3分に及ぶ「出産シーン」 「HUGっと!プリキュア」が子どもたちに伝えたかった“母の強さ”と”父の責任”:サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)
いつだって子どもに誇れる大人でありたいですよね。
8月になっても「HUGっと!プリキュア」の勢いが止まりません。
キュアマシェリ、キュアアムールの加入後も、「ふたりはプリキュア」の登場、敵クライアス社の新キャラ追加、輝木ほまれの淡い恋愛事情から薬師寺さあやの母娘間のコンプレックス、異種間の恋愛まで盛りだくさんの内容で、子どもたちを、そして僕たちを飽きさせません。
売り上げ数字的にも東映アニメーションの版権売り上げ、バンダイナムコの中間決算の数字も絶好調。おもちゃ業界誌によるとプリハート、はぐたんのおもちゃが子どもたちに大人気のようです。また夏休みに池袋サンシャインシティで行われている「HUGっと!プリキュア みんなでおうえん フレフレワールド!」も連日子どもたちで満員のようです。
例年にも増してプリキュアが盛り上がっている夏となっています。そんな8月の「HUGっと!プリキュア」を振り返っていきたいと思います。
kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
3分もの出産シーンを描ききる
8月12日放送(関西地区は8月19日放送)の「HUGっと!プリキュア」第27話「先生のパパ修行!こんにちは、あかちゃん!」では、終盤、3分にもわたる長尺でリアルな出産シーンが描かれました。
この回は、野乃はなのクラスの担任、内富士先生がもうすぐ父親になることへの不安を解消するために、はなの父・森太郎に弟子入りして奮闘する、というお話でした。
圧巻だったのが、番組後半で描かれた内富士先生の妻・ゆかさんの出産シーンです。
ここまで丁寧かつ的確な描写で出産シーンを描いた子ども向けアニメはかなり珍しいのではないでしょうか。
それを描き切ることができるのが、「HUGっと!プリキュア」の強さなのだと思います。
出産シーンの臨場感
自宅で産気づいたゆかさん。さあやに付き添われタクシーで産院に向かいます。
産院に着くと、女医さんが「大丈夫、大丈夫。焦らずに行こう」「私も助産師さんも一緒に戦うからね。赤ちゃんもママに会うためにがんばってるよ」と声をかけます。
後から駆け付けてきた夫が妻の手を握ります。
おどおどする夫に対し、「さわがない、どっしりする!」と叫ぶお医者さん。ゆかさんを「ゆっくりで大丈夫だよー」と分娩室へ誘導します。
ベッドに横たわり、苦しそうな表情のゆかさん。出産時の苦しい表情と声が、終始描かれ続けます。
「息を止めないでー」
「はい、息はいて―」
その間も、ずっと苦しそうな声が産院に響き渡ります。
何もできずに待合室でただ待つことしかできない、はなたち。
夫が焦りからか先ほど仕入れた子育て知識を語りだすのですが、「いいから! だまって手握ってて!」と妻に一喝されます。
助産師さんたちのセリフもきちんと描きます。
「赤ちゃん、下りてきたよー」
「はい、もうちょっと! 赤ちゃん出るよー」
赤ちゃんの泣き声とともに、緊迫した待合室の風景が、一気に緩和する瞬間。子どもを取り上げたお医者さんは言います。
「命が生まれるって すごいでしょ」
さあやに「大変ですね」と声をかけられたお医者さん。
「大変だよ。でも、この仕事、最高だよ!」とほほえみます。
そんな壮絶な出産シーンを3分もの長尺を使って描き切りました。
(かつて自分も、子どもの出産には立会った経験があるので、そのリアルさはかなりなものだったと思います。ちょっと思い出しちゃいました)
女児向けアニメーションで出産を描く、ということ
「HUGっと!プリキュア」が「子育て」をテーマにしている以上、その原点である「命の誕生」を描くことも必須だったのかもしれません。
しかし、あえて長尺を使って、リアルな出産シーンを放送したのはかなり意図的なものであると思います。
「生命の尊さ」「命が生まれることの大変さ」が子どもたちに伝わると同時に、一緒に見ている保護者の方には「父の責任」、そして本編中さあやのセリフにあるように「母の強さ」を伝えることができたのではないでしょうか。
今回、出産を「男性の目線」から描いたのも良かったと思います。出産は女性の問題ではなく、男性の問題でもあるという認識を、子どものころからきちんと伝えていくことは本当に大事だと思います。
また、これから実際にお父さんになる男性にも「出産は女性だけの問題ではない」ことが再認識できたのではないでしょうか。
最後に夫が妻に向かって「ありがとう」といって妻がほほえむ描写もすてきでした。お互いに、信頼しあい感謝しあう。大切ですよね。
この回の放送後、「HUGっと!プリキュア」という女の子向けのアニメでこんなにもリアルな出産シーンが必要なのか? という声も聞かれました。
しかし「出産は女性にしかできないけれど、育児は男性にだってできる」「育児には男性も参加することが必要」を子どもたちに伝えることができるのが「HUGっと!プリキュア」の、そして女児向けアニメーションの強さなのだと思います。3分にもわたる出産シーン、これは「女児向けアニメーション」にしかできない、そして「女児向けアニメーション」だからこそできる表現だったのだと自分は思います。
また1つ、「HUGっと!プリキュア」の名シーンが生まれた瞬間でした。
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