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» 2019年05月09日 12時00分 公開

月刊乗り鉄話題(2019年5月版):「西武のLaview」vs「東武の川越特急」 でっかい「乗り鉄釣り針」ルートに釣られてみた:パート1 (2/2)

[杉山淳一,ねとらぼ]
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令和最初の乗り鉄、いざ小江戸へ

 西武鉄道の特急券はWeb予約できます。さらにチケットレスサービス「Smooz」を使えば購入も可能。座席指定はシートマップで選択でき、しかも窓枠の位置までしっかり表示されます。これならば4人グループで予約するときに、大きな窓1つの向かい合わせ席を指定できます。便利ですね。

西武のLaview 東武の川越特急 西武鉄道のチケットレスサービス「Smooz」はシートマップで座席指定可能。窓の位置も表示される。座ってみたら窓ではなく窓枠だった……という残念さを回避できる

 今回は「令和初乗り鉄」として私は5月1日の列車を予約。1週間前の手配だったので、運転席後ろの「かぶりつき席」は販売済み。少し後ろの窓際席をゲットしました。

 5月1日。都心から本川越駅へ向かいます。新宿駅から西武新宿線で行くルートが素直です。しかしこれだと西武鉄道にそのまんま釣られたみたいで悔しい。そこで、東武鉄道東上線の「川越特急」で川越市へ行き、徒歩で本川越駅に乗り継ぐことにしました。

 家を出る前に西武新宿線で人身事故発生による運休を知ります。でも、きっと昼過ぎには復旧していると期待して予定通りに出発。東上線ルートにして正解だったなと思ったら、なんと東武東上線も人身事故発生で運休とのこと。新元号初日の気分が少し暗くなります。

 気を取り直して西武池袋線で所沢へ、西武新宿線に乗り換えて本川越へ。予想通り、この頃には新宿線は回復していました。

 本川越駅到着は昼過ぎ。「むさし90号」の発車1時間前です。昼食を選ぶ余裕もなく、松屋で大好きな「ごろごろ煮込みチキンカレー」を食べて戻ると、駅ビルのデジタルサイネージに「川越駅弁」の広告が現れました。し、しまったぁ……。

西武のLaview 東武の川越特急 本川越駅前では令和を祝うチンドン屋さん。カメラを構えたらノリノリで笑顔を見せてくださいました。中野区に本拠がある「あづまや」さんだそうです

 皆さんは後悔しないようにね。「川越駅弁」は、小江戸オハナ西武本川越ぺぺ店で「魚めし」「牛めし」「鶏めし」があるようです。令和記念のチンドン屋さんをしばらく眺めたときにこれがあることに気が付くでした……。

本川越に「Laview」が来た〜!! Laview「むさし90号」で所沢経由、飯能へ

 本川越駅は線路が3本。中央の線路が特急用です。しかしLaviewはここではなく、となりの1番プラットホームを使います。なぜかというと、特急用プラットホームは7両編成用だからです。8両編成のLaviewは使えません。将来、特急「小江戸」がLaviewになるときは、特急用プラットホームを改札口側に1両分だけ削るのでしょうか。あるいは特急「小江戸」用に7両編成のLaviewを作るのでしょうか。どうなるでしょうね。

西武のLaview 東武の川越特急 本川越に「Laview」が来た〜!!

 13時55分。その1番プラットホームにLaviewが到着しました。銀色ボディーに丸い顔。やっぱりカッコいいな。窓が大きいので、プラットホームから車内の黄色い座席の列がよく見えます。先頭車付近では記念写真を撮影する人がたくさん。Laviewのライトは「スマイルモード」でした(関連記事)

西武のLaview 東武の川越特急 停車中はライトを「スマイルモード」にしてファンサービス
西武のLaview 東武の川越特急 車両番号 001は形式の001系を示す。B7とB8はB編成(2番目に作られた)の7両目、8両目。臨時LaviewはB編成のデビュー列車だったのかも

 指定した座席に座り発車を待ちます。前席の人が既に背もたれを倒していらっしゃいます。しかし座席の間隔が広いので気になりません。幸い後席は空席でした。こちらも背もたれを最大に倒します。背もたれを倒すと大きな窓をさらに広く感じます。

 13時5分、「むさし90号」は静かに動き出しました。あれ、発車ベルは鳴ったのかな。気が付きませんでした。鳴っていたとしたら、遮音性がとても高いようです。

 車内空間はとても静かです。スマホアプリで測定した値は70デシベル前後。環境省「騒音の目安」では「新幹線の車内」相当です。でも体感的には60デシベル前後の「博物館の館内」「銀行の窓口周辺」くらい静かに感じました。通路を挟んだ小声の会話も理解できるほど。座席の座り心地も良く、窓を流れていく景色も楽しく、控えめなBGMが心を弾ませます。落ち着いたカフェのようだなあと思ったらホットコーヒーが飲みたくなりました。車内販売がなくて残念です。皆さんは乗る前に飲み物を用意しておくとよいですよ。

 Laviewはスピードを上げて、工場街を走り抜けます。この辺りの線路は一直線。サミー工業、図書印刷、ホンダ、大きな建物が現れては消えていきます。休日のせいか、人影はありません。新狭山駅を通過すると車窓は住宅と農地が混じってきます。やがてLaviewは速度を落とし、線路が緩やかにカーブして狭山市駅に到着します。乗り降りする人はほとんどいません。やはり珍しいルートを全区間乗り通す人が多いようです。

 狭山市駅を発車すると所沢駅までノンストップ。車窓右手に現れた森は航空自衛隊の入間基地です。目隠しのための植林でしょうか。大きな窓が深緑を映します。Laviewは速度を上げて住宅街を進み、南入曽車両基地を通過すると田畑が広がり、また住宅街へ。今度は車窓右手に所沢航空記念公園が現れます。車窓風景がめまぐるしく変わり、眺めて飽きません。

西武のLaview 東武の川越特急 先頭車の少し後ろからでも、背を伸ばせば前方が見える。入間基地のそばを通過。車窓が深緑に染まる
西武のLaview 東武の川越特急 南入曽車両基地を通過

 車窓左手に大きな建物が増え始めました。Laviewは右カーブを走り、減速します。もうすぐ所沢駅。西武新宿線の列車は、通常ならばほぼ直進して西武新宿方面のホームに入ります。しかしこの列車は飯能行きです。駅の手前の分岐器を左へ、左へと移って、池袋線の4番線に入りました。乗務員交代のためしばらく停まります。所沢駅では乗り降りする人がいました。親子連れが多いようです。西武沿線にお住まいの家族でしょうか。Laview乗車が大型連休の良い思い出になったことでしょう。

西武のLaview 東武の川越特急 所沢駅のかなり手前から池袋線の線路に移った

 (続く)

※次回は連休限定運行Laviewの後半、所沢から飯能までの池袋線ルートを満喫します。所沢駅で新宿線の線路をまたいで「池袋線」へ入りますよ



杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。


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