やしろあずきの日常―― Web漫画家ってどうやって過ごしてるの?(後編)〜仕事の仕方やお金の話を怒られない程度に話してみる〜(2/3 ページ)
Web漫画家として食っていくためには?
ここまでお仕事について話してきましたが、実際にWeb漫画を描いていてそれを本職にしたいけどなかなかお仕事が来ない……どうやって仕事を探せばいいの……? という相談も結構されたりするので、ここで「仕事の取り方や立ち回り方」についても少しお話したいと思います。あくまで持論だからね!
- SNSパワー
Webは作者と読者が直に触れ合えるので、SNSなどで精力的に活動している作家さんはSNSのフォロワーが半端なく多かったりしますよね。
Twitterのフォロワーは別に仕事に直結しないというような話もたまに聞くんですが、そんなことは全くないです。単行本の売り上げには直結しないって話は本当にそうだと思いますけど。
もちろん、仕事の内容によっても違ってきますし、もともと個人のWebサイトなどで漫画を掲載して、そこから有名になった人とかは当てはまらないと思うのですが、SNS、ここではTwitterを例に出しちゃいますが、そこでのフォロワーの数=拡散力が武器になる仕事はズバリ広告案件です。
代理店は商品をたくさんの人に認知してほしくてPR漫画の依頼を出すわけなので、どうしてもフォロワーが多い絵描きやアイドル性が高い絵描きにそういった高単価の仕事が集中します。YouTuberと同じような感じですね。
ただ広告案件に限らず、フォロワー数が多いと目立つ=仕事が来る(クライアントの目に付く)可能性は高いと思うので、SNS上でのファンは少ないよりは多い方が絶対に良いと思います。リスクは炎上の可能性が高まることぐらいですかね……。炎上に関しては僕の過去記事を参考にしてもらえればと思います。
過去のインタビュー記事
やしろあずきの調査―― 明らかに燃えそうなことを何でSNSに投稿しちゃうの? 経験者に聞くネット炎上の理由と怖さ(前編)
やしろあずきの調査―― 明らかに燃えそうなことを何でSNSに投稿しちゃうの? 経験者に聞くネット炎上の理由と怖さ(後編)
- コミュ力
「コミュ力」と聞くとばかにする人も多いと思います。僕も昔はそうでした……。
ですが、社会に出てゲーム会社で数年サラリーマンを、半年ほどフリーランスでWeb漫画家をしてきた中でコミュ力は非常に大事なものだなと感じました。フリーランスになってからは尚更です。
まず、1つの案件があったとして、似たような絵柄・スタイルの絵描きA君とB君がいたとします。Aは「人と会話するのが得意で、しっかりと相手の伝えたいことをくみ取って自分の意見も返していけるタイプ」Bは「人と会話するのが苦手で、相手が言っていることが理解できなくても会話が嫌なので何も言わないタイプ」
この場合確実に仕事の依頼はA君に来ます。つまりそういうことです。
なんならB君の方がA君より技術があっても、A君に仕事が行く場合だってあると思います。基本的に仕事で起きるトラブルの原因はコミュニケーション不足に起因するものがかなり多いので、結局、コミュ力が高い人と仕事をした方が不要なトラブルも避けられるし、気持ちよく仕事ができるのです。
特にフリーになると、仕事につながるチャンスはいろいろな所に点在しています。
界隈(かいわい)の飲み会、パーティー、なんなら担当の美容師との会話まで、どこにだって自分を売り込むチャンスはあります。フリーランスは事業主なので、自分のことを好きなだけ好きなときに営業していいのです。
自分が出せる力と相手が欲しい力が合致したら仕事につながります。相手に自分の持っている能力やスキルを正しく伝えられる、気持ちよく一緒に仕事ができそうだなと思ってもらえる営業力、コミュニケーション能力が、この先フリーとして生き延びるためには非常に大切になってくると僕は思います。
……というか、正直これはWeb漫画家だけでなく全てのフリーランスに当てはまることかもしれませんね。
孤高の職人やよほどの天才は別だと思いますが。
- 度胸や勇気
コミュ力に続き「度胸や勇気」って、僕がめちゃくちゃ嫌いな自己啓発本とか体育会系っぽくてすげー嫌なんですが、別に度胸があればなんでもできる! とか言うわけじゃないです!
これはつまり、臆せずガンガン自分の作品をインターネット上にあげていこう! ってことです。それだけ!
何も作品をアップせずに「Web漫画家になりたい」なんて言っててもチャンスもクソもありません。ド下手でもいいじゃないですか。PixivでもTwitterでも今は誰だって簡単に作品を発表できます。たくさん描いてアップすれば自分の力とともにファンだってついてきます。
……ここまでお話しましたが、時代が変われば仕事のあり方や取り方も変わっていきます。Twitterだっていつ無くなるか分かりませんから……。なので今の業界の動きをしっかり見つつ、時代が求めているニーズに合った行動ができるように心掛けていれば、食いっぱぐれることはないのではないでしょうか。僕はTwitter無くなったら死ぬけど。
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