やしろあずきの調査―― 中二病って本当に中学2年生で発症するの? 現役中学教師に聞いてみた!(後編)(4/4 ページ)

» 2017年05月31日 12時50分 公開
[やしろあずきねとらぼ]
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「大人だけど中二病の人」ってなんなの?


やしろあずきの調査

「そうだ、これはちょっと中学教師である先生の専門外かもしれないんですが、最後に聞きたいことがあって……」



やしろあずきの調査

「はい」



やしろあずきの調査

「中学を卒業してから今、僕も28歳になるまでいろいろ人生経験をしてきまして……大学だったりゲーム会社だったり、それこそ今みたいな仕事になってからは有名人の方ともお話させて頂いたり……いろいろな方と出会ってきたわけです」



やしろあずきの調査

「はあ」



やしろあずきの調査

「それだけ出会いがあると……たとえこちらが望んでいなくても会ってしまうんですよ……その……大人なのにめちゃくちゃ真性型の中二病の人に」



やしろあずきの調査

やしろあずきの調査

「ああ…………」



やしろあずきの調査

「いますよね??? 大人なのにめちゃくちゃ真性型の中二病の人



やしろあずきの調査

「はい、まあ、いますね。真性型と言わずに、全てのタイプにおいて中学を卒業してから大人になって今になるまでずっと症状が続いている人はいると思います」



やしろあずきの調査

「あの人たちはその……なんなんですかね?」



やしろあずきの調査

「うーん……難しいですし、私の臆測なんですが……さっき、中二病がヒートアップしすぎたときに家族や周りが止めてあげたほうがいい……って話をしたじゃないですか。その時に誰も止めてくれず、自分がしている行為や考えが恥ずかしい、ちょっと世間とズレたものだと気付かないまま大人になってしまったって例が一番多いんじゃないでしょうか……」



やしろあずきの調査

「なるほど、現役時代に卒業のキッカケを逃した人なんですね」



やしろあずきの調査

「中二病的な思考から脱出できるときって、やっぱり何かしらのキッカケはあると思うんです。どこかで『あっ、俺恥ずかしいことしてた』って冷静になる思考を引き起こすためのトリガーが。ただうまくそのキッカケに巡り会えなかった、または気付けずに時だけが流れてしまったのではないでしょうか……」



やしろあずきの調査

「ふむ」



やしろあずきの調査

「あとは自分の仲間がずっと同じ中二病だったりとか。中二病仲間とずっとつるんでいたら卒業の機会はそりゃ減っちゃいますよね。大人になってもずっとヤンキーな人とかはそのタイプだと思います。ああいう人たちって周りも全員同じタイプじゃないですか」



やしろあずきの調査

「あーーー確かに……特にヤンキーって仲間と常に一緒にいたがりますもんね。排他的で。そうか……もう逃れられない中二病なのか……深夜コンビニの周りにたまってるヤンキーとかもう中二病の集団だと思っちゃっていいのか……大人になってからの中二病って、もう治せないものなんですかね?」



やしろあずきの調査

「いえ、治し方は中学生のときのソレと同じで良いと思いますよ。自分がしてることが恥ずかしいことなんだって教えてあげれば……ただ、正直ここは難しい所で、治さない方が良いんじゃないかってタイプもいると思うんですよね」



やしろあずきの調査

「そのまま中二病でいた方が良いタイプってことですか?」



やしろあずきの調査

「はい。まあヤンキー型などに主にいえることですが、中二病が関係した行動で人を傷つけたり、迷惑を掛けるのは中学生だからまだ許されることであって、成人してからは絶対に許されない行為です。だけど、真性型に近いタイプの中二病の場合は、もう大人になってもその状態ならそのままの方が本人のためにも良いんじゃないかと私は考えます」



やしろあずきの調査

「確かに、周りに迷惑を掛けないのならもう、中二病というかただの個性になるのかな……」



やしろあずきの調査

「そうですね。本来、思春期のうちに現れてて成人する頃には消え去っているモノが残り続けていたら、それはもう個性だと思って良いと思います。その個性は、生きていく上でとても役に立つ場合だってあります。それこそ中学生のころに『俺は他の奴とは違う才能がある天才だ!』って思っていた子がその考えを捨てないまま大人になったら、その妄想が努力や運に結びついてなんらかの才能を開花し超有名人になってる可能性だってあります」



やしろあずきの調査

「そうか……中学生のころはただの中二病的な妄想だとしても、大人になってそれが実現することだって十分ありうるのか……」



やしろあずきの調査

「はい。堕天使にはなれないと思いますが」



やしろあずきの調査

「うるさい!!!!!」



まとめ 〜中二病であり続けることは必ずしも悪いことじゃない〜


やしろあずきの調査

「真性型だけに限らず、中二病はとにかく妄想のパワーがすごいですよね。やしろさんの場合だって自分が堕天使の生まれ変わりだって心の底から信じてたし、周りの設定とかもいろいろ考えてたんですよね?」



やしろあずきの調査

「そうですね。僕の他にも12人の堕天使が現世に降臨していて、その12人は特別な闇刻印〜ダーク・ファントマ〜を持っているんです。あ、その闇刻印の力が強大すぎるから現世に追い出されてしまったんですが……その闇刻印は堕天使ごとに色も形も違い、刻印解放といって刻印を堕天にかざすことで刻印に封じられたダークエネルギーすなわち闇魔力を解放していわゆる魔法のような攻撃が出せ」



やしろあずきの調査

やしろあずきの調査

大丈夫です



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「闇刻印の種類はこのダーク・ノートに全て記載されているので後で読んでみてください」



やしろあずきの調査

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「はい。まあそういう妄想力って、実際すごいことだと思うんですよ。中学生のころはまあ誰もがそんな妄想をしますし、子どもって感性豊かなんで0から1をガンガン生み出していけると思うんですが、大人になると固定観念ができすぎてなかなか0から1を生み出すような考えってできないものなんです」



やしろあずきの調査

「ふむ」



やしろあずきの調査

「なので真性タイプの妄想が強い中二病を大人になるまで引っ張ってる人って、とてつもなくクリエイター向けだと思います。というか、真性型の中二病の心がどこかにあるからこそクリエイターになれてるんじゃないかと私は思ってます」



やしろあずきの調査

「な……なるほど……つまりクリエイターは全員中二病だと!?」



やしろあずきの調査

「考えてみてください。現役バリバリの中二病でもある中学生がハマれるコンテンツって、作ってるのは大人なんですよ。中二病の気持ちが一番分かるのは中二病です。そういった作品の作者は妄想から脱却することなく妄想し続け、自分の妄想を現実に持って来ることに成功した人だと思います。これ褒め言葉ですからね。本当に素晴らしいことだと思います」



やしろあずきの調査

「もちろん、中学生向けのコンテンツだけの話じゃないです。何かを創作するにあたり、中二病であることは絶対的な強さだと思います。中二病であり続けることは、子供のころのなんでも新鮮に捉え、そこから新たな発想を生み出せる豊かな感性をそのまま持ち続けているということなんです。物事を1つの方向からしか見られなくなった大人とは違い、多方面からのぞき込むことができる……捉え方によってはそんな素晴らしい能力だと思うんです。中二病って」



やしろあずきの調査

「おお……確かに、自分も含め作家の人って子どものようにはしゃぐことあるし、自分が好きなものだったら無限に妄想を膨らませたりできるもんな……まさに脳みそが子どものまま大人になったような……」



やしろあずきの調査

「漫画家さんとかの見た目が総じて同年代のサラリーマンより若いのって、そういう理由もあるかもしれませんね」



やしろあずきの調査

中二病であり続けることで老化を防げる……!?



やしろあずきの調査

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「そんな直接的には言ってません!! 今回、中二病についていろいろ話してきましたが……中二病になることでいろいろな感性を磨けることは間違いないと思います。もちろん、よくない方向にいくこともありますが、中二病は決して恥ずかしいこと、必ずしも悪いことではない。というのが数年中学教師をやってきた自分が思ったことですかね……周りを気にせず自分の世界を構築できたあのころの想像力や気持ちは、完全に忘れちゃいけない、大人になっても心のどこかに中二心を持っておくことは大切だと思います」



やしろあずきの調査

「なるほど……なんだか自分が重度な中二病だったことが誇らしくなってきました」



やしろあずきの調査

「毎日会社と家の往復で、なんだか人生楽しくないなーって人も、忘れていた自分の中二心を引っ張り出してみたら何かが変わるかもしれません! いろいろお話させていただいてありがとうございました!!」



やしろあずきの調査

「ありがとうございます!!」



やしろあずきの調査

「はい。ちなみに私の中学時代のハンドル・ネームは『エンジェル桜欄天憐華』でした」



やしろあずきの調査

ガチやんけこの人。読めねぇ


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