「報道ステーション」配信は快挙―― 藤田社長に聞く、AbemaTV1周年の手応えと最近の取り組み(2/2 ページ)

» 2017年04月25日 12時00分 公開
[宮澤諒ねとらぼ]
前のページへ 1|2       

新作は毎クールごとに全てチェック

―― ここからはアニメチャンネルを担当している2人にもお話を聞いていきます。まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

椛嶋 私はもともと広告代理事業の方でスマートフォン広告の担当をしていて、AbemaTV立ち上げのタイミングでジョインしました。

 ゲームは好きなんですけど、これまでにアニメ関係のお仕事をしたことはなく……。担当になってから毎日アニメを見たり声優さんの勉強をしたりイベントへ行ったり、気付いたらアニメが大好きになっていました。

水谷 私はテレビ朝日からの出向で、3年程前にサイバーエージェントに来ました。テレビ朝日ではキッズアニメだったり特撮周りのライセンスのビジネスを担当していて、AmebaTV開局に際してアニメチャンネルの担当が椛嶋さんしかいないということで声が掛かりました。

AbemaTV 左から水谷誠也さん、椛嶋麻菜美さん 左から水谷誠也さん、椛嶋麻菜美さん

―― 実際にアニメが配信されるまでの流れはどのようになっているのでしょう。

椛嶋 チャンネル毎にプロデューサーを立てており、それぞれが作品の調達・編成・宣伝・効果分析など一連のフローを担っています。タイムリーなネタを重視し、各プロデューサーがコンテンツホルダーに直接提案します。

 立ち上げ当初は2人と、内定者バイトのメンバーや他スタッフと日々奮闘しておりましたが、今では各チャンネルにプロデューサーを立てて運用しています。番組は一枠およそ30分なので、他チャンネルに比べて本数は多いです。そういう意味では物量的には大変ではあります。

水谷 大変ですが丁寧な仕事を心掛けています。ちょっとしたぼろが出てもよくないので。

―― ぼろと言いますと?

水谷 作品のつなげ方だったり……あと、いろんな制作物を広告で使ったりしているんですけど、そういうところで変なキャッチフレーズにならないようにとか。違和感のないよう、日頃から意識しています。

―― 調達するアニメは内容もチェックしているんですか?

水谷 さすがに全話となると厳しいですが、第1話は必ず見るようにしています。あと毎クール新作は全部追うようにしています。

―― 先ほど藤田社長から配信契約がしやすくなったとの話がありましたが、アニメはどうなのでしょう。

椛嶋 立ち上げのときは、そもそもAbemaTVってうまくいくのかというお声がすごく多かったんです。でも、3カ月目に新作アニメチャンネルを立ち上げ、地上波で放送中の作品をネット最速で配信する、みたいな取り組みが徐々にできるようになってから、少し風向きが変わってきました。いまでは大きなコンテンツホルダーさんからも、AbemaTVでなにかやってみたいというようなお声掛けをいただくことが増えてきてますね。

AbemaTV 左から水谷誠也さん、椛嶋麻菜美さん、藤田晋社長

―― 立ち上げ1年目で、さまざまなことを経験されたと思いますが、特に印象的なエピソードを教えてください。

椛嶋 いまは特番にかなり注力しているんですけど、2016年12月に配信した「ユーリ!!! on ICE」の特番では、コメントが集中しすぎてコメント機能が壊れたことがありました。豊永さん、諏訪部さん、内山さんといったメインキャストに久保ミツロウ先生まで呼ぶことができて、生ではなく収録だったんですけど、内山さんが発言した瞬間にコメント機能が……(笑)。

 アニメチャンネルの中でも異例の伸びで。ユーリの人気はもちろん、盛り上がっているタイミングだったこと、そして持ち込んでいただいた企画だったこともあって、トラブルには見舞われましたが、すごく印象的ないい出来事ですね。

なぜ、クリスマスに「School Days」を配信してしまったのか

―― アニメチャンネルは、ねとらぼでもよく取り上げさせてもらっていますが、最近になってかなりエッジの効いた特集が増えてきたように感じます。2016年のクリスマスには「School Days」や「WHITE ALBUM」を配信して、「AbemaTVが攻めてる」と話題になったこともありました。

椛嶋 クリスマス特番には、ちょっとしたエピソードがありまして。これは開局前の話なんですけど、アニメ好きの内定者の子がいて、特にSchool Daysが大好きだったんですね。それで話を聞いたりする中で、いつか配信したいと思い始めて。クリスマスは周りも皆仕事だったので、「よし、配信しよう!」と(笑)。

水谷 編成会議で、クリスマスにチャンネル横断の企画をやるから、なにかないかといわれて、ここしかないと思って提案しました。ちょうど2017年が放送開始10周年だったので、そこに合わせようというのもありました。

―― サイバーエージェントというと、どうしても「キラキラ女子」というイメージが先行してしまいますが、アニメ好きの人ももちろんいますよね(笑)。

椛嶋 結構います(笑)。キラキラしているように見えて、意外と「School Days」を求めているのかもしれないです。

AbemaTV 左から水谷誠也さん、椛嶋麻菜美さん、藤田晋社長 「社内を歩くと、アニメ好きの社員が多いのが分かると思う」と藤田社長

―― それでは最後に、アニメチャンネルの今後へ向けた取り組みについて教えてください。

椛嶋 いろいろな作品とのコラボですとか、地上波よりも早く配信したり独占配信したりといろいろ実績はできてきたので、そこは引き続き注力しつつ、アニメ業界を一緒に盛り上げていけるような取り組みもやっていきたいです。

水谷 いま新作アニメがメインのチャンネルを担当していまして、この4月クールで4クール目になるんですけど、どれか1作品が突出するわけじゃなく全体的に数字が上がってきています。

 深夜アニメって、地上波ですとなかなか浅い時間に放送できないと思いますが、AbemaTVでは昼間でも深夜アニメを配信できます。過去の作品を見に来てくれた人が新作にも興味を示してくれて見てくれるという環境が作れれば、アニメ業界にもいい形で貢献できるんじゃないかなと思っています。そういう意味でも、コンテンツホルダーと一緒にアニメ業界を盛り上げていけたらと思っています。

藤田 オリジナルドラマなども作っていく予定ですが、アニメでもAbemaTVでやりたいというコンテンツ制作者が現れるようなサービスにしていきたいですね。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/21/news157.jpg 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  2. /nl/articles/2502/21/news132.jpg コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
  3. /nl/articles/2501/30/news115.jpg コストコで人気「ヨーグルト」に大腸菌群陽性の可能性…… メーカーなど謝罪「深くお詫び」 5万8000個自主回収
  4. /nl/articles/2502/21/news073.jpg 「行かねば!!!!!」 マクドナルド、次回ハッピーセットを“におわせ”…… “最恐”のコラボに「まじかーーー!」「これはたのしみ」
  5. /nl/articles/2502/20/news148.jpg 鮮魚店で売れ残ったタコ、自宅に連れ帰ると産卵して天国へ→母タコの代わりに卵をお世話したら…… とんでもない瞬間に「泣けました」
  6. /nl/articles/2502/21/news042.jpg コロコロよりも楽? 床に落ちた髪の毛 → ノンストレスで掃除できる“まさかの裏技”が「素晴らしすぎ」「神!!」
  7. /nl/articles/2502/20/news011.jpg 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  8. /nl/articles/2502/21/news145.jpg 「キスの会しよう」 華原朋美、高級接待した記者に“関係迫られる”トラブル 激怒の相手に5歳息子も怯え「あの人頭おかしいよ!」「ママやばい」
  9. /nl/articles/2502/21/news053.jpg 「助けて。息子がこれで幼稚園に行くってきかない」→まさかのアイテムに母困惑 「行かせましょう!」「控えめに言って最高」と反響
  10. /nl/articles/2502/21/news006.jpg 「3度見くらいした」 ハードオフに100円で売られていた“とんでもない掘り出し物”に仰天 「ガチでヤバい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  4. 雑草ボーボーの荒れ地に“牛3頭”を放牧→2週間後…… まさかの光景に「感動しました」「いい仕事してますねぇ~!!」
  5. “この子はきっと中型犬サイズ”と思っていたら……たった半年後とんでもない姿に 「笑わせてもらいました」
  6. 年の差21歳で「夫は娘の同級生」 “両親大激怒”で結婚は猛反発されるも……“まさかの行動”で説得
  7. 163センチ、63キロの女性が「武器はメイクしかない」と本気でメイクしたら…… 驚きの仕上がりに「やっば、、」「綺麗って声でた」
  8. サイゼリヤ、メニュー改定で“大人気商品”消える 「ショック」悲しみの声……“代わりの商品”は評価割れる
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 「さすがに無神経な内容」 “暴言受けた”伊藤友里が降板発表→岡田紗佳の直後の投稿に批判の声 Mリーガーも反応
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議