「美術品のお医者さん」「奇跡!」 ボロボロになった美術品の時間を巻き戻す修復職人の動画に思わず見入る
復元するには多くの技が必要なようで、とても真似できそうにはありません。
米シカゴにある美術品修復スタジオ「Baumgartner Fine Art Restoration」が作業動画を公開し、人気を博しています。尋常ではないほど傷んだ絵画も美しく修復しており、細やかな作業風景からはしっかりとした技術力が見て取れます。
Baumgartner Fine Art Restorationはシカゴで最も古い美術品修復スタジオで、動画には2代目にあたるジュリアン・バウムガルトナーさんが作業の様子を見せています。同スタジオではこれまでに何千という美術品を修復してきたそうです。肖像画を修復する動画では、表面を薬剤でクリーニングし、驚くほど色が変わる様子が見られます。
約150年前に描かれた聖母マリアの絵画の修復動画では、最初にキャンパスから布を外し、破れている箇所や端の部分を修繕しています。キャンパスに張り直してから表面から汚れを除き、破損した部分を筆で修復して、最後に表面にニスを塗って完成です。傷のない美しい姿によみがえっています。
もっと激しく傷んでいる聖母マリアの絵画を修復する動画も見物です。絵画は表面が割れてところどころはがれ落ちており、扉や台座は朽ちてでこぼこの穴が開いている状態。作業は、最初は割れた部分をはがしておき、基礎の部分から修復を始めています。朽ちた部分には樹脂を流して固め、絵の欠けている部分はパテで穴埋めして、はがした部分を戻し、全体の表面をクリーニングしてから筆で絵を足していきます。背景はもともと金属箔で覆われていたようなので、それも再現。これも、最後にニスを塗って完成。修復前とは見違えるようなできあがりです。
動画は、「まるで美術品のお医者さんのよう」「まさに奇跡だ」などのコメントでにぎわっています。Webページでは作業の前後を比較することも可能なので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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透明部分はアクリル樹脂を使っているとのこと。
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