描かれたのは私たちが知らない「教育のかたち」――『マジスター〜見崎先生の病院訪問授業〜』コミックス1巻が発売(1/2 ページ)
棚園正一先生が描き下ろしイラストも寄せてくれたよ!
『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で不定期連載されていた漫画『マジスター〜見崎先生の病院訪問授業〜』(山本純士氏原作、棚園正一氏作画)のコミックス1巻が、3月29日にいよいよ発売された。
2018年5月に『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で連載がスタートした際にも紹介したが、今作のテーマは「病院訪問教育」。病院訪問教育とは、長期入院する児童を対象に、特別支援学校の教師を病院に派遣し授業を行う制度のこと。制度自体は全国的にあるが、愛知県では特に手厚く、県内どの病院でも小中学生が長期入院する場合は病院訪問教育が実施されている。
長期入院する必要があるということは、重い病気であることも多い。不安や焦燥、無力感、そして絶望の思いを抱えながら過酷な現実と向き合う子どもたちへの“教育”は、学校で行われるそれとは異なる部分も多い。今作では、病院訪問教育のベテランたちと、学校教員をへて新任でやってきた女教師の視点から病院訪問教育の実態が描かれている。子を持つ親にも、教育に携わる人にも読み応えのある内容だ。
棚園氏が今作を描くきっかけとなったのは2015年秋。ちょうど『学校へ行けない僕と9人の先生』(双葉社)を書き終えた頃のことだった。テレビを見ていて偶然目に止まった「院内学級」をテーマに、けがや病気で学校へ行けない子どもの気持ちを描こうと思い立った棚園氏は、院内学級のことを調べるうちに“病院訪問教育”の存在を知り、山本氏が自らの経験をモデルに描いた小説『15メートルの通学路』にも出会ったという。余談だが、山本氏は愛知県下で長年にわたり病院訪問教育に携わってきた人物で、愛知県で病院訪問教育が特に手厚いのは、山本氏を含む世代が熱心に広報した結果でもある。
自身の実体験を基にした『学校へ行けない僕と9人の先生』がまさにそうだが、棚園氏は、大人の態度や言動を子どもの目線でみると大人が考えているものとは全く違う受け取られ方をすることがあるという、大人になるにつれ忘れがちなことを描くことにたけている人物だと筆者は思う。
しかし、『15メートルの通学路』で丁寧に描かれているのは、病院訪問教育に携わる教師の視点を中心に、生徒である児童やその両親、病院側の医師や看護師などの気持ち。子どもの視座で世の中を見る棚園氏からするとそれは気付きが多いものだったようで、『学校へ行けない僕と9人の先生』では描いていなかった周囲の人たちの気持ちなどを描く必要があるこのテーマに挑戦することは作家としての自分の成長にもつながると強く感じ、取りつかれたように病院へ何度も足を運び取材を重ねたという。一方で、そうしたテーマを描くリアリティーに不安を覚え、知り合いを通じて山本氏を訪ね、原作協力を依頼し、『マジスター〜見崎先生の病院訪問授業〜』は産まれることになった。
だが、「それでもまだ、簡単には上手くいきませんでした」と棚園氏は当時を振り返る。“病院訪問教育”という多くの人にとってはなじみがうすいテーマは地味で、そこに胸のすくようなエンターテインメント性を求めるのは酷な話だ。だから、出版社にネームを持ち込んでもそうした評価を下されることも少なくなかったという。それでも諦めずにいた棚園氏に、チャンスは巡ってきた。それが『ビッグコミックスペリオール』(小学館)での不定期連載の話。企画段階から考えるとコミックスの発売までに約3年の月日がたっていた。
棚園氏はコミックス発売にこう思いを話す。
「病院訪問教育を広く知ってもらえれば、という願いとともに、正直、自分が一番描きたかったのは、困難に直面しながらも、それに向き合い、泣いたり笑ったりしながら一所懸命に生きる人々の姿です。この物語には悲しいエピソードもあります。ただ、読み終わったときに、悲しさではなく『自分も頑張ろう」と思ってもらえるような物語になるよう、願いを込めて描きました」
この取材の最後、無謀なお願いと知りつつも、棚園氏に今作をイラストで紹介してもらえないかと依頼してみると、快諾いただき、描き下ろし漫画を提供いただいた。この作品が誰かの琴線に触れることを強く願いながら紹介したい。
棚園正一先生描き下ろし漫画
なお、コミックス発売の3月29日から、「有隣堂 横浜駅西口コミック王国」では、小学館と双葉社の協力の下、『マジスター〜見崎先生の病院訪問授業〜』『学校へ行けない僕と9人の先生』の複製原画約20点が展示される。
(C)山本純士・棚園正一/小学館
出張掲載:第1話「水越宗一郎(前編)」
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