本田翼×窪田正孝「ラジエーションハウス」2話、遠藤憲一の底力。視聴者しみじみ「エンケンの部下になりたい人生だった」
遠藤憲一最高回、かわいいエンケンじゃなくていい、ゴツくていい。
「ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜」(フジテレビ系)の第2話が4月15日に放送された。遠藤憲一の底力を見た回だ。
第2話あらすじ
膝の痛みを訴える少年・健太郎(石田星空)のレントゲン撮影が行われ、甘春杏(本田翼)は成長痛と診断。しかし、五十嵐唯織(窪田正孝)は痛みの原因が他にあると考え、健太郎のMRI検査をしたいと言い出した。医師の鏑木安富(浅野和之)から反対を受けるも、放射線技師長・小野寺俊夫(遠藤憲一)は「責任なら私が取ります」と主張、さらに杏が健太郎の検査をオーダーしてくれたため、無事に検査は続行される。結果、健太郎の骨肉腫が判明した。ショックを受ける技師たちへ小野寺は言葉を掛けた。
「検査のたびに、俺たちが早期に見つけだしてやりゃいいんだろ。それが俺たちにできる仕事じゃないかよ」
エンケン無双を堪能
どうやら、今回はオリジナルのストーリーにアレンジが加えられていたようだ。原作は健太郎の母・美佐子(中越典子)が乳がんで、そこに上記の健太郎の骨肉腫発見のエピソードが連なっていた。さらに、別れた夫(ドラマとは正反対の聖人)を含めた家族愛も描かれる。感動のジェットコースターのような回だったのだ。ドラマはこのエピソードを分割した。
おそらく、ラジエーションハウスで働く一人ひとりに焦点を当てる形で各回は進んでいく。第2話は、小野寺回。妻と離婚したら会えなくなるかもしれない息子・大樹(田中奏生)を健太郎に見た小野寺は、この母子を放っておけなくなった。だからMRI検査の予約をねじ込み、健太郎を救おうとしたのだ。
底力を見た。まさに、エンケン無双だったのだ。妻に見放され、職場では上からの圧に翻弄されるダメ父。でも、窮地になれば頼れる上司っぷりを見せる小野寺。「エンケンの部下になりたい人生だった」と視聴者に思わせるほどの存在感を彼は放っていた。ここ数作で続いたかわいいエンケンには食傷気味だったので、久々のこんなエンケンに大満足。その哀愁に素直にグッと来た。
病院から出た大樹は、父から突き返された離婚届をそのまま外のゴミ箱へ廃棄した。離婚届には保証人の名前等が記入されており「おいおい……」と心配にもなったが、ここは目をつむりたい。職業人としての父を見た直後、父の行動をそのまま真似る息子の姿は、通じ合った父子関係をそのまま表していたからだ。第2話は初回よりはるかに充実の内容だったと思う。ちなみに、乳がんのエピソードは今夜放送第3話に配される模様。主役は黒羽たまき(山口紗弥加)である。
本田翼の本領発揮はもうすぐ……のはず
「技師の仕事は、検査したらそれで終わり。そこから先は専門医に任せるしかないの」(たまき)
それにしても、珍しい医療ドラマである。主役が放射線技師なので、患者の回復まで描き切らない。検査し、病気を見つけるところがこの作品のピークだ。正直、盛り上がりに欠けるきらいはある。このまま診断するだけの回が続いていくとすると、ドラマとしてはかなり弱い。そこが不安だ。
希望が持てる点もある。本田翼が絶好調にかわいいのだ。懸念材料である彼女の演技についても光明が見えてきた。第2話終了間際、健太郎の異常に気付いた唯織に、杏はお礼を言おうとする。
「あっ、あっ、あの、昨日はあり……あっ、あ〜、あり得ませんからね! 医者のオーダーを待たずに、勝手に検査するなんて!」(杏)
素直になれない自分にヘコむ杏。ツンデレの“デレ”を一瞬見せてきた。
唯織を認めるにしたがって、杏の態度は日に日に変わっていく。つまり、デレがどんどんこぼれ落ちていくのが今後だ。この手の芝居が本田翼は得意だ。このフェイズに入れば、彼女は本領を発揮する。というわけで、次回以降を見るモチベーションは上がる一方である。
寺西ジャジューカ
ライター。本田翼が大好き。Facebook
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