“犬の肉”を食べるのは残酷なのか 中国人父と一緒に食べてみた:チョーヒカルのゲテモノデート
いただきます、の重みを知りました。
体にリアルなペイントを施したり、漫画やイラストを描いたり、映像作品なども制作しているチョーヒカルです。毎月、嫌がるねとらぼ編集部ののとを引き連れて“ゲテモノ”の食レポをしていきます。
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チョーヒカル プロフィール
1993年3月29日、東京都出身。
2016年 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科を卒業
体や物にリアルなペイントをする作品で注目され日本国内だけでなく海外でも話題になる。多数のメディア出演に加え、SamsungやAmnesty International、資生堂など企業とのコラボレーションや、国内外での個展など多岐にわたって活動している。ペイントの他にも衣服のデザイン、イラスト、立体、映像作品などを制作。衣服ブランドMelantrick Hemlight,タイツブランドtokoneとのコラボレーションや、ポスター、スマートフォン向けアプリのイラストやキャラクターグッズのデザインも行っており、自身初の漫画『ストレンジ・ファニー・ラブ』が絶賛発売中。
第4回目:上海小吃(シャンハイシャオツー)
今回も第3回目に引き続き、東京都新宿区歌舞伎町にある「上海小吃(シャンハイシャオツー)」さんで父とともにさらなる中国のゲテモノに挑みたいと思います。
今回注文したのは、食用の犬肉と春雨、白菜をピリ辛のスープで煮込んだ鍋。中国や韓国を中心とした地域では、犬を食用として食べる習慣があり、日本でも犬肉を取り扱うお店もあります。
上海小吃では、臭みを取るため、大根と長時間煮込みます。スパイシーなスープがお肉に染み、ほろほろと柔らかく、牛肉などの赤身肉に近い食感でおいしくいただくことができました。
ペットとして、私たちの身近な存在にある犬。牧畜としてのイメージは薄いため、“犬を食べる”ことに対して忌避する人が多くいます。しかし、牛や豚、鶏など、スーパーなどでパックに詰められて並ぶお肉に対して、“かわいそう”と思う人は少ない。これまで食肉について考えるきっかけがなかなかありませんでしたが、今回、犬肉を食べたことによって、あらためて同じ“命”をいただくことを実感しました。
チョーのあとがき
犬肉を食べました。はい。犬を。かわいいわんわんを。
犬を食べ、食犬にまつわる意見や情報をリサーチしていると、食肉産業自体ものすごく怖いということに気づいてしまいました。人間が動物を大量に殺し、(しかも殺すためだけに育て)食べる理由は、絶対に必要だからというよりおいしいからなんですよね。だから、今は肉に代わる食品もたくさん製造できるのに、牛や豚を殺し続けている。無視してきた自分の身勝手さに気付かされました。
みんな分かっていることだとは思うのですが、工程が隠されているだけで、動物たちは皆生きていたくて、でも人間の勝手な都合とタイミングで殺されて、皮を剥がれ、肉片にされているわけです。それを人って本当に頑張って無視しようとするんだなあ。私含め、「殺している」実感ってどうしても薄い。
犬は、かわいいから殺すなという意見もポピュラーですが、他の動物より触れ合う機会が多く愛着がある分、「殺している」ことから目が背けられないのでしょう。だから抵抗もより強いのかもしれません。
こんなにいろいろ言っていますが、私は聖人ではないので、今日も牛肉のたたきを食べました。まだおいしさや便利さに負けてしまいます。お肉や魚を食べ続ける限り、私たちは動物たちに対して残酷なことをし続けているのです。牛であろうと犬であろうと変わりません。肉を完全に断つなんてことができるまでは、特定の動物を殺して食べることを非難する権利など自分にはないなと思いました。私にせめてできることは、自分のせいで動物が殺されていることを理解し、感謝して、しっかり食べるということ。せめてそのぐらいはしたい。
犬肉美味でした。ごちそうさまでした。
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なぜか笑いが起きる。
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