「最近の大学生はスマホでレポートを書く」は本当か? “若者のパソコン離れ”の実態を調べてみた(2/3 ページ)
ある大学教員経験者が「レポート提出日当日に、授業中に必死にスマホを打っている学生なら見たことがある」と証言してくれたのだ。そこで、その話をあらためて学生たちに聞いてみると、「それくらいならいるかも」とのことだった。ちなみに、全員が「本当に少数ですけど」という前置きをしていたことを付け加えておく。
タイプ1:パソコンの起動が面倒
最初に聞いたのは、少し不真面目な学生についての話だった。単にパソコンを起動するのが面倒で、なんとなくスマホをいじるついでにレポートを書いている、そういう学生がいるという話だ。こういった学生は、レポートは提出すればいいという感覚で、きちんとしたものを書こうとはしていないようだ。しかし、それでも常にスマホしか使っていないというわけではなく、パソコンでレポートを書くことも普通にあるとのこと。
タイプ2:ITスキルが高い
次に聞いた話は、ITスキルが高いタイプが積極的に利用しているという話だ。タブレットの例ではあるが、医療系の学生が教科書を自炊(自分でスキャンしてデジタルデータ化)してタブレットで持ち歩いているとか、タブレットにキーボードを外付けしてレポートを書いている人がいたという話だ。
さらに、レポートを書くのにスマホを使っている学生に直接話を聞くこともできた。基本的にはパソコンで書いているものの、スマホを使うときがあるそうだ。締め切りが近く急いでいて、ちょっとした空き時間や移動時間を使って書きたいときや、思い付いた構成を書き留めるのにスマホを使う。Wordアプリを利用して、One Driveでパソコンと共有し、印刷はパソコンから行うそうだ。彼は、レポートを書く場所として、自宅、図書館以外にカフェとも回答していた。
彼はパソコンのキーボード入力に不慣れなわけではない。フリック入力の方が使い慣れているものの、長文はパソコンの方が楽と言っていた。
では、スマホで長文を入力するのはどのくらい大変なのだろうか。実際にスマホでレポートを書いてみることにした。ある高校教師の話では、Googleの「G Suite」を導入している高校もあるそうだ。Googleが提供するオフィススイートで、レポートを書いたり共有したり、アンケートができたりする。高校生はそれをスマホで見ていることも多いそうだ。となれば、それと似たようなGoogleドキュメントを使えば、ほぼ同じ環境でレポートが書けるのではないかとチャレンジしてみた。
20分ほどでA4用紙の半分程度の文章が書けた。ちなみに、筆者は会議の議事録をスマホで取る程度にフリック入力ができる。画面が小さいので推敲はしにくいが、文章を書いていくだけであれば、それほど苦ではないように感じた。
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