「けもフレ2」最終話アンケート“とても良かった”2.6%の衝撃 何があったのか、1話からの振り返りと私見(1/3 ページ)
2017年の冬を沸き上がらせた「けものフレンズ」。ここまで大きな変動が起きてしまった理由はどこにあったのでしょうか。
4月1日深夜26時5分、テレビアニメ「けものフレンズ2」(けもフレ2)の最終第12話が放送されました。しかし、放送後から批判的な声が多く寄せられる事態となっていることは、ご存じの方も多いはず。4月2日の深夜に放送されたニコニコ生放送でのアンケートは、「とても良かった」が2.6%、「良くなかった」が95.3%と、類を見ないような数字となっています。
1期では大変な人気を誇ったアニメに、一体何が起きたのでしょうか。まずは2期第1話から、多少の私見も交えつつ視聴者の声を振り返ります。記事後半は、1期から「けもフレ」に関する記事を大量に書いてきた1ファンとして、全話追ってきた心境を述べたいと思います。
なお、本稿は「けものフレンズ」1期と2期両方の核心に触れるネタバレがあるのでご注意ください。
前知識編:2017年に現れた不死鳥「けものフレンズ」
まず先に、テレビアニメ「けものフレンズ」とは何なのか、簡単にご説明いたします。
テレビアニメ「けものフレンズ」は、メディアミックスプロジェクトである「けものフレンズプロジェクト」の1つとして作られたもの。「けものフレンズプロジェクト」は、動物が女の子の姿になった「フレンズ」たちが住むテーマパーク「ジャパリパーク」を舞台に、フレンズたちの生活や謎の敵「セルリアン」との戦いが描かれました。
しかしこのメディアミックスプロジェクト、2017年のアニメ1期の放送開始目前にしてスマートフォンアプリ版がサービスを終了するという深刻な事態に陥ってしまいます。さらに、放送開始直後には月刊少年エースで連載されていたマンガ版も連載が終了。
そんな逆風のなか2017年1月〜3月にアニメ1期が放送されたのですが、フレンズたちによる優しい世界とその裏に潜む不穏な空気が高く評価され大ヒットに。逆境を跳ね返したサクセスストーリーも視聴者たちを感動させ、さまざまな賞を受賞したほか、ミュージックステーションで声優たちによる歌が披露されるなど大きな話題となりました。
その人気から早々にアニメ2期の放送も決定し、まさにプロジェクトはこれから……というタイミングで、1期最大の功労者といわれるたつき監督が突然の降板を発表。多くのアニメファンに衝撃が走ります。この問題はKADOKAWAやテレビ東京などの関係者を巻き込むほど大きな騒動となりましたが決定は覆らず、関係者による降板理由の説明もいまいち要領を得ないものが続きました。
この1件により多くのファンたちの間でさまざまな臆測が飛び交い、今度は1期とは違った形で逆風を受けることになった「けもフレ2」。主人公が1期の「サーバルキャット」「かばんちゃん」「ラッキービースト」の2人と1体から、「サーバルキャット」「カラカル」「キュルル」の3人に変更されている点も、「1期はなかったことになるのか」と不安の声が広がりました。
そんななかで2019年1月14日、ついにアニメ2期1話の放送日を迎えます(7日には第0話も放送)。
出だしは決して悪くなかった
多くのファンが固唾をのむなかで放送された2期1話の評判は、決して悪いものではありませんでした。Twitterでも「不安だったけど新しい『けもフレ』の世界を見せてくれそう」とポジティブな意見が多く、筆者も1話の感想は「なかなか良さそう」といったところだったのを覚えています(関連記事)。
続く第2話はやや強引な展開が多く評価を落としますが、第3話は再度評価を持ち直し、第4話でまた少し落とし、第5話は1期第6話に近い展開で賛否が分かれたり……と上下を繰り返していました。
このように、中盤までは「ニコニコ生放送」でのアンケートは低調ながら、「荒れている」とまでは言えない状況が続きます。しかし、この後評価を荒れさせる出来事が起こり、最終的に現在の評価に至ってしまいます。具体的には、以下の4点。
- 第6話の「かばんちゃん」が「かばんさん」になって登場
- 第9話「イエイヌ」の扱い
- 第12話での「アムールトラ」ビーストの扱い
- 回収されなかった伏線について
第6話の「かばんちゃん」が「かばんさん」になって登場
前作の主人公であるかばんちゃんが初めて2期で姿を見せたのは、第5話ラストの数秒。たつき監督の不穏な流れでの降板もあり、前作で大きな活躍を見せたかばんちゃんは最後まで登場しないと思われていただけに、ファンの間では期待(と一部では不安)が広がります。また、1期では子どもだったのが明らかに成長しかばんさんというにふさわしい姿になっている点も、期待を煽りました。
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