SFC「ロマサガ2」RTAが2019年に入り大幅更新合戦 “人力サブフレームリセット”により20分切り目前

流し切りが完全に入ることすらなく終了。【訂正】

» 2019年01月23日 22時35分 公開
[コンタケねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 スクウェア(現スクウェア・エニックス)が1993年12月に発売したスーパーファミコン用ソフト「ロマンシング・サガ2」(ロマサガ2)が、2019年に入りRTA(リアルタイムアタック/クリアタイムの早さを競う競技)の記録更新合戦状態となっています。発売から約25年が経過したゲームで、なぜ今頃新記録が次々に誕生し始めたのでしょうか。

 その火種を切ったのは、“人力サブフレームリセット”という荒業でした。始まってしまったか……ついに……。


ワードロマンシングサガ2 サブフレームリセット 実機 人力 rta サブフレームリセットによりTAS動画としか思えない画面になってしまった「ロマサガ2」(画面はニコニコ動画から)

「サブフレームリセット」とは

 “人力サブフレームリセット”の前に、「サブフレームリセット」について。これはTAS(ツールアシストによる高速攻略)で利用されるもので、「1マイクロ秒単位」でタイミングを調整してリセットすること。ゲームではよく60分の1秒に当たる「1フレーム」という単位が使用されますが、「1マイクロ秒」は100万分の1秒という極めて細かい単位です。

 そしてこの「サブフレームリセット」をデータのセーブ中に行うことで、セーブデータを改ざんできてしまいます。ただし、何も考えずにデータの改ざんを行うと「チェックサム」と呼ばれる機能により破損データ扱いされセーブが消えてしまうため、キャラの装備品などをうまく変更して「チェックサム」をごまかすことで都合の良いデータを作り出せます。

 2018年4月には、この技を利用しておやつさんが「ロマサガ2」を4分台でエンディング到達を達成しました。しかし、この記録はあくまでもツールアシストによるもの。1マイクロ秒単位での調整は人間では不可能なため、あくまでもTAS専用と思われていました。



 思われていたんだけどなぁ……。

“人力サブフレームリセット”登場

 そんな「サブフレームリセット」が話題になってから、実機で再現しようとしだす人が現れ始めました。セーブ中にタイミングを見計らってリセットをするという、ゲームの正しい取り扱いを真っ向から否定する荒業です(※まねする際は自己責任にて)。

 当然手動ではうまくいかないのですが、TASで「チェックサム」の抜け方やデータ改ざんのためのリセットタイミング、前準備に必要な手順などは分かっていたため、だんだんと精度があがっていきました。

 そして2018年8月。白鴉さん(@HAKUA_)によって最初の「ロマサガ2」“人力サブフレームリセット”RTA動画が投稿されました。記録は46分3秒。ちなみに、人力サブフレームリセットなしだと、「マップチェンジバグ」という大バグを利用しない限りクリアには2時間近くかかります。

【訂正:2019年1月24日21時 「マップチェンジバグ」に関する情報を追記しました。】



 さらに2019年に入り、白鴉さんがさらに新ルートで記録を更新。37分46秒まで縮めます。ちなみにこの記録では、電源初期化のため途中で一度リセットではなく電源を落としているのですが、「電源初期化までの時間は実機と本体温度により変わる」「室温が低かったため少し長めに時間を取った」と、温度によりタイムが変わるという恐ろしい話まで飛び出し視聴者を仰天させました。




ワードロマンシングサガ2 サブフレームリセット 実機 人力 rta 全視聴者に衝撃が走った一言(画像はニコニコ動画から)

 そしてここからだんだんと“人力サブフレームリセット”による「ロマサガ2」RTAの更新合戦がスタート。さらに最適化も進んでいき、1月22日に20分42秒でエンディングに到達する人が現れました。しかも、まだ更新の余地があり、もはや20分切りは確実となっています。




ワードロマンシングサガ2 サブフレームリセット 実機 人力 rta 現行最高記録(計測終了がスタッフロール後なため記録としては20分42秒となります)

 ちなみにこの記録、最適化が進みすぎたせいで「バグった皇帝がバグったメニュー画面でバグったアイテムを並び替えたり捨てたりしてエンディングに画面に吹っ飛ぶ」というおよそRTAにあるまじき動きを見せます。TAS動画といわれても信じるというか、RTAというのが冗談にしか聞こえないありさまです。

 これらの記録はバグなしなどのレギュレーションとは別記録となりますが、「何でもあり」レギュレーションに関しては今までの記録を大幅にぶっちぎったことになります。

 ついにRTAにまで影響を出し始めてしまった「サブフレームリセット」。これから過去のゲームの記録が、実機でも塗り替えられていくのでしょうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/17/news163.jpg 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  4. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. /nl/articles/2412/17/news049.jpg 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】
  7. /nl/articles/2412/17/news183.jpg 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  8. /nl/articles/2412/17/news144.jpg 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  9. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  10. /nl/articles/2412/17/news033.jpg セリアのふきんに、糸で“ある模様”を縫っていくと…… 思わずため息がもれる完成形に「美しい」「やってみます」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」