やしろあずきの日常―― Web漫画家ってどうやって過ごしてるの?(後編)〜仕事の仕方やお金の話を怒られない程度に話してみる〜(2/3 ページ)

» 2017年04月09日 12時30分 公開
[やしろあずきねとらぼ]

Web漫画家として食っていくためには?

 ここまでお仕事について話してきましたが、実際にWeb漫画を描いていてそれを本職にしたいけどなかなかお仕事が来ない……どうやって仕事を探せばいいの……? という相談も結構されたりするので、ここで「仕事の取り方や立ち回り方」についても少しお話したいと思います。あくまで持論だからね!


  • SNSパワー

 Webは作者と読者が直に触れ合えるので、SNSなどで精力的に活動している作家さんはSNSのフォロワーが半端なく多かったりしますよね。

 Twitterのフォロワーは別に仕事に直結しないというような話もたまに聞くんですが、そんなことは全くないです。単行本の売り上げには直結しないって話は本当にそうだと思いますけど。

 もちろん、仕事の内容によっても違ってきますし、もともと個人のWebサイトなどで漫画を掲載して、そこから有名になった人とかは当てはまらないと思うのですが、SNS、ここではTwitterを例に出しちゃいますが、そこでのフォロワーの数=拡散力が武器になる仕事はズバリ広告案件です。

 代理店は商品をたくさんの人に認知してほしくてPR漫画の依頼を出すわけなので、どうしてもフォロワーが多い絵描きやアイドル性が高い絵描きにそういった高単価の仕事が集中します。YouTuberと同じような感じですね。

 ただ広告案件に限らず、フォロワー数が多いと目立つ=仕事が来る(クライアントの目に付く)可能性は高いと思うので、SNS上でのファンは少ないよりは多い方が絶対に良いと思います。リスクは炎上の可能性が高まることぐらいですかね……。炎上に関しては僕の過去記事を参考にしてもらえればと思います。


  • コミュ力

 「コミュ力」と聞くとばかにする人も多いと思います。僕も昔はそうでした……。

 ですが、社会に出てゲーム会社で数年サラリーマンを、半年ほどフリーランスでWeb漫画家をしてきた中でコミュ力は非常に大事なものだなと感じました。フリーランスになってからは尚更です。

 まず、1つの案件があったとして、似たような絵柄・スタイルの絵描きA君とB君がいたとします。Aは「人と会話するのが得意で、しっかりと相手の伝えたいことをくみ取って自分の意見も返していけるタイプ」Bは「人と会話するのが苦手で、相手が言っていることが理解できなくても会話が嫌なので何も言わないタイプ」

やしろあずきの日常 貴方ならどちらと働きたい?

 この場合確実に仕事の依頼はA君に来ます。つまりそういうことです。

 なんならB君の方がA君より技術があっても、A君に仕事が行く場合だってあると思います。基本的に仕事で起きるトラブルの原因はコミュニケーション不足に起因するものがかなり多いので、結局、コミュ力が高い人と仕事をした方が不要なトラブルも避けられるし、気持ちよく仕事ができるのです。

 特にフリーになると、仕事につながるチャンスはいろいろな所に点在しています。

 界隈(かいわい)の飲み会、パーティー、なんなら担当の美容師との会話まで、どこにだって自分を売り込むチャンスはあります。フリーランスは事業主なので、自分のことを好きなだけ好きなときに営業していいのです。

 自分が出せる力と相手が欲しい力が合致したら仕事につながります。相手に自分の持っている能力やスキルを正しく伝えられる、気持ちよく一緒に仕事ができそうだなと思ってもらえる営業力、コミュニケーション能力が、この先フリーとして生き延びるためには非常に大切になってくると僕は思います。

 ……というか、正直これはWeb漫画家だけでなく全てのフリーランスに当てはまることかもしれませんね。

 孤高の職人やよほどの天才は別だと思いますが。

やしろあずきの日常 積極的なコミュニケーションを取るため、深夜、担当にLINEスタンプを連打したりします

  • 度胸や勇気

 コミュ力に続き「度胸や勇気」って、僕がめちゃくちゃ嫌いな自己啓発本とか体育会系っぽくてすげー嫌なんですが、別に度胸があればなんでもできる! とか言うわけじゃないです!

 これはつまり、臆せずガンガン自分の作品をインターネット上にあげていこう! ってことです。それだけ!

 何も作品をアップせずに「Web漫画家になりたい」なんて言っててもチャンスもクソもありません。ド下手でもいいじゃないですか。PixivでもTwitterでも今は誰だって簡単に作品を発表できます。たくさん描いてアップすれば自分の力とともにファンだってついてきます。

 ……ここまでお話しましたが、時代が変われば仕事のあり方や取り方も変わっていきます。Twitterだっていつ無くなるか分かりませんから……。なので今の業界の動きをしっかり見つつ、時代が求めているニーズに合った行動ができるように心掛けていれば、食いっぱぐれることはないのではないでしょうか。僕はTwitter無くなったら死ぬけど。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. /nl/articles/2412/01/news031.jpg 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. /nl/articles/2412/03/news082.jpg 「ほ、本人……?」 日本に“寒い国”から飛行機到着→降りてきた“超人気者”に「そんなことあるw?」「衝撃の移動手段」の声
  4. /nl/articles/2412/03/news111.jpg 才賀紀左衛門、娘とのディズニーシー訪問に“見知らぬ女性の影” 同伴シーンに「家族を大切にしてくれない人とは仲良くできない」
  5. /nl/articles/2412/02/news009.jpg 【今日の難読漢字】「誰何」←何と読む?
  6. /nl/articles/2412/05/news006.jpg 「今やらないと春に大後悔します」 凶悪な雑草“チガヤ”の大繁殖を阻止する、知らないと困る対策法に注目が集まる
  7. /nl/articles/2412/03/news148.jpg 武豊騎手が2024年に「武豊駅に来た」→実は35年前「歴史に残る」“意外な繋がり”が…… 街を訪問し懐古
  8. /nl/articles/2412/03/news092.jpg 大谷翔平、“有名日本人シェフ”とのショット 上目遣いの愛犬デコピンも…… 「びっくりした!!」「嬉しすぎる」
  9. /nl/articles/2412/03/news055.jpg ハローマックのガチャに挑戦! →“とんでもない偏り”に同情の声 「かわいそう」「人の心とかないんか」
  10. /nl/articles/2412/03/news034.jpg 古着屋で“インパクト大”なブランケットをリメイクすると…… 劇的な仕上がりに386万再生「これはいいね、欲しい!」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」