IPAがWindowsのアプリケーション利用に関して注意喚起 “DLL 読み込み”の脆弱性が今年4月から急増へ
アプリケーション実行時に「悪意ある任意のコード」が実行されてしまう可能性があります。
情報処理推進機構(IPA)は9月28日、Windows OSでのアプリケーション利用に関連する脆弱性が急増しているとして、利用者が自衛として行える回避策を公開。対策の実施を呼びかけています。
急激な増加が確認されたのは“DLL 読み込み”の脆弱性。これはアプリケーション実行時に、それと同じフォルダーに格納されている拡張子が「.dll」のDLLファイルを読み込む動作が行われることで、悪意ある任意のコードが実行されてしまう可能性があるというもの。
この場合DLLファイルに細工が施されていると悪用されてしまい、また利用者には脆弱性が対策済みかの確認は困難だとしています。そのため、アプリケーションとDLLファイルを同じフォルダーに入れないことで回避する方法を提示。アプリケーションをダウンロードする際、初期設定でファイルが保存される「ダウンロードフォルダー」ではなく、新規フォルダーを作成してそこに保存するか、または保存した後に新規フォルダーに移動する対策方法を挙げています。
もう1つの方法としては、アプリケーションに同梱されている「ReadMe」などのマニュアルからファイル構成などをチェックし、フォルダー内に記載されていない不審なファイルがないか確認するというもの。もし見つかった場合は削除することで対策可能です。
対象となるアプリケーションは、「インストーラー」と「自己解凍書庫」に、そのまま実行可能な「ポータブルアプリケーション」の3つ。
脆弱性対策情報ポータルサイト「JVN」にて公表された情報によると、今年1月〜3月の期間では4件しかなかった“DLL 読み込み”の脆弱性が、翌月4月〜8月末までの期間で53件確認されるなど急増していて、またこれらは氷山の一角だとしています。
なおこの脆弱性の悪用は困難であるため、現在のところ悪用された事例は確認されていないとのことですが、用心するに越したことはないでしょう。
(宮原れい)
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