「キラキラ☆プリキュアアラモード」が大成功を収めた5つの理由サラリーマン、プリキュアを語る(1/4 ページ)

この時期はプリキュアロスと新しいプリキュアへの期待で複雑な気持ちになります。

» 2018年02月01日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]

 キラキラ☆プリキュアアアラモードが最終回を迎えました。

 いや、素晴らしい最終回でしたよね。

 「大好き」を伝えるために世界中でスイーツを作る道を選択したいちかちゃん。

 プリキュア7人がそれぞれの夢に向かって進んでいく前向きなラストが描かれました。

 まさに「大好きが一番のマストアイテム」を1年間を通して描き切りました。

キラキラ☆プリキュアアラモード キラキラ☆プリキュアアラモードの6人

 「キラキラ☆プリキュアアラモード」は、もちろん内容も素晴らしかったのですが、関連した数字も好調な1年となりました。なぜ好調な結果を残すことができたのか? その要因は何だったのか?

 ちょっと見てみようと思います。


  • お知らせ

 キラキラ☆プリキュアアラモードが終わると同時に、4カ月間にわたり連載してきた、この「サラリーマン、プリキュアを語る」も週刊での連載は終了となります。毎週、たくさんの方に読んでいただいたようで誠にありがとうございました。

 (とはいえ、完全に終わるわけではなく、今後は「月イチ連載」として、月末に更新していくことになりました。今後ともよろしくお願いいたします)。


kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。



キラキラ☆プリキュアアラモード 「プリキュア今、どこまで進んでいるの?」メーター

大成功を収めたキラキラ☆プリキュアアラモード

 2017年「キラキラ☆プリキュアアラモード」はまさに「大成功」を収めた作品でした。

 内容的な話はもちろんのこと、世帯視聴率、映画の興行収入からグッズの売り上げまで、あらゆる数字が「上向き」に推移しました。

 多くの子どもたちに受け入れられ、一時期落ちこんでしまったプリキュアシリーズのブランド回復を裏付ける数字が要所に見受けられたのです。

 まずは数字的な部分を見てみましょう。


「世帯視聴率」下げ止まる

 プリキュアに限らず、昨今はあらゆるテレビ番組の世帯視聴率は年々下がり続けています。もちろんプリキュアも例外ではありません。

 しかし、キラキラ☆プリキュアアラモードではその「視聴率低下」を食い止めました。

 ビデオリサーチ社が発表しているここ5年間のプリキュアの「年間平均視聴率(関東地区)」としては、

  • 2013年以降のプリキュア世帯視聴率について
作品名 年間平均視聴率 昨年対比
2013年(ドキドキ!プリキュア) 約4.9%
2014年(ハピネスチャージプリキュア!) 約4.6% -0.3ポイント
2015年(Go!プリンセスプリキュア) 約4.1% -0.5ポイント
2016年(魔法つかいプリキュア!)  約3.2% -0.9ポイント
2017年(キラキラ☆プリキュアアラモード) 約3.2% ±0ポイント

(※キラキラ☆プリキュアアラモードは48話まで)


と、ようやくキラキラ☆プリキュアアラモードで年間視聴率が下げ止まりました。

 (下げ止まっただけで上がってないじゃないか! と言う方もいると思いますが「下げ止まる」ってのは今の時代、結構ものすごいことなのです)。

 録画視聴などの影響で世帯視聴率自体に昔ほどの大きな意味合いはなくなってきてはいるのですけど、やっぱり世帯視聴率を「下げ止めた」のはコンテンツの力だと思います。ただ、世帯視聴率に「ニチアサ改編の影響」がどこまであったのか、はもうちょっとデータをとっていく必要があります。


秋の映画絶好調

 2017年10月28日に公開された「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリっと!想い出のミルフィーユ!」は初動2日間の成績が、観客動員数17万659人、興行収入1億9310万1900円と2016年と比較しても動員数で122.3%、興行収入で119.4%と大きく上回りました。

キラキラ☆プリキュアアラモード 映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリっと!想い出のミルフィーユ! 興行収入 初動2日間の興行収入。年々回復してきている

 最終的な興行収入はまだ発表されていませんが、8億円前後になることが予測され、これも2016年「映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン」の6億7000万円を大きく上回るのは確実となっています。

 プリキュア映画の興行収入は、「子ども人気」「ファミリー人気」のバロメーターだと思います。

 この数字が回復しているのも「キラキラ☆プリキュアアラモード」が子どもに受け入れられていたことの証明になると思います(関連記事:「映画ハピネスチャージプリキュア!」の興行収入はなぜ半減した? 2014年の出来事から考える)。


バンダイのトイホビー売り上げ好調

 バンダイナムコが四半期ごとに発表するIR資料によると、プリキュアシリーズのトイホビー売り上げ(玩具、アパレル、文具、生活用品、ガチャポンなど含む)は、1Q(4〜6月)、2Q(7〜9月)を合算した数値で、

2015年 34億円
2016年 36億円(昨年対比+2億円)
2017年 38億円(昨年対比+2億円)

と、こちらもここ3年間で回復してきています。

キラキラ☆プリキュアアラモード スイーツパクト スイーツパクトが市場をけん引しました(Amazon.co.jpから)

 キラキラ☆プリキュアアラモードは「スイーツパクト」を初めとした玩具および関連商品の売り上げが良好でした。


東映アニメ版権好調

 同様にプリキュアを製作している東映アニメーションが発表しているIR資料によると、プリキュア「国内版権売り上げ」は、1Q〜3Q(4〜12月)合算で、

2015年 4億1600万円
2016年 4億5700万円(昨年対比+0.41億円)
2017年 5億2600万円(昨年対比+0.69億円)

と、こちらもここ3年間で回復し、好調な推移をみせました。

 2017年は、市場的に「ここ3年間でプリキュアが最も盛り上がった年」といえるのでしょう。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/15/news052.jpg 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  2. /nl/articles/2409/14/news009.jpg そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
  3. /nl/articles/2409/16/news020.jpg 「猛犬注意! 触らないでください」と貼られたフェンスをのぞいたら…… 吹き出し注意の光景に「ちょっと!www」「休憩中?」
  4. /nl/articles/2409/16/news032.jpg 100均の紙粘土でこのクオリティーを!? 『ファイブスター物語』のモーターヘッドを制作、野生の原型師に称賛
  5. /nl/articles/2409/16/news010.jpg 100均のクッションゴム、まさかの使い方に目からウロコ 家中の“プチストレス解消法”に「思いつかなかった!」「これはすごい」
  6. /nl/articles/2409/16/news037.jpg 「とんでもなく遠い」 空港に向かうドライバーを絶望させる“衝撃の標識”が話題 「なぜそこに」「飛行機が必要そうな距離」
  7. /nl/articles/2409/11/news120.jpg 「やば絵文字」見つけた―― LINEで送られてきた“見たこともない絵文字”の正体が予想外 「え、ほしい」「どうやって使うんや」
  8. /nl/articles/2409/16/news018.jpg 88歳女性「誰もしてないようなメッシュにしたい」→驚がくの大変身が850万再生 「どぅえええええ?!」「カッコ良すぎて憧れます」
  9. /nl/articles/2409/16/news034.jpg フーセンガムの「あたり」を磨き続けたら…… “とんでもない発想”が斜め上すぎる 「もうええやろw」「今までで一番理解できない」
  10. /nl/articles/2409/16/news031.jpg 仙猫カリン様そっくりだった子猫、3年後には…… 「本物だ」「想像以上にカリン様」と反響を呼ぶ成長っぷりが10万いいね
先週の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  3. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  4. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声
  5. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  6. 猛毒ガエルをしゃぶった30分後、口がとんでもないことに…… 直視できない異常症状に「死なないで」「この人が苦しむってよっぽど」
  7. 33歳の「西郷どん」二神光さん、バイク転倒事故での急逝に衝撃 1年前の共演者は“願い”明かし「叶わないなんて」
  8. 「コレ入れると草が生えない」 外構工事のプロがやっている“究極の雑草対策”に注目
  9. 「へー知らんかった」 わずか7年で“消えた駅” 東京メトロが明かす“知れば納得の歴史” 「だからあんなに……」
  10. 秋葉原のトレカ店が“買い占め被害” 近隣店とその常連客が共謀し“全口購入の人員確保” 「大変遺憾で残念な限り」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」