしているので、特に苦ではないです。うそです。つらいときもありますが基本的には楽しんでやっています!!
……というわけで、僕のTwitterで露骨に何かの宣伝をしている漫画を見ても嫌わないでください。生きるためなんです。というか面白い漫画を描けるよう頑張っているので笑ってください!!
あと前述した通り嫌々やってないので大丈夫です! 作者が楽しんで描かないと面白い漫画は描けませんから……。
- 個人販売、グッズ、同人誌など
最後に完全に個人での商売、同人誌やグッズを自主制作してコミケなどで販売したり、LINEスタンプを作ったりといったもの。雑誌連載の漫画家さんなどだと、こういった行為は契約上不可能だったりする場合もあるので、そういう意味ではWeb漫画家の方が比較的自由に動けると思います。
またWeb漫画家は、TwitterなどSNS上で大量にフォロワーを抱えていてアイドル性が強く、自分自身が広告塔になれる人が多いので、自主制作、自主販売に向く人が多いという印象です。
編集部や出版社を通さず、ファンに直に販売できるのは個人販売の強みです。
……さて、いくつか仕事を紹介しましたが、結局気になるのは、どれが一番稼げるの?って所だと思います。はい、軽くそのあたりを説明します。僕の経験した中で言うと、
……ですね。
個人的な考えとして仕事としておいしいのは広告案件なのですが、やはり安定は重要なので連載(単行本化を踏まえた)を数本抱えつつ、余裕をもって広告案件も受けていく……という働き方がWeb漫画家の理想であると思います。
なので僕は月に連載を数本、広告案件を数本受けつつ単発依頼も死なない程度に受け、LINEスタンプをたまに出し、年2回、夏と冬にコミケなどのイベントで同人誌を出す……。というスタイルで食べています。バランスが大切です。
……というか僕はあまりにひどい依頼じゃなければ基本全部受けるスタンスなので、ここを見ている業界の方はやしろあずきにドンドンお仕事くださいね!
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