“5円チョコ”こと「ごえんがあるよ」は、なぜ30年以上も売り続けられるのか? 会長が明かす「儲からないんだけど……」(2/4 ページ)

» 2018年10月28日 12時00分 公開
[辰井裕紀ねとらぼ]

ネーミングやキャラは「まんまだよね」

――5円チョコ誕生の話に戻るのですが、なぜお金形のチョコだったんでしょうか?

 それも先代が考えたんだけど、ストレートに形で「5円」という価格を分かりやすく伝えるためらしい。「ごえんがあるよ」というネーミングも先代。まんまだよね。


5円チョコ 1987年時のパンフレット。「ひそかなブーム!?」とも書かれている

5円チョコ 10個が連なり、吊り下げるタイプの商品もあった

――袋に書かれているキャラクターも印象的です。このキャラのイラストを描いた方はどなたですか?

 これは当時から付き合いのある大手印刷会社に包材を作ってもらっていて、たぶんそこのデザイン部門の方が考えたと思う。匿名の方が。


5円チョコ 大手印刷会社のデザイン部門が彼を作った

――昔、袋の内側に書かれていた「面白占い」が好きでした。

 買った人が楽しんでくれるかなって。印刷会社が「裏印刷ができるよ」って言うんで、じゃあ何かやろうかっていう。


5円チョコ なつかしの旧パッケージ。裏印刷で占いが書いてあるのが楽しかった

5円チョコ 「面白占い」を集めた表。多くのバリエーションがあった

消えていった新商品たち 「売れなかったんだよ」

――おなじみのミルクチョコ味に加えて、一時はストロベリー味を出されていましたよね?

 バリエーションを増やしたくて。ホワイトチョコもあったよ。それとミルクチョコ味を両方セットにして二段重ねにして、10円で売ろうっていって設備投資もした。10円でミルクチョコとストロベリー両方食えるんだぜ、すごいだろう? ……でも、売れなかったんだよ。

――(笑)。今聞いても食べてみたいですけどね……!

 ストロベリーとホワイトはとっくの昔になくなっちゃったよ。いまはまたミルクチョコ味だけ。


5円チョコ 一時期存在していたストロベリー味

5円チョコ 2009年に発売されたWごえん。ホワイトチョコとのバージョンもあった

――ビスケットがついたものもあったとお聞きしましたが……

 「ごえんチョコプラスビス」ね。1個10円で食べたらウマいんだけど、売れなかったな。


5円チョコ チョコとクッキーという黄金の組み合わせだったが、売れず。

夏恒例の七夕バージョン

――夏恒例の七夕限定商品は、今でもありますよね。

 そう、「ごえんがあるよ」という名前を七夕の「縁結び」にかけて。


5円チョコ 最近は夏恒例になっている、期間限定の七夕バージョン。包装紙には願い事が書かれているなど、七夕ならではの仕掛けが。

――あと、「おみくじごえん」っていうのがすごく面白いと思って。大凶が出たらお守りがもらえる。

 あった。ちなみに受験生の子が「おみくじごえん」をやったときに「凶」を引いて、「凶なんて入れたらイカン」って抗議の手紙があったよ。でも「凶」入れなきゃおみくじにならないからね。


5円チョコ 個包装の内側にはおみくじ占い付き
5円チョコ 「大凶」が出ると本格的なお守りがもらえる

 大凶が出るとお守りをもらえるんだけど、包装紙もお守りのデザインになってるんだよ。実際に中に5円の入った布製のお守りを景品にするキャンペーンをやったんだよ。……全然反応なかったよ。入れてくれるお店も少なくてね。これも大して売れなかったな。

――面白いのに……。そういう新商品のアイデアは、社内の企画部門の方が出されているんですか?

 今はそうだけど、2〜3年前までは全部自分で考えてやってたよ。最近は息子(松尾裕二氏)が社長になって「いい加減にしろ」って言われてるから、もう口出さないようにしてるけど(笑)。


5円チョコ 2014年に出た「合格にごえんがあるよ」。個装の裏側には志望校を書き込むことができた

5円チョコ こちらが正月バージョン。ポチ袋デザインの個包装だった

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