「カレーの辛口」と「日本酒の辛口」は何が違うのか?
「辛い」とは何ぞや?
どうも、QuizKnockライターのカワカミ(21)です。私事で恐縮ですが、最近日本酒を飲めるようになりました。
とはいえ、まだ銘柄を見てもどんな味なのかよく分かりません。そこで気にするのが「辛口」か「甘口」か、という評価。私は甘口の方が好きなのでよく甘口のものを頼むのですが、辛口を頼んだ友人に一口もらうと……、ん? これ、辛い……か?
日本酒の辛口って、カレーの辛口とは全然違うものなんじゃないか?
当たり前ですが、日本酒にはカプサイシンなどの辛味成分は含まれていません。では、「辛口」の日本酒とは一体何なのでしょうか?
辛口/甘口の基準
カレーの辛口/甘口の基準は分かりやすく、主にカプサイシンなどの辛味成分で決まります。
一方、日本酒の辛口/甘口の基準は、基本的に、含まれる糖の量で決まります。糖が多い方が「甘口」と呼ばれるわけです。これを具体的な数字で表したものを「日本酒度」と言い、糖が少ないものがプラスの数値を、糖が多いものがマイナスの数値を取ります。
ただし、日本酒にはいろいろな酸も含まれているので、当然その影響も受けます。糖の数が同じでも、酸度が低い方が「甘口」と判断されます。
「辛い」とは?
さて、これで「甘口」に関しては分かった気がしますが、ではなぜ「甘口」でないものを「辛口」というのでしょう?
そもそも、酒に関して「辛口」「甘口」という評価が生まれたのは江戸時代のようです。かの井原西鶴も『日本永代蔵』で、「から口」という言葉を使っています。
「辛さは味じゃなくて痛覚だ」とよくいわれます。実際、口の中の味覚を感じる部分に辛さを感じる細胞はないとされています。(※近年、カプサイシン受容体が口の中にあることが分かりましたが、これは全身に分布しているものなので、味覚特有のものであるとはいえません)
辛さを痛覚であるとすると、糖度が低くアルコール度数が高い「刺激が強いもの」が「辛口」と表現されるのも納得です。
また、江戸時代の日本酒は、今のものよりも酸度が強かったため、酸の刺激も「辛さ=痛覚」と分類されていたのではないか、という考えもあるようです。
当たり前のように使っていた「辛口」という言葉の由来も、少し考えてみると日本酒のように奥深いものですね。
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