ギャル雑誌『小悪魔ageha』ライセンス問題で分裂か 読者やモデルも困惑「なんで2つあんの?」
伝説のGAL雑誌『小悪魔ageha』が、ダナリーデラックスの『ageha』と、VENUSの『小悪魔ageha』に分裂しようとしています。騒動の原因は何だったのか、関係者に取材しました。
「伝説のGAL雑誌」とも呼ばれ、一時代を築いた雑誌『小悪魔ageha』が今、分裂騒動の渦中にあります。ダナリーデラックスから発行中の『ageha』と、VENUSから12月に“再復刊”される『小悪魔ageha』。両誌を巡って、従来のファンからは「なんで2つあんの?」「闇を感じる」「はっきり説明や報告をしてほしい」など困惑する声があがっています。
「ageモ」と呼ばれる専属モデルの間にも混乱は広がっています。ageモの1人、愛沢えみりさんは11月22日、自身のブログで「私は新雑誌『ageha』に出ることはありません」と『小悪魔ageha』側を支持すると宣言。一方、同じくageモである丸山慧子さんは逆に「12/1〜も変わらずagehaに出ます」と『ageha』支持を表明しました。
『ageha』と『小悪魔ageha』、なぜよく似た2つの雑誌が同時に存在することになってしまったのか。ダナリーとVENUS、そして『小悪魔ageha』のライセンスを管理するP-POPにそれぞれ取材しました。
「『ageha』があるのに『小悪魔ageha』復刊」で大混乱に
騒動が表面化したのは11月20日のこと。きっかけはVENUSから「伝説のGAL雑誌『小悪魔ageha』が12月14日に堂々復刊!」とのお知らせが出たことでした。
発表では“復刊”とうたっていますが、実は『小悪魔ageha』は2015年にもダナリーから復刊されています。ダナリーの『小悪魔ageha』は、2017年9月に誌名を『ageha』へと変更していますが、現在も『ageha』として継続中。当然、ファンからは「『ageha』があるのに『小悪魔ageha』がまた復刊ってどういうこと?」という声があがりました。
実は最初に『小悪魔ageha』を創刊したインフォレストは2014年に倒産しており、その後『小悪魔ageha』のライセンスはP-POPが引き継いでいます。ダナリーが2015年に『小悪魔ageha』を復刊したのも(関連記事)、P-POPと正式にライセンス契約を結んだため。しかし取材を進めると、どうやら騒動の原因もこの“ライセンス契約”にあることが分かってきました。
『ageha』は「全くつながりのない別の雑誌」
P-POPによると、ダナリーとのライセンス契約は2017年9月時点で切れているとのこと。結論から言ってしまえば、現在ダナリーが発行している『ageha』は「名前はよく似ているが『小悪魔ageha』とは全くつながりのない別の雑誌」ということになります。
にもかかわらず、ここまで混乱が広がってしまったのは、ダナリーが『ageha』を創刊する際、まるで“小悪魔agehaからの誌名変更”であるかのように説明していたことに原因があるようです。確かにダナリーの『小悪魔ageha』は2017年9月で休刊していますが、休刊号では「さらば小悪魔」と題し、次のようなお知らせを掲載していました。
「『小悪魔ageha』は今月号を最後に誌名を『ageha』に変え、新しく生まれ変わります」
「時代の流れとともに変化が必要だと考え、思い切って“小悪魔”という言葉をとり、よりパワーアップして進化した『ageha』として新たな気持ちで9月30日に新創刊します」(小悪魔ageha10月号より)
また、お知らせではライセンス契約終了について一切触れておらず、『ageha』が『小悪魔ageha』と関係のない別の雑誌であることも説明していません。このためVENUSが『小悪魔ageha』復刊を発表するまでは、ほとんどの読者が「『小悪魔ageha』の名前が変わったのが『ageha』」だと認識していたようです。また騒動について知らず、引き続き『ageha』に出演していたモデルもいたようで、モデルに対しても十分な説明を行っていなかった疑惑がもたれています。
ダナリーには出版差し止めを申し入れ
P-POPおよびVENUSに詳細を聞いたところ、ダナリーとの契約はもともと2017年9月までで、またダナリー側に以前から支払い遅れなどの不信行為があったため、以降の契約は更新しない方向で話し合いを進めていたとのこと。ダナリー側は10月以降の対応について、『小悪魔ageha』は休刊とし、その後は「別の雑誌を新たに創刊する」と話していたといいます。ところがフタを開けてみれば、創刊されたのは名前も内容もほぼ同じ『ageha』。これにはP-POPもVENUSも「話が違う」と困惑したそうです。
加えて、さらに問題を複雑にしているのが、ダナリー側が「ageha」の商標と、タイトルロゴの著作権を押さえてしまっている点です。
『ageha』の商標は契約解除前の2017年1月時点で既に申請されており、P-POPによればこれも不信行為の1つだったとのこと。またタイトルロゴはもともとP-POPではなく当時の制作会社の著作物でしたが、現在はダナリーが制作会社から著作権を譲渡されているそうです。このため復刊される『小悪魔ageha』の方はロゴを変更せざるを得ず、『ageha』の方が従来のロゴに近いという、ますます複雑な状況となっています。
P-POPは現在、ダナリーに対し出版差し止めの申し入れ中。また、「ageha(文字列)」の商標は既に受理されていますが、「ageha(ロゴ)」の方は現在審査中で、こちらは異議を申し立てている段階とのことです。
『ageha』を柱に自社ブランド立ち上げの狙い?
一方、ダナリー側にも11月22日時点で問い合わせを行っていますが、28日時点でいまだ回答は得られていません。ただP-POPやVENUSによれば、ダナリーは「ageha」の商標を持っており、『ageha』は名目上、『小悪魔ageha』とはまったく別の雑誌と位置付けているため、ライセンス面でも問題はないと考えているようです。
ダナリーのサイトを見ると、雑誌としての『ageha』以外にも、TwitterやLINE@、Instagram、さらには「ageha美容整形navi」などへのリンクバナーもあり、今後は「ageha」を柱にしつつ、自社で新たなギャル層向けブランドを広げていこうとしているのかもしれません。
ダナリーとは引き続き取材交渉中で、回答が得られ次第、別途記事化予定です。
11月29日追記
ダナリー側から公式声明が出たため、別途まとめました。
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