「キラキラ☆プリキュアアラモード」が大成功を収めた5つの理由:サラリーマン、プリキュアを語る(1/4 ページ)
この時期はプリキュアロスと新しいプリキュアへの期待で複雑な気持ちになります。
キラキラ☆プリキュアアアラモードが最終回を迎えました。
いや、素晴らしい最終回でしたよね。
「大好き」を伝えるために世界中でスイーツを作る道を選択したいちかちゃん。
プリキュア7人がそれぞれの夢に向かって進んでいく前向きなラストが描かれました。
まさに「大好きが一番のマストアイテム」を1年間を通して描き切りました。
「キラキラ☆プリキュアアラモード」は、もちろん内容も素晴らしかったのですが、関連した数字も好調な1年となりました。なぜ好調な結果を残すことができたのか? その要因は何だったのか?
ちょっと見てみようと思います。
- お知らせ
キラキラ☆プリキュアアラモードが終わると同時に、4カ月間にわたり連載してきた、この「サラリーマン、プリキュアを語る」も週刊での連載は終了となります。毎週、たくさんの方に読んでいただいたようで誠にありがとうございました。
(とはいえ、完全に終わるわけではなく、今後は「月イチ連載」として、月末に更新していくことになりました。今後ともよろしくお願いいたします)。
kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
大成功を収めたキラキラ☆プリキュアアラモード
2017年「キラキラ☆プリキュアアラモード」はまさに「大成功」を収めた作品でした。
内容的な話はもちろんのこと、世帯視聴率、映画の興行収入からグッズの売り上げまで、あらゆる数字が「上向き」に推移しました。
多くの子どもたちに受け入れられ、一時期落ちこんでしまったプリキュアシリーズのブランド回復を裏付ける数字が要所に見受けられたのです。
まずは数字的な部分を見てみましょう。
「世帯視聴率」下げ止まる
プリキュアに限らず、昨今はあらゆるテレビ番組の世帯視聴率は年々下がり続けています。もちろんプリキュアも例外ではありません。
しかし、キラキラ☆プリキュアアラモードではその「視聴率低下」を食い止めました。
ビデオリサーチ社が発表しているここ5年間のプリキュアの「年間平均視聴率(関東地区)」としては、
- 2013年以降のプリキュア世帯視聴率について
作品名 | 年間平均視聴率 | 昨年対比 |
---|---|---|
2013年(ドキドキ!プリキュア) | 約4.9% | ― |
2014年(ハピネスチャージプリキュア!) | 約4.6% | -0.3ポイント |
2015年(Go!プリンセスプリキュア) | 約4.1% | -0.5ポイント |
2016年(魔法つかいプリキュア!) | 約3.2% | -0.9ポイント |
2017年(キラキラ☆プリキュアアラモード) | 約3.2% | ±0ポイント |
(※キラキラ☆プリキュアアラモードは48話まで)
と、ようやくキラキラ☆プリキュアアラモードで年間視聴率が下げ止まりました。
(下げ止まっただけで上がってないじゃないか! と言う方もいると思いますが「下げ止まる」ってのは今の時代、結構ものすごいことなのです)。
録画視聴などの影響で世帯視聴率自体に昔ほどの大きな意味合いはなくなってきてはいるのですけど、やっぱり世帯視聴率を「下げ止めた」のはコンテンツの力だと思います。ただ、世帯視聴率に「ニチアサ改編の影響」がどこまであったのか、はもうちょっとデータをとっていく必要があります。
秋の映画絶好調
2017年10月28日に公開された「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリっと!想い出のミルフィーユ!」は初動2日間の成績が、観客動員数17万659人、興行収入1億9310万1900円と2016年と比較しても動員数で122.3%、興行収入で119.4%と大きく上回りました。
最終的な興行収入はまだ発表されていませんが、8億円前後になることが予測され、これも2016年「映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン」の6億7000万円を大きく上回るのは確実となっています。
プリキュア映画の興行収入は、「子ども人気」「ファミリー人気」のバロメーターだと思います。
この数字が回復しているのも「キラキラ☆プリキュアアラモード」が子どもに受け入れられていたことの証明になると思います(関連記事:「映画ハピネスチャージプリキュア!」の興行収入はなぜ半減した? 2014年の出来事から考える)。
バンダイのトイホビー売り上げ好調
バンダイナムコが四半期ごとに発表するIR資料によると、プリキュアシリーズのトイホビー売り上げ(玩具、アパレル、文具、生活用品、ガチャポンなど含む)は、1Q(4〜6月)、2Q(7〜9月)を合算した数値で、
2015年 34億円
2016年 36億円(昨年対比+2億円)
2017年 38億円(昨年対比+2億円)
と、こちらもここ3年間で回復してきています。
キラキラ☆プリキュアアラモードは「スイーツパクト」を初めとした玩具および関連商品の売り上げが良好でした。
東映アニメ版権好調
同様にプリキュアを製作している東映アニメーションが発表しているIR資料によると、プリキュア「国内版権売り上げ」は、1Q〜3Q(4〜12月)合算で、
2015年 4億1600万円
2016年 4億5700万円(昨年対比+0.41億円)
2017年 5億2600万円(昨年対比+0.69億円)
と、こちらもここ3年間で回復し、好調な推移をみせました。
2017年は、市場的に「ここ3年間でプリキュアが最も盛り上がった年」といえるのでしょう。
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