「紙一重の差だった」 室屋義秀、痛恨のオーバーG失格で千葉大会連覇逃すも総合ランク3位をキープ:レッドブル・エアレース千葉2018
予選では3位につけ、優勝を狙えるポジションでした。
千葉県・海浜幕張公園で5月27日に「レッドブル・エアレース千葉2018」の決勝レースが行われ、日本人パイロットの室屋義秀選手が無念のオーバーG失格となりました。
「レッドブル・エアレース」は、世界最高の飛行技術を持つレースパイロットたちが、最高時速370キロメートル、最大重力加速度10Gの中、三次元でタイムを競う世界最速のモータースポーツ・シリーズ。全長4キロのコースに配置された高さ25メートルのエアゲート(障害物)の間を飛行し、そのタイムを競います。
2015年からは日本でも千葉大会が開催されており、唯一の日本人パイロット・室屋選手は「レッドブル・エアレース千葉2017」と「レッドブル・エアレース千葉2016」で優勝を飾っているほか、2017年には年間王者にも輝いています(関連記事)。
今大会では5月26日に行われた予選で56秒403とまずまずのタイムで予選を通過した室屋選手。予選1位のマイケル・グーリアン選手(アメリカ)が55秒424、予選2位のカービー・チャンブリス選手(アメリカ)が56秒403だったので十分優勝を狙える位置でしたが、予選終了後の会見では垂直尾翼の変更により、コントロールの難しさに苦しんでいたと告白。2戦カンヌ大会で好調だったセッティングに変更すると明かしていました。
そして迎えた決勝当日14時からのラウンド・オブ・14では、カンヌ大会の覇者で、室屋選手のライバル、マット・ホール選手(オーストラリア)と対戦。先行のマット選手が55秒529の好タイムを出すドラマチックな展開に集まった観客からも拍手が上がります。
そしていよいよ室屋選手が登場。レースのスタートを意味するスモークが愛機から発せられると、会場からは「スモークオン!」の大歓声があがりボルテージは最高潮です。
序盤から操縦かんを両手で握る“サムライスタイル”で果敢に攻める室屋選手ですが、最初のバーティカルターン(垂直ターン)で重力加速度12Gを超えたとしてDNF失格。スタートからわずか7秒の出来事でした。
(※)DNF失格……Did Not Finishのことで、フライトが無効になる失格。2018シーズンから12G以上の場合DNF失格となるルールが適用されている。
非常に緻密な操縦かんさばきで知られる室屋選手らしからぬオーバーG違反に会場からは驚きの声が多く聞かれましたが、このときの様子について室屋選手は「(尾翼パーツの変更で)ほんの少しフィーリングの違いがあった。またマット・ホールのタイムが今日の試合(決勝)のベストタイムで、想定タイムより1秒ぐらい速かったので、そこに追い付こうとかなり目いっぱいでいっていた」「オーバーG以外のその他のG(ターン)については完璧だったし、悪くはない状態だったと思う。ほんの紙一重の差だった」と振り返りました。
さらにマット・ホール選手の好タイムによる影響はあったかとの問いについては「自分のコンディションが良くて、機体も調子が良かったので、これは面白くなってきたぞと思っていた」と語り、最も良いタイムで敗退した選手1人が次ラウンドに進める「ファステスト・ルーザー」を狙うのではなく、あくまでもマット・ホール選手に勝つことを狙った攻めのフライトに挑んだと明かしました。
またねとらぼ編集部が、日本でも室屋選手の活躍やエアレースについての関心が高まっていることについてどう感じるかを尋ねたところ「去年(2017年)と比べると倍ぐらいの盛り上がりがあるなという風に思っていた。空からも会場のたくさんのお客さんの様子が見えたし、日本中にエアレースの存在が認知されてきたなと思う。(エアレースが)モータースポーツなんだという認知も進んできた」と手応えを感じている様子。メディアからの注目がプレッシャーになったのではと心配する声には「モータースポーツとして成長することがわれわれにとっても、スポンサーにとってもチームを強くする力になるので、もっと注目していただきたい」と笑顔を見せました。
大会は室屋選手を破ったマット・ホール選手が神業飛行で好タイムを連発し、見事に優勝。大会を終えて、年間総合ランキングはマット・ホール選手がマイケル・グーリアン選手と同率で1位の36ポイントに。室屋選手は19ポイントでマルティン・ソンカ選手(チェコ)と同率3位。次戦ブダペスト大会での活躍が期待されます。
(Kikka)
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