「動画ひどい」「税金の無駄遣い」と話題 環境省発の萌キャラ「君野イマ&ミライ」は本当に“無駄”なのか話を聞く(2/2 ページ)
―― 「君野イマ」と「君野ミライ」はどのようないきさつで始まったのでしょうか。
環境省担当:「COOL CHOICE」の方向性を決める有識者会議で、温暖化への意識が低い若年層へのアプローチの1つとして作られました。クールチョイス推進チーム(環境省と民間企業や団体で構成される)のチーム員の1人から、キャラクターを使えばどうかという提案があり始まったものです。
―― 映像作品としてクオリティーが低いなど厳しい意見があがっていることについては把握していましたか。
環境省担当:普段から「COOL CHOICE」全体について好意的なご意見や叱咤(しった)激励をさまざまに頂いていますが、今回話題に上がっている記事についてはこの取材があるまで把握していませんでした。
―― これらの意見はどう捉えていますか。
環境省担当:賛否含めさまざまな意見をいただいておりますので、貴重なご意見として今後活用していきたいと思います。
―― 知名度が足りないのではと指摘されていますが、今までどのようなプロモーションを展開していたのでしょうか。また、今後さらに大々的に告知したりするのでしょうか。
環境省担当:公式サイトや動画の投稿、プロジェクト賛同者への画像素材の提供などを展開していました。開始直後はネットやメディアで取り上げられるなど(関連記事)、認知度向上に一定の成果があったと認識しています。
その一方で、今回のように認知度が足りないのではないかという指摘があることも把握しておりました。
―― 担当チームとしては、どの程度の熱量で取り組んでいる企画なのでしょうか。
環境省担当:他の普及啓発活動に比べて、特に力を入れているというわけではありません。数ある企画の中の1つとして進めております。
―― 動画再生数の目標はありますか。また、今後さらに伸ばしていきたいと考えていますか。
環境省担当:数字としての目標は設定しておりません。予算をいかに効果的に活用するかが大事であると認識しており、効果を踏まえながら事業を実施しています。「イマ&ミライ」の動画やPRはさまざまな企業や各種媒体、イベント、デジタルサイネージなどで上映を実施しております。YouTubeへの投稿は、数あるPR活動のなかの1つです。
―― 声優を上白石萌歌さんが担当していますが、どのように決まったのでしょうか。
環境省担当:「イマ&ミライ」が高校生の設定だったため、起用当時高校生で大きく活躍されている上白石萌歌さんが選ばれました。委託業者からの提案もありました。
―― 3DCGはどこが担当しているのでしょうか。
環境省担当:委託業務で外部発注となっております。「COOL CHOICE」全体の普及啓発事業委託業務が、2016年は電通、2017年は博報堂となっており、そこからさらに外部の企業に制作を委託した形になっております。
―― 記事内で「莫大な税金が投入された」と書かれていますが実際どの程度かかっているのでしょうか。
環境省担当:具体的な額については非公開です。
―― 今後どのような展開をしていこうと考えていますか。
環境省担当:「イマ&ミライ」は、現在でも企業や自治体に積極的に活用されています。今までに作ったものをきちんと利用し、若年層へのアプローチに活用していきたいと考えています。そのためにも、皆さんが使いやすいような素材を用意するなど、さまざまな施策をとっていく予定です。
というわけで、再生数が少ないとやり玉に挙がったYouTubeの動画は、数多く実施されているPR活動のうちの1つにすぎませんでした。動画のクオリティーについては渋い顔になってしまう部分もあるのは事実ですが、再生数が少ないからといって「税金の無駄遣い」と決めつけるのは早計かもしれません。
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