決してロボがトランスフォームすることはない 「トランスフォーマー」精神的続編群の奥深い世界
「トランスフォーマー」の精神的続編(決して続編ではない)。
令和元年は超大作映画がめじろ押しだ。アベンジャーズの物語は終わりを迎え、人類は再びゴジラに襲われ、リアルすぎるジーニーはわれわれに夢を見せ、ライアン・レイノルズはピカチュウになった。その一方で、5月8日にアメリカから刺客とでもいうべき注目作がリリースされるのをご存じだろうか。そう、「ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体」である。
製作はあのアサイラム。3月に日本でも公開された「トランスフォーマー」のスピンオフ作品に奇妙なまでに似ているが、全くの別物である。
こうした「トランスフォーマー」の精神的続編(決して続編ではない)がこれまでに7作リリースされている。筆者は「ザ・トランスフォーム」の襲撃に備え、事前に全ての作品を鑑賞した。各作品の相対的な位置付けを表したのが以下の図である。
今回は、これまで日本でリリースされたトランスフォーマーの精神的続編の中から、『ザ・トランスフォーム』の予習として最適な3本を紹介しよう。大変有意義かつ無駄な時間が過ごせることを保証する。
その1:「トランス・バトラー」(2007)
同作は突如襲来した宇宙人とそのロボによって地球が征服されるも、フィリピンの勇敢な人々が一致団結して世界を救う物語だ。
ショベルカーなどの重機を改造したような巨大ロボのジャンク感がカッコいいのでハマる人にはハマるし、ストーリーも割としっかりしているが、決してロボがトランスフォームすることはない。
その2: 「メタル・トランスフォーム」(2011)
シネテルフィルム製作という時点で察してほしい。突如宇宙から飛来した殺人バクテリアがおじいちゃん製作のアイアン・ゴーレムに寄生し、町の人々を襲い始めるというストーリー…のはずだったが、ロボとしての活躍はほとんどなく、爆散したパーツに触れると毒殺されるという謎の展開が始まってしまう。
釣り糸(たまに見える)でコロコロと転がるパーツがなんだかかわいいが、決してロボがトランスフォームすることはない。
その3:「トランスモーファー 人類最終戦争」(2007)
突如地球に侵略してきた機械生命体が地球を征服し、人類は地下に潜んで反撃の機会をうかがう。荒くれ者として名をはせ冷凍刑に処されていた主人公が物語の鍵となるが、コールドスリープ中に彼女を上官の女性に寝取られるというという衝撃の展開に開いた口がふさがらない。
精神的続編の起源(元凶)であり、この作品以後「トランスフォーマー」の面影のある作品が乱造されるようになった。製作はもちろんアサイラムであり、決してロボがトランスフォームすることはない。
これまで見てきた通り、物語の始まり(何も始まらずに終わることもある)でいつも宇宙(そら)から何かがやってきて、何かがトランスフォームするということはない、それがトランスフォーマーの精神的続編に共通する特徴である。
中にはしっかり擬態・変形する作品もあるが、なぜあえてこの3本をピックアップしたかというと……察しの良い方はもうお気付きの通り、「ザ・トランスフォーム」も別にトランスフォームはしないのである。精神的続編初心者はその部分を理解しておかないと重大な心の傷を負う可能性があるので、その警告も含めて紹介させていただいた。
さて、必要ないかもしれないが、せっかくなので「ザ・トランスフォーム」のあらすじも見てみよう。
「20XX年。世界各地でUFOが目撃され、人々の失踪が相次いでいた頃。ロボット工学科の学生、ヘレン、クロエ、ルークの3人は高性能人型ロボット《ホーネット》を完成し、実験のため人目のない山奥に向かう。だがそこで、彼らは巨大UFOに遭遇。その光線を浴びたホーネットは、突如ヘレンたちに襲いかかって来た。ホーネットの部品はエイリアンが地球に送り込んだ物であり、侵略兵器だったのだ。3人はホーネットのコントロールを取り戻し、地球を侵略者の魔手から救えるのか?」(アルバトロス公式サイトより)
やはり宇宙である。そして特に変形ロボットという記述もない。しかしそこは「サメ映画にはサメが出ない」のと同じように(参考記事)、「トランスフォーマーのトランスフォーム抜き」は精神的続編において王道中の王道であることを思い出しこらえてほしい(「ザ・トランスフォーム」というタイトルは見えないものとする)。
ただ、製作側の真意は分からないが、この作品は他の要素である“ゾンビっぽい何か”にかなり力を入れている(実はPOV作品でもある)。「肝心なものが何一つ含まれていないのに、望んでもいないものがてんこ盛り」状態であることに間違いはないが、ハンバーガーを頼んだらラーメン二郎が出てきたようなものと考えればいいのかもしれない。
本来であればストーリーのより細かな紹介をしたいところだが、あらすじ以上の話の筋がないので割愛させていただく(あとUFOもほとんど出ない)。超大作「ザ・トランスフォーム」は5月8日リリースである。お楽しみに!
(サメ映画ルーキー)
関連記事
- 友人「『アルマゲドン』見よう」私「どのアルマゲドンがいい?」友人「???」 困惑した友人にオススメしたいアルマゲドン映画ベスト5
「アルマゲドン映画」とかいう人類の叡智の結晶。 - 変形するってどういうことだよ!? 多頭サメ映画シリーズ最新作「ファイブヘッド・ジョーズ」2018年にDVD発売
安心と信頼のアサイラム×アルバトロスの最狂タッグだよ - もしもマイケル・ベイがワッフルを作ったら? 想像で描いた映像が爆発的にスタイリッシュ
変形こそしないものの、ものすごくトランスフォーマー感ある。 - ここはサメに支配された地球だよ! 映画「鮫の惑星」DVD化、安心と信頼のアサイラム×アルバトロスから
制作は「シャークネード」シリーズなどで知られるサメ映画業界の重鎮「アサイラム」です。 - “あれ”が見えたら、あなたも終わり スティーブン・キングも困惑のホラー映画「THAT/ザット」が3月リリース
楽しみですね。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」