同性でも1人でも いろんな結婚式を描いた1990年の絵本『けっこんしようよ』に絶賛の声 誕生の背景は
当時はあまり受け入れられなかった絵本。今話題になったことについて「世の中が変わってきたんだなと思った」と作者の新沢としひこさんは語ります。
「女の子とくまのぬいぐるみ」「男の子と図鑑」「ひとりで結婚式」――子どもたちのさまざまな結婚式を描いた絵本『けっこんしようよ』(岩崎書店)がTwitterですばらしいと話題になっています。
「女の子と女の先生が結婚」「男の子が図鑑の花嫁に」「結婚しない式」など、同作では自由な結婚式が描かれています。出版されたのは1990年、LGBTやジェンダーフリーといった概念が今ほど浸透していない時期でした。その時代に同性同士での結婚式や1人での結婚式を描いた作品に、「すごすぎ」「先進的」と称賛の声が寄せられています。作者の新沢としひこさんにお話をうかがいました。
もともと保育園の先生だった新沢さんは、生徒の保護者が絵本の編集者だったことから絵本の制作に携わることに。『けっこんしようよ』は、園の生活のことを絵本にしてほしいと依頼され制作した「ドレミファえんのたちつてとっこ」シリーズの1冊として生まれました。
『けっこんしようよ』の話を生んだのは、ジェンダーのことを世に訴えるという強い気持ちではなかったと新沢さん。「結婚しないとまともじゃない」「結婚しないと一人前じゃない」など、結婚しなければいけないというのが嫌だという思いが発端だったのだそうです。
「結婚しなくてもいいんじゃない」。ただ、結婚しないと結婚式はできない。結婚式は家族や友達などみんなが祝ってくれるいいもの。だから、何と結婚したっていい。同性同士でも、相手が誰でも愛し合ってる人を祝福するのが結婚式――そういった考えから生まれたお話でした。子ども向けの絵本だから自由にできた、とも新沢さんは話します。
当時の編集担当さんからは「奇抜で面白い」「メッセージが深いですよね」という反応があったとのこと。「よくOKしてくれたな」と新沢さんは振り返ります。絵を担当した方(今井弓子さん)も喜んで気持ちよく絵を書いてくれたとのこと。ただ、世間にはあまり分かってもらえなかったのだそうです。
時を経て、今Twitterで話題になっていることについては「世の中が変わってきたんだなと思った」「今だからこそこういうメッセージが伝わりやすくなった」とうれしく受け止めているとのこと。同性婚も「今はリアリティーを持って感じられるんだな。いい世の中になったな」と思ったと語ります。
同作は絶版になっており、入手が難しい状態。Twitterでは「買って読みたい」という声もあり、「復刊したらいいね」と新沢さん。
新沢さんは音楽活動も行っており、『けっこんしようよ』にも自作曲の楽譜が掲載されています。また絵本「はらぺこあおむし」の歌を作曲したほか、作詞を手掛けた幼稚園卒園ソング「さよならぼくたちのようちえん」は芦田愛菜さん主演のドラマにもなっています。現在の活動はアスクミュージックのWebサイトで見ることができます。
2018年5月10日追記
『けっこんしようよ』が岩崎書店から再発売されました。
画像提供:新沢としひこさん
関連記事
- 絵本「たべてあげる」がトラウマ級に怖いとTwitter騒然 作者「絵本が怖いというのはとても健全なこと」
好き嫌いのある男の子の前に、もう1人の小さな自分が現れて……。展開が怖すぎると話題に。 - サラリーマン、プリキュアを語る:これは福音である 「プリキュア男子」という多様性についての考察
「プリキュア論」をどうしても書きたかったので、いつもと文の雰囲気が違います! - 「同性愛者を入店させないで」と投書した客に「もう来ないでください」 お店の回答に称賛の声集まる
「お客さまを侮辱する方を、当社はお客さまとしてお迎えすることができません」と毅然(きぜん)と回答しています。 - 国内初! トランスジェンダーの男性議員誕生 埼玉県入間市議選で
性同一性障害を公表していた細 - 生きてるみんなカラフルだ! 多様な性の祭典「東京レインボープライド2017」でパレードを歩いてみた
知らない人でもハイタッチしちゃお! 合言葉は「ハッピープライド!」田智也さんが当選。市政にかける思いをうかがいました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
-
60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
-
「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
-
皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
-
71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
-
真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
-
新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
藤本美貴、晩ご飯に手料理7品 多忙でも野菜とお肉たっぷりで反響 「お疲れ様です」「凄く親近感」【2024年の弁当・料理まとめ】
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」