ギャル雑誌『小悪魔ageha』ライセンス問題で分裂か 読者やモデルも困惑「なんで2つあんの?」

伝説のGAL雑誌『小悪魔ageha』が、ダナリーデラックスの『ageha』と、VENUSの『小悪魔ageha』に分裂しようとしています。騒動の原因は何だったのか、関係者に取材しました。

» 2017年11月28日 16時25分 公開
[池谷勇人ねとらぼ]

小悪魔ageha 『小悪魔ageha』のライセンスを巡る流れ

 「伝説のGAL雑誌」とも呼ばれ、一時代を築いた雑誌『小悪魔ageha』が今、分裂騒動の渦中にあります。ダナリーデラックスから発行中の『ageha』と、VENUSから12月に“再復刊”される『小悪魔ageha』。両誌を巡って、従来のファンからは「なんで2つあんの?」「闇を感じる」「はっきり説明や報告をしてほしい」など困惑する声があがっています。

 「ageモ」と呼ばれる専属モデルの間にも混乱は広がっています。ageモの1人、愛沢えみりさんは11月22日、自身のブログで「私は新雑誌『ageha』に出ることはありません」と『小悪魔ageha』側を支持すると宣言。一方、同じくageモである丸山慧子さんは逆に「12/1〜も変わらずagehaに出ます」と『ageha』支持を表明しました。


小悪魔ageha小悪魔ageha 左が『ageha』、右が新たに復刊される『小悪魔ageha』の公式サイト





 『ageha』と『小悪魔ageha』、なぜよく似た2つの雑誌が同時に存在することになってしまったのか。ダナリーとVENUS、そして『小悪魔ageha』のライセンスを管理するP-POPにそれぞれ取材しました。



「『ageha』があるのに『小悪魔ageha』復刊」で大混乱に

 騒動が表面化したのは11月20日のこと。きっかけはVENUSから「伝説のGAL雑誌『小悪魔ageha』が12月14日に堂々復刊!」とのお知らせが出たことでした。


小悪魔ageha 『小悪魔ageha』復刊! これが騒動の発端でした

 発表では“復刊”とうたっていますが、実は『小悪魔ageha』は2015年にもダナリーから復刊されています。ダナリーの『小悪魔ageha』は、2017年9月に誌名を『ageha』へと変更していますが、現在も『ageha』として継続中。当然、ファンからは「『ageha』があるのに『小悪魔ageha』がまた復刊ってどういうこと?」という声があがりました。


小悪魔ageha ダナリーから発売中の『ageha』(amazon.co.jpより

 実は最初に『小悪魔ageha』を創刊したインフォレストは2014年に倒産しており、その後『小悪魔ageha』のライセンスはP-POPが引き継いでいます。ダナリーが2015年に『小悪魔ageha』を復刊したのも(関連記事)、P-POPと正式にライセンス契約を結んだため。しかし取材を進めると、どうやら騒動の原因もこの“ライセンス契約”にあることが分かってきました。



『ageha』は「全くつながりのない別の雑誌」

 P-POPによると、ダナリーとのライセンス契約は2017年9月時点で切れているとのこと。結論から言ってしまえば、現在ダナリーが発行している『ageha』は「名前はよく似ているが『小悪魔ageha』とは全くつながりのない別の雑誌」ということになります。



 にもかかわらず、ここまで混乱が広がってしまったのは、ダナリーが『ageha』を創刊する際、まるで“小悪魔agehaからの誌名変更”であるかのように説明していたことに原因があるようです。確かにダナリーの『小悪魔ageha』は2017年9月で休刊していますが、休刊号では「さらば小悪魔」と題し、次のようなお知らせを掲載していました。

「『小悪魔ageha』は今月号を最後に誌名を『ageha』に変え、新しく生まれ変わります」

「時代の流れとともに変化が必要だと考え、思い切って“小悪魔”という言葉をとり、よりパワーアップして進化した『ageha』として新たな気持ちで9月30日に新創刊します」(小悪魔ageha10月号より)




 また、お知らせではライセンス契約終了について一切触れておらず、『ageha』が『小悪魔ageha』と関係のない別の雑誌であることも説明していません。このためVENUSが『小悪魔ageha』復刊を発表するまでは、ほとんどの読者が「『小悪魔ageha』の名前が変わったのが『ageha』」だと認識していたようです。また騒動について知らず、引き続き『ageha』に出演していたモデルもいたようで、モデルに対しても十分な説明を行っていなかった疑惑がもたれています。



ダナリーには出版差し止めを申し入れ

 P-POPおよびVENUSに詳細を聞いたところ、ダナリーとの契約はもともと2017年9月までで、またダナリー側に以前から支払い遅れなどの不信行為があったため、以降の契約は更新しない方向で話し合いを進めていたとのこと。ダナリー側は10月以降の対応について、『小悪魔ageha』は休刊とし、その後は「別の雑誌を新たに創刊する」と話していたといいます。ところがフタを開けてみれば、創刊されたのは名前も内容もほぼ同じ『ageha』。これにはP-POPもVENUSも「話が違う」と困惑したそうです。

 加えて、さらに問題を複雑にしているのが、ダナリー側が「ageha」の商標と、タイトルロゴの著作権を押さえてしまっている点です。


小悪魔ageha 「小悪魔ageha」はP-POPが商標を持っていますが、「ageha」の商標はダナリーデラックスが持っている状態

 『ageha』の商標は契約解除前の2017年1月時点で既に申請されており、P-POPによればこれも不信行為の1つだったとのこと。またタイトルロゴはもともとP-POPではなく当時の制作会社の著作物でしたが、現在はダナリーが制作会社から著作権を譲渡されているそうです。このため復刊される『小悪魔ageha』の方はロゴを変更せざるを得ず、『ageha』の方が従来のロゴに近いという、ますます複雑な状況となっています。


小悪魔ageha VENUSの『小悪魔ageha』はよく見るとロゴのフォントやデザインが変わっています

 P-POPは現在、ダナリーに対し出版差し止めの申し入れ中。また、「ageha(文字列)」の商標は既に受理されていますが、「ageha(ロゴ)」の方は現在審査中で、こちらは異議を申し立てている段階とのことです。



『ageha』を柱に自社ブランド立ち上げの狙い?

 一方、ダナリー側にも11月22日時点で問い合わせを行っていますが、28日時点でいまだ回答は得られていません。ただP-POPやVENUSによれば、ダナリーは「ageha」の商標を持っており、『ageha』は名目上、『小悪魔ageha』とはまったく別の雑誌と位置付けているため、ライセンス面でも問題はないと考えているようです。

 ダナリーのサイトを見ると、雑誌としての『ageha』以外にも、TwitterやLINE@、Instagram、さらには「ageha美容整形navi」などへのリンクバナーもあり、今後は「ageha」を柱にしつつ、自社で新たなギャル層向けブランドを広げていこうとしているのかもしれません。

 ダナリーとは引き続き取材交渉中で、回答が得られ次第、別途記事化予定です。



11月29日追記

 ダナリー側から公式声明が出たため、別途まとめました。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた