まさかえっちの話のわけがない……と思ったらえっちの話だった 『オークが犯してくれない!』
くっ、はやく抱いて!
女騎士といえば「くっ、殺せ!」が定着して早幾年(追い詰められた女騎士が、嬲られるくらいなら命を捨てる! という定番シーンのことです)。相手はもちろんオーク。あまりに一般化したので、最近はカウンターキャラクターとして「優しいオーク」も一般化。Twitterでは11月9日を「いいオークの日」として盛り上がりつつあります。
マガジンポケットで連載がはじまった川中康嗣さんの『オークが犯してくれない!』。タイトルがド直球すぎて、多分これはエロと関係ないほんわかストーリーなんだろう、と予告では思っていました。
いいえ、オークに犯してほしいというド直球な話でした。
ヒロインのネフタリ・フェリス騎士団長は、超強い女剣士。モンスターはあっという間にけちらし、男戦士たちも歯が立たない。性格も超堅物なので「誰も男寄り付かねーよな……」とうわさされるほど。
でも彼女、結婚しています。それを聞いた兵士は「きっとダンナを尻に敷くタイプだぜ!」「ダンナに甘えたり家事してる騎士団長なんて想像できねえもんな〜」とうわさする始末。わからんではないけど、失礼だな。
実際はネフタリさん、家に帰るとデレッデレ。最愛のダンナに甘えたくて仕方ない。結婚して1カ月の新婚さん。一緒にいるだけでキュンキュンする季節。
普段おかたい人が、気を許した相手の前でだけ甘えん坊になる、というギャップはやはり魅惑のシチュエーション。落差が大きければ大きいほど、かわいさも倍増。この現象名前とかついてないですかね。
ただ、2つこのマンガには問題があります。1つは結婚相手がオークだったということ。もう1つはダンナが性的に全く興味を示してくれないということ。な、なんでだ。種族が違うからかな。いや結婚したんでしょう?
妻がダンナ(オーク)に、不器用にえっちを迫り続ける、というものすごい攻めた展開。ネフタリさんがどえらく色っぽくて、際どいシーン連発なのですが、なんせオークダンナが全く性的じゃないので、どうにもエロい空気にならない。オークといえばファンタジー作品の性欲モンスターの権化。なのに一切見向きもしない、というのもギャップ萌えの1つ。
ネフタリさんは肉食だけど、別に極端に淫乱なわけではないのがミソ。新婚生活である程度覚悟していた部分、相手がオークなら当然構えていたのに、なんにも起きない。ボールの飛んでこないキャッチャー。これは寂しい。そりゃ「構ってよ!」ともなりますわ。夫婦愛をどう確かめ合うか、が大きなテーマなのかも。
にしても、これがもしうまくいったとして、人間とオークのえっちシーンをネットに掲載できるんだろうか……。早く抱いて! という桃色な空気も楽しいけれど、2人がお互いの愛を確かめる様子が見られたら、もっとニヤニヤできそうなので期待したいです。ネフタリさんの心(と火照った身体)が癒やされますように。
(たまごまご)
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読み応えがありそう。
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