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» 2018年06月02日 11時00分 公開

「昔は靴も買えなかった」「上司からは大体嫌われる」 本業年収1000万超え、包丁YouTuberの異常な仕事愛 (3/4)

[イッコウ,ねとらぼ]

極み: 結果、徐々に寝れるようになったのですが、たんだんタイムを計るようになって次第に毎日自己ベストを更新できるように取り組むようになりました。その後……やりすぎの性格の私は必然的に足が疲労骨折したのは言うまでもありません(笑)。

―― ……壮絶なエピソードですね。その仕事へのモチベーションはどうやって保っているのでしょう。なにか目標などがあるのでしょうか?

極み: 最初は嫌いなことでも結果的に楽しめるようになる性格だからこそ、モチベーションを高く保てているんだと思います。目標はあまり決めませんが、会社員を40歳くらいで引退して、バイトや派遣や自営業でもいいので興味のある職業をやってみたいと思います。例えば、靴の修理とか山の頂上に水を運ぶ仕事とか、早く走れる靴の研究、世界一濃厚なアイスを作って販売したり……その他いろいろ(笑)。


「昔は靴を買うお金もなかった」

―― 必ずしも収入が仕事のモチベーションにつながっているわけではなさそうですね。

極み: 私は収入なんかで人間の価値など決まらないと思いますよ。収入に関わらず私より優れている人は大勢いらっしゃいますし、優れた能力や心が豊かな人の方が価値のあることだと思います。

 私はひとり親の非常に貧しい家庭で育ち、家族みんなバラバラで実の兄弟でも10年以上連絡していませんしLINEすら知りません(笑)。喜ばしいことがあっても、報告して共に喜ぶ親すらいないのです

 ただ、そんな母から教わった包丁研ぎで、YouTubeに動画をUPしていて、今こうして取材を受けているわけですから、人生とは皮肉なものですね(笑)。

―― 貧しい家庭で育ったというのは意外です。当時はどういう生活だったんですか?

極み: 住んでいたのは亡くなった父が建てた一般的な木造住宅です。母は朝晩働いていたのですが、ただでさえお金が無いのに、兄弟の進学校の受験や学費にお金は消えていきました。家にお金が無い月の休日は食べるものが無いので、私は冷蔵庫にあったみそをそのまま食べたり、余ってたカレーのルーの塊をかじったり、砂糖をそのまま食べたりしていました。

 中学校のときは、スニーカーが破れてもお金が無くて買えなかったので、体育の授業で体育館で履くシューズを外で履くスニーカー代わりにも使っていて、「学校の決まりなんだから守れ」と先生に怒られていました。ズボンの膝にダメージデニムみたいに穴が空いてるんだから、お金無くて買えないってことくらい察してくれよと思ってましたよ(笑)。私の親世代でしたら、私のような環境はザラにあったかもしれませんが、私の年代では珍しいとは思います。体育館履きをスニーカーにしていた人なんて、全校生徒で私だけでしたから……。

―― 苦労されているんですね……。


包丁 圧倒的不審者の極み 砥石もずらり。気になるものがあればすぐに買ってしまうそうです

他の全てを捨てることができる性格

―― お話を伺っていると、物事に没頭できる性格だから仕事にも打ち込めて大きな年収につながっているのかな、とも感じます。

極み: それも多少は関係しているかもしれませんが、いろいろ変な行動をするので因果関係は不明ですね。

 例えば、ほんの一例ですが上司との人間関係も独特なんです。飲み会は最初の1回目が会社への愚痴が中心で具体的な改善策が無い話の堂々巡りだったら、次回は絶対に行きません。次に誘われたときは「飲み会でどんな話をするのか」と必ず尋ねるのですが、大体は「仕事について話す」と返ってくるので、私は「その時間とお金を使って本でも買って勉強したほうが業績が上がる可能性があるので、そうさせて頂きます」と言って断ります。

―― それ、普通はなかなかできませんよ(笑)。

極み: そうすると翌日から超嫌われるのですよ! あいさつしても無視だし目も合わせてくれません(笑)。転職して、仕事内容がよく分からない段階でこのような態度をとるので、ほとんどの上司は業務の進行状況が悪くても、私に恥をかかせることを優先するようになってしまうのです。

 しかし、まれに私がどんな変人であれ仕事を優先し、他の新人と同じように接する上司もいます。私はこういった上司には付いていくようにしています。プライベートで嫌って無視していただくことは一向に構いませんが。

―― 上司から嫌われることを恐れていないんですね。

極み: 相手もそれは人間なので当たり前です。ただ、部下や同僚に嫌いな人がいてもベストを尽くして働くのが会社員の義務なわけですから、勤務中なのに自己感情を優先して会社員の義務を守らない人とはたとえ地位が高い上司でも関わりません。


包丁 圧倒的不審者の極み 普通はなかなか断れないものです……

―― 社内の人間関係までストイックですね。では最後に、年収1000万円を超えることができた理由はなんだと思いますか?

極み: やはりそれが一番興味あるのでしょうか(笑)。

 ……いろいろ振り返ってみると、他の全てを捨てることができる性格でしょうか。

 今はそんなに極端でもないですが、休みも、あまり重要ではない人間関係や趣味、息抜きの時間なんて必要はなく、全て業績を上げるために全力を注ぐように心掛けていました。浮いたお金は全て自己投資に使っていました。たまに話す元同僚の友人には「飲み物も買わないでいつもトイレの水飲んでたね」と今でも当時のことを笑われます。

 物覚えが悪く才能の無い私は、ここまでしないと人と競争できるどころかスタートラインにも立てないのです。きっと、YouTubeに労力を使っている私は本職でどんどん他の人に抜かれていくのでしょう(笑)。(了)

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