伸びる陰茎を相手の肛門に突っ込むだけのガチンコ対戦ゲーム「Genital Jousting」がついに正式リリース:週末珍ゲー紀行
陰茎と肛門だけの集団性交に見る生殖器崇拝とウロボロスの神話。
2016年11月に早期アクセス版がリリースされ、一部で話題になっていたPC用ゲーム「Genital Jousting」が、去る1月18日、ついに正式リリースされました。
その独特すぎるビジュアルやゲーム内容はこの後の紹介に譲りますが、当時から「狂ってる」「ぶっ飛びすぎ」などと話題になっていた同作。1年ちょっと早期アクセス期間を経て、正式版ではどのように変わったのか、それとも変わっていないのか。そもそも本作の魅力はどこにあるのか。真っ先に早期アクセス版のレビューを書いていた、ライターのRitsuko Kawaiさんにあらためて語ってもらいました。
ライター:Ritsuko Kawai
カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。
体と性別の概念を超越した外性器による集団肛門性交
世の中にあふれる“変なゲーム(珍ゲー)”を紹介する「週末珍ゲー紀行」。第16回は、陰茎と肛門だけの乱交パーティーに興じるマルチプレイヤーゲーム「Genital Jousting」を紹介します。肉体と性別の概念を超越した外性器による集団肛門性交。デジタル時代における新たなファルス信仰の形といえる作品です。
ゲームのタイトルにもなっているジョストとは、中世ヨーロッパで盛んに行われた騎士同士の伝統的な馬上槍試合のことを指しています。しかし、本作が伝統行事と異なるのは、一騎討ちではなく最大8人が参加できる乱交パーティーであることに加えて、ランスの代わりに伸び縮みするペニスを使用すること、そしてプレイヤーが突くのがプレートアーマーではなく対戦相手の肛門という点です。
ゲームのルールは至ってシンプルで、誰かの肛門に挿入できれば1点、誰かが自分の肛門に挿入したらさらに1点、1ラウンドで計2ポイントまで獲得できます。1ラウンドの長さはおよそ10秒と極めて短いので、死合はまさに決闘らしく一瞬で決着がつきます。そして、ラウンドを重ねるごとにポイントに応じて自分の陰茎が伸びていき、スコア画面で最初に亀頭がゴールラインに到達したプレイヤーが優勝です。
トップでゴールするポイントは、他プレイヤーの陰茎を受け入れる体制を整えつつ、自らも果敢にカマを掘りにいく攻守を同時にこなせるかどうか。そこにはもはや卑猥さなどかけらもありません。刹那の合体にキー入力の全てをかけたガチンコの格闘技なのです。特筆すべきは、自分が入れたら終わりという破壊的欲求を刺激する利己的な行動のみに終わらない点。全てのプレイヤーが得点を最大限にするために行動を最適化した場合、ペニス同士が数珠つなぎとなりウロボロスが形成されます。これこそが性器の大乱闘に垣間見える神話のはじまりです。
ウロボロスは、自らの尾を噛んで円環状をなすヘビもしくは竜をイメージした古代のシンボル。世界創造が全にして一であることを示す象徴図として、主にヘレニズム文化圏で用いられました。元来、ヘビは長期間の飢餓状態にも耐えられる強い生命力を有しており、脱皮を繰り返して成長を続ける特性とあわせて、古来より死と再生や不老不死の象徴とされています。そのヘビが永遠に自らを取り込むことで、始まりと終わりを超越した存在になるという解釈が備わったといわれています。
そもそも円環とは元より統合と分割、進化と退化、成長と退行、生と死の過程など、永遠という時間の象徴であり、すなわちウロボロスは原初的混沌のシンボルです。また、勃起した陰茎の象徴ファルスは、数多の古代文明において愛や豊穣のシンボルとして、神々の描写に用いられてきました。そんな豊穣の神によって紡がれし陰茎のウロボロスは、もはや始まりも終わりも超越した永遠の繁栄を意味しているといっても過言ではありません。加えて、対戦ゲームでありながら自ずと調和へと向かうゲームデザインは、まさに軍神アレースが生殖の女神アプロディーテーを寝取って誕生した調和の女神ハルモニアーの体現ともいえるでしょう。
生殖器崇拝とウロボロスの神話については語り出すと長くなるので、詳しくは2016年11月に「Genital Jousting」が早期アクセスとして発売された際に筆者が書いたレビューを読んでください。確実にいえることは、今年(2018年)ようやく正式リリースを迎えて再び脚光を浴びましたが、あの頃すでにゲームとしても神話としても完全体で降臨しており、その内容は大して変わらないということです。本作を卑猥と捉えるか、芸術的と捉えるか、はたまた神聖と捉えるかはユーザー次第ですが、電子ドラッグ的な中毒性があることは間違いありません。たったのワンコイン(日本円だと720円)の値段で、神々の遊びに畏怖してください。
関連記事
- 週末珍ゲー紀行:デジタル時代の飛び出す絵本 新感覚のアハ体験が味わえるパズルアドベンチャー「Gorogoa」
脳内に新たな部屋を作るゲーム。 - 週末珍ゲー紀行:死の間際に老人は何を願ったのか RPGツクールで世界の涙腺を緩めた男の新作「Finding Paradise」
人生のハッピーエンドについて考える。 - 週末珍ゲー紀行:「悪意の塊」「人にプレゼントして相手の発狂っぷりを楽しむゲーム」 “世界一難しいゲーム”作者の新作がもはや哲学の域
全ての成果が幾度となく瓦解する痛み。 - 週末珍ゲー紀行:「これで310円とか冗談にもほどがある」 スリルと欲望の間でひたすら大空を滑空するゲーム「Superflight」の中毒性
極限状態で収束する世界。 - 週末珍ゲー紀行:人間なんかやめていっそ猫になりたい人へ にゃーにゃと遊べるネコ好きホイホイ「Play with Gilbert」に癒される
Out Neow! - 週末珍ゲー紀行:今日からあなたは死神のパシリです ピタゴラスイッチ感覚で人を事故死させるパズルゲーム「Death Coming」
因果律により定められしモブキャラたちの消費期限。 - 週末珍ゲー紀行:絶対にネタバレは見ないでください 海外生まれのビジュアルノベル「Doki Doki Literature Club!」があなたに問いかけるもの
ヲタクの妄想に秘められたアンチテーゼ。 - 週末珍ゲー紀行:ディストピアにも程がある QTEに支配されたアメリカで、QTEに順応できず狂人化した人から逃げるメタ実写ゲーム「Press X to Not Die」
ゲーマーの脳内では日常にQTEが表示されている。 - 週末珍ゲー紀行:手を使って手を操作するという無理ゲー 人体の神秘をイヤというほど体験できる人体シミュ「Hand Simulator」
こんな複雑な手を余裕で操作している脳みそってすごい。 - 週末珍ゲー紀行:深い無意識の喜びに満ちた世界へご招待、シンボルとサウンドだけで意思疎通するオープンワールドのMMO雰囲気ゲー「Meadow」
認識の木の実を貪った者の末裔にとっては神になるより困難な世界。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
-
9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
-
【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
-
「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
-
大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
-
「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
-
「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
-
「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
-
「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
- 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
- “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
- お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
- 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
- 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」