「もうやめにしよう」 過熱する恵方巻き廃棄問題に兵庫のスーパーが一石投じるチラシ 「かっこいい」と大反響呼ぶ

きれいごとだけでは語れない食品廃棄のお話。

» 2018年02月05日 11時05分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 大量廃棄が問題視される恵方巻き問題に、兵庫県内のスーパーが「もうやめにしよう」と一石を投じ、反響を呼んでいます。前年の売上個数よりも多くの数を用意するのが当たり前のスーパー業界で、あえて余剰分を作らない施策を取った「ヤマダストアー」にお話を聞きました。


恵方巻き 廃棄 食品ロス ヤマダストアー ヤマダストアーの節分のチラシ

 兵庫県内で8店舗を運営するヤマダストアーが掲示したのは、「もうやめよう」と大きく書かれたチラシ。「昨年あちこちで大量に廃棄された恵方巻きがSNSで話題になりましたが、そりゃそうです。のばせのばせ、ふやせふやせの店舗数と恵方巻きの大量生産で数は膨れ上がり続けています」と恵方巻きに関する状況が切々とつづられています。

 こうした状況についてヤマダストアーは「食材の原価だけで考えてるからそんなことになるんやと思う」「ヤマダの鮮魚従業員も『海産資源は絶対減ってる』って言ってます。だから大事にしたいんです」と自社の見解を明かした上で、「今年は全店、昨年実績で作ります」と宣言。売れ行きに応じて数を増やすことはしない、という異例の方針を打ち立てました。


恵方巻き 廃棄 食品ロス ヤマダストアー

 この広告にSNSでは「こんな取り組みをするスーパーマーケットもあるんだなと感心した」「こういうスーパーかっこいい」「すばらしい!」など称賛の声があがっている他、「こういう店が当たり前になって欲しいですな」といった声もあがっています。

売上よりも資源の確保? きれいごとだけではない食品廃棄問題

 ねとらぼ編集部ではヤマダストアーの店舗運営部を取材。なぜ異例ともいえる広告や方針を打ち出したのかについてお話を聞きました。

――「もうやめにしよう」の広告がSNSでかなり話題になっています。

担当者ありがとうございます。こんなにたくさんの反響をいただけるとはと驚いている部分もあるのですが、プラスに取ってくださっているお声が多く、各店の店長も大変喜んでいます。潜在的にそういう声があったのだなと痛感しています。

――そもそもなぜあのような広告が生まれたのでしょうか。

担当者一番の理由は昨年SNSを中心に恵方巻きの廃棄が問題視されたことです。恵方巻きの文化はもともと関西圏で根付いたものですが、ここ10年ほどでかなり市場規模が大きくなり、売上自体も年々増加していっています。しかし、天候や曜日などの兼ね合いに左右されやすい商品ということもあり、今年は売上を大きく伸ばすというよりも、食品ロスを少しでも減らすことができればと考えました。


恵方巻き 廃棄 食品ロス ヤマダストアー 関西出身の筆者宅では毎年絶対に恵方巻を食べる

――どうして市場規模が拡大しているのに、廃棄商品が出てしまうのでしょうか。

担当者スーパー業界では前年の売上個数よりも少し多めに商品を作るというのが常識なんです。うちではやっていませんが、クリスマスのケーキなんかも同じです。ただ人口は年々減少していますし、必ずどこかで無理が生じるだろうと感じていました。

――売上よりも資源確保を優先するという方針にはかなり勇気が必要だったのではないでしょうか。

担当者売上を後回しにすると言うと、きれいごとの様に聞こえてしまうと思うのですが、実は資源を確保することが巡り巡って売上につながるという考えを持っているんです。例えば兵庫県でよく食べられる「いかなごのくぎ煮」についても、鮮魚の担当から「いかなごの入荷の量が減っていて相場が上がっている」という話が出たため、あえて2017年は販売を取りやめました。いかなごは売上としては大きな商品ですが、弊社の「環境に良くないことはやめよう」という方針もあり、決断しました。

――2018年の節分を終えた今、今回の施策についてどう感じられましたか。

担当者おかげさまで、8店舗中5店舗で全恵方巻きを完売したほか、割引を実施して完売となった店舗もあります。ただ、網干店と北野店では若干数とはいえ廃棄が出てしまったので、これは来年の課題として参考にしていきたいと思います。


恵方巻き 廃棄 食品ロス ヤマダストアー ヤマダストアー書写店では見事完売!


 恵方巻き市場が拡大する中、食べられるはずのものが次々と廃棄されるのはやはり心が痛むもの。一方小売店にとっては節分が大きなビジネスチャンスのひとつであることも事実です。食品ロスを減らすためには何ができるのか、販売者だけではなく、消費者の私たちもいま一度考えてみることが大切なのかもしれません。

画像提供:ヤマダストアー

(Kikka)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2407/20/news002.jpg 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
  2. /nl/articles/2407/19/news095.jpg ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
  3. /nl/articles/2407/20/news074.jpg もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
  4. /nl/articles/2407/19/news021.jpg 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
  5. /nl/articles/2407/18/news032.jpg ヤマト運輸から届いた“予告状”に7万いいね 逆怪盗キッドという発想に「オモロすぎる」「センス良すぎて笑ったwww」
  6. /nl/articles/2407/14/news001.jpg 「結局、ホテルの布団はキレイにしたほうがいい?」 ホテル従業員の回答を覚えておきたい
  7. /nl/articles/2407/18/news031.jpg プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
  8. /nl/articles/2407/17/news033.jpg 「保育園の先生に褒められまくってる」 息子のために義母が作ってくれたズボンが「センスある」「かわいい」と大人気
  9. /nl/articles/2407/19/news133.jpg そういうことか……! 道で見つけた“JPEG画像”みたいなフタ → 意味が分かると笑っちゃう例えに「うまいww」「センス良すぎ」
  10. /nl/articles/2407/18/news161.jpg 「笑ったww」「とんでもねぇ」 AIの指示通りにメイクしてみたら……? 衝撃すぎる仕上がりに爆笑「1周まわって芸術」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 17歳がバイト代を注ぎ込み、購入したカメラで鳥を撮影したら…… 美しい1枚に写り込んだまさかの光景に「ヤバい」
  2. 日本地図で「これまで“気温37度以上”を観測した都道府県」を赤く塗ったら…… 唯一の“意外な空白県”に「マジかよ」「転勤したい」
  3. お昼寝中の柴犬、すぐ近くに“招かれざる客”が現れ…… まさかの正体にワンコも驚き「初めて見たww」「世界よこれが日本の番犬だ」
  4. GU、SNSで話題の「バレルレッグジーンズ」全店発売を延期 「予想を大幅に上回る売れ行き」で
  5. 柴犬に18歳シニア犬との留守番を頼んだら…… 見守りカメラがとらえた行動に「優しい行動に涙が」「人間も見習わないと」
  6. 沸騰したアメに金平糖を入れると…… 京都の製菓店が作った“斬新スイーツ”の完成形に「すごい発想」「夢みたい…」
  7. 車の下から聞こえる“奇妙な騒ぎ”の正体は……? 6200万再生の驚きの光景に「私には絶対にできない」「尊敬します」【米】
  8. 「みんなが勝手にいろいろ言って……」 神田正輝、初告白した激痩せ&重病説の“まさかすぎる真相”に視聴者びっくり「そんな事情だったんですね」
  9. そうめんを作り置き冷凍弁当にしてみたら……おいしくてリピ確定! 100万再生の作り方に「夏休みの子どものお昼に最高」
  10. 丸山桂里奈、“元夫”との2ショットに「え!!」 成長した娘にも注目の声「もうこんなに大きくなって!!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  2. 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
  3. 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
  4. 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
  5. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  6. かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
  7. 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
  8. 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
  9. 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
  10. 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」