西武新型特急Laviewが実現する、5つの「今までに見たこともないスゲーこと」:月刊乗り鉄話題(2019年3月版)(2/4 ページ)
【Laviewスゲー 2】今までに見たこともない「大きな窓」
Laviewの側面窓は縦が1350ミリ、横が1580ミリあります。大きい! 特に縦方向がレッドアロー号より拡大されています。
この大きな窓を採用した結果、窓の下辺はシートの座面よりやや下まで来ています。従来の電車の窓は下辺が肩から胸の辺りですからかなり違います。窓がここまで下にあると、景色の下の方がよく見えます。「景色が近い」という感覚です。ホームの点字ブロック、踏切の遮断棒も見えます。
人は手前の景色の方が動きが速いと感じるので、スピード感も増します。プレス向けの試乗会は小手指駅から池袋駅までの近郊と都市部を走りましたが、飯能〜秩父間など自然の多い区間で鉄橋を渡るときは、景色が真下まで見えます。かなりダイナミックで、ちょっとスリル。今までに見たこともない窓から、今までに見たこともない景色を楽しめます。
【Laviewスゲー 3】今までに見たこともない「ゆりかごシート」
窓が大きく、下辺が膝あたりまである。そうなると、スカートの人は「駅の停車中などに覗かれてしまうかも」と気になるかもしれません。もちろん心配はありません。その対策もしています。
窓ガラスには半透明の水玉模様があり、窓ガラスのフチに近づくほど水玉の数が多く、不透明になります。さらに、シートの肘掛けが板状のため、真横から腰は見えません。この肘掛けは背もたれ側と一体化されているため、シートを倒すと肘掛けも回転します。肘の位置が変わらず、膝も隠したままです。まるで揺りかごのような構造です。
ただし乗り鉄目線で言わせていただくと、Laviewの目的地の秩父や飯能は、川下りやハイキングなど、身体を動かして楽しむところがたくさんあります。存分に楽しんでもらうために、ズボンやキュロットスカートなどの動きやすい装いが良いと思います。
【Laviewスゲー 4】今までに見たこともない「風景に溶け込む車体」
銀色の車体は珍しくありません。鉄道会社のほとんどが通勤電車などを中心にステンレスを使用し、塗装を省いて塗り直しなどの維持コストを下げています。
Laviewも銀色ですが、「塗装した銀色」です。おカネが掛かっています。車体はアルミニウムを主な素材とし、さらに銀色で塗装しました。アルミニウム自体はステンレスと同様に錆びにくい素材です。しかし、強度を上げるために合金とするため、混ぜた素材が錆びたり、腐食する恐れはあります。鉄道車両はアルミの素地色を引き立てる場合であってもクリア塗装しています。
Laviewは「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む」というテーマを実現するため、独特のシルバー塗装を施しました。普通の銀色では光を反射してしまい、風景の中で車体がギラギラと目立ってしまいます。光を適度に反射し、風景を車体に映す、適度な銀色を求めました。そこで採用した塗料が「スーパーブライトNo.2000」です。
スーパーブライト No.2000は大日本塗料が開発しためっき調シルバー塗料です。クルマのアルミホイール、ホイールカバーなどに採用実績があります。鉄道車両という大きなアイテムに、銀めっきのような表現ができます。
鉄道車両の採用はLaviewが初。Laviewに乗るときは、車体を見て「ふっ。スーパーブライト No.2000か、いいツヤしてやがるぜ」とつぶやいてみましょう。ツウな人だと思われるかもしれません。
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