「映画ハピネスチャージプリキュア!」の興行収入はなぜ半減した? 2014年の出来事から考えるサラリーマン、プリキュアを語る(1/3 ページ)

映画キラキラ☆プリキュアアラモードが絶好調の今だからこそ、語るべきことがある。

» 2017年11月09日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]

 今週の「キラキラ☆プリキュアアラモード」は全日本大学駅伝中継でお休みでした。

 感想記事もお休みなので、そんなときどうすれば良いのか? をねとらぼさんに確認したところ「kasumiさんが書きたいテーマで」とのことだったので、せっかくキラキラ☆プリキュアアラモードの映画が公開中ということもあり、過去のプリキュア映画のことでも書いておこうと思います。

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。



 昨年対比で動員、興行収入ともに、「ほぼ半減」という憂き目にあった、2014年「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」。

映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ 映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ(Amazon.co.jpから)

 「昨年の興行収入から半減する」という近年のプリキュア映画史で最もショッキングな出来事はなぜ起きたのか?

 あのとき、プリキュアの周りでは何が起きていたのか、検証していきたいと思います。

 「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリっと!想い出のミルフィーユ!」の興行収入が絶好調な今だからこそ、あのときのことを記しておかなければならないのです(映画の興行収入はキネマ旬報/キネマ旬報社に記載のデータに基づいています)。


プリキュア映画の興行収入について(Yes!プリキュア5以降)

 まずはプリキュア単独映画が「秋」に公開されるようになった、2007年「映画 Yes!プリキュ5 鏡の国のミラクル大冒険!」以降のプリキュア映画の興行収入です。

プリキュア映画の興行収入 Yes!プリキュア5以降のプリキュア映画の興行収入について。データはキネマ旬報記載のデータから。「キラキラ☆プリキュアアラモード」は筆者が算出した初動数値からの予測値

 2007年以降、順調に8億円〜9億円台で安定推移してきたプリキュア映画が2014年「ハピネスチャージプリキュア!」の映画でガクンと興行収入を落としているのが分かります。

 あのとき、一体何か起きていたのでしょうか?

映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ YouTubeから

起きていた事実

 まずは2014年に起こった事実を記載します。

 2014年10月11日に公開された「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」。

 初動2日間の成績は、動員8万5396人、興行収入1億38万9600円という結果となりました。

 これは前年「映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス」(初動2日間動員19万1918人、興行収入2億1314万200円)と比較して、動員で44.5%、興行収入で46.9%という結果となりました。

プリキュア 初動2日間の動員数データ 初動2日間の動員数(人)ハピネスチャージプリキュアは昨年対比44.5%に減少

プリキュア 初動2日間の興行収入データ 初動2日間の興行収入(億円)ハピネスチャージプリキュアは46.9%まで落ち込む

 公開週初動2日間の結果としては厳しい数字となり、昨年に比べ動員数、興行収入ともに半分以下にまで落ち込みました。

 「ドキドキ!プリキュア」の映画は公開2日間で19万人が見に来ていたのに、翌年「ハピネスチャージプリキュア!」の映画は8万5000人しか見に来なかったのです。

 また、「初動」だけではなく最終的な興行収入も5.3億円にとどまり、「ドキドキ!プリキュア」の9.5億円から大きく数字を落とす結果(昨対55.8%)となりました。

プリキュア 最終の興行収入 最終の興行収入(億円)ハピネスチャージプリキュアは昨対55.8%まで落ち込む

 ここまでは「数字上で起こった事実」です。

 10年続いているシリーズものの映画であれば興行収入に多少の上下動はあるのが普通ですが、さすがにわずか1年で「半減する」、というのは異常事態です。

 ただ単純に「人気が無い」といったレベルで動員や興収が半減するとは考えられません。

 あのとき、プリキュア映画に何が起こっていたのでしょうか?

 せっかくの機会をいただいたので、すこし当時の状況を振り返っておきたいと思います(この先は筆者の推論が入ります)。

映画ハピネスチャージプリキュア!はキャラクターのデザインも少し変更されています(YouTubeから)

「ハピネスチャージプリキュア!」は子どもが見ていない?

 まず、テレビアニメの「ハピネスチャージプリキュア!」は、大きなお友達の間では「最も賛否が分かれた作品」であったことは間違いないと思います。

 しかし「大きなお友達」はプリキュア映画の興行収入に大きく影響しませんので、ここでは除外します(いつの日か「おとなのハピネスチャージ論」を書きたいですね)。

 そもそも子どもは日曜の朝に「ハピネスチャージプリキュア!」を見ていたのか?

 興行収入半減の要因は「子どものプリキュア離れ」が原因だったのでしょうか?

 まずは指標として、ビデオリサーチ社が出している「KIDS視聴率」を見てみましょう。

 筆者が調査したところ、

 映画公開まで(2月〜10月)のKIDS視聴率の平均値は以下の通り。
 2013年 ドキドキ!プリキュア  約9.5%
 2014年 ハピネスチャージプリキュア! 約9.5%

 映画公開までの2月〜10月の平均KIDS視聴率は、前年「ドキドキ!プリキュア」と全く変わらない数値でした。

 つまり、子どもたちはテレビでは「ハピネスチャージプリキュア!」を見ていたことが推察されます。

 また、バンダイが毎年実施しているこどもアンケート「お子様の好きなキャラクターは何ですか?」では、2014年も3歳〜5歳女の子の「好きなキャラクター」で1位を獲得するなど、子どもたちにはプリキュアは例年通り認識されていたようです。

バンダイこどもアンケートの結果。プリキュアは2005年以降、毎年3歳〜5歳女の子の1位。もちろんハピネスチャージの年(2014)も1位

 ハピネスチャージプリキュア!の「テレビアニメ」は子どもたちに見られていたようです。

 ではなぜ、子どもは映画館に足を運ばなかったのでしょうか?

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