的確な描写に「弓道警察」も納得? 「スター☆トゥインクルプリキュア」の弓道描写がスゴかった:サラリーマン、プリキュアを語る(2/3 ページ)
香久矢まどか、弓道大会へ
この第16話「目指せ優勝☆まどかの一矢!」では、香久矢まどか(キュアセレーネ)の物語が描かれました。自分がプリキュアであることを、宇宙人の調査をしている政府高官の父親に隠していることに負い目を感じているまどか。そんなまどかが父のためにも弓道大会で優勝したいと大会に臨みます。「迷惑を掛けている父のために、優勝したい」のですよね。まどかさん。父親を尊敬していることが伺えます。
今話で最大のテーマとなったのが「自分を信じること」の意味です。年下のライバルである「那須ゆみか」は「友達を作らず、勝つために自分一人で頑張ってきた」女の子。まどかに「友達と仲良しごっこをしているから、弱くなった」と言い放つ芯の強い娘です。
そんな一人で頑張るゆみかに対し、まどかは「友達と過ごす自分」が正しいのか逡巡(しゅんじゅん)してしまいます。それはゆみかの「他人を受け入れず一人で戦う」「信じるのは自分自身にのみ」という考えこそが、まどかが尊敬する父親と全く同じことを体現していたからにほかなりません。そう、今回の相手は「尊敬する父親」と同じ存在だったのです。
「自分を信じること」の本当の意味
まどかは尊敬する父の教えである「弓道は自分と向き合い自分を鍛える武道」そして「最後に頼れるのもまた自分だけ」という教えを信じ、ずっと守ってきました。
そんな中行われたライバルゆみかとの優勝決定戦。どちらかが矢を外すまで戦いは続きます。緊張感と矢を放ち続ける疲労で極限状態の2人。2人とも「頼れるのは自分だけ」という信念は同じなのです。ただ、ゆみかが「自分を信じる」=「全てを捨て、一人で背負い込む」のに対し、まどかは「自分を信じる」=「友達からの応援を受けた自分を信じる」としたのです。
「自分を信じること」の解釈に差があったこと、それが勝敗を分けることとなりました。
まどかは、父から教えられた「最後に頼れるものは自分だけ」という考えを、極限状態の中「自分のイマジネーション」で再解釈し、「友達の存在こそが、今の自分の一部であり、そんな自分を信じる」ことに昇華させ、見事勝利をおさめたのです。それは尊敬する父の教えを守りつつも、それを自分なりに解釈し、新しい道を歩みだしたまどかの第一歩だったのです。
そしてラストシーンでは厳格なまどかの父も「友達の応援のおかげで勝てた」ことを認めているようでした。それはすなわち、娘の成長を父親が認めたことにもつながります。このまどかと冬貴の父娘の関係性はプリキュアシリーズでも珍しい緊張感があります。番組開始からずっと丁寧に関係性を描いているこの2人。この先、まどかのプリキュア人生に関わるようなもっと「ものすごいドラマ」が待ち構えているような気がしてなりません。
一人で頑張ることを否定しない
そして今回のお話で良かったのは、決して「一人で頑張ること」を否定しなかった、ということです。
プリキュアに限らず子ども向けアニメーションでは「友達を大切に」「友達と仲良く」「友達といれば強くなる」を必然的に描きます。もちろん「友達が大切」は素晴らしいことですし、プリキュアを見ている子どもがこれから生きていく社会では「友達」は必要な概念なのかもしれません。ただ裏を返せばそれは「一人で頑張ること」「友達が作れない子どもたち」を否定することにつながります。それでは「友達を作ることが苦手な子どもたち」をプリキュアは救えないことになってしまいます。
だからこそ、今回の「スター☆トゥインクルプリキュア」では、決して「一人で頑張ること」も否定しなかったのです。
実際、ライバルのゆみかはまどかと互角の勝負をしました。2人とも一人で頑張りました。最後の最後、極限状態に置かれたときに、「一人で頑張ることの意味」が異なっただけにすぎなかったのです。
決して「友達がいない人は弱い」「友達を作ろう!」というような描写にしなかったこと、そういう優しい描写が多々みられるのも「スター☆トゥインクルプリキュア」の良さだと思います。
いろんな家族像を肯定する世界
今回は「友達」そして「家族」がまどかの最後の力となりました。「スター☆トゥインクルプリキュア」では、例年にも増して多様な家族が登場します。
アニメ雑誌『アニメディア』(学研プラス)では、「スター☆トゥインクルプリキュア」の「家族観」について、東映アニメプロデューサーの柳川あかりさんがこんなことを言っています。
企画当初は「多様性」をテーマにしていたこともあります。今は「多様性がある世界で生きてくためには、“イマジネーション”が必要だ」というところに落ち着いているのですが、当初のテーマであった多様性を家族構成にも活かしたくて、なるべく似通わないようにしました。だから、えれなのお父さんは外国人であり、ひかるのお父さんは年中どこかに行ってしまっていて、なかなか帰ってこない。いろんな家族像を肯定できればと思っています。
――お父さんが外国人というのも、これまであまりいなかったパターンですよね。
宇宙人がいれば、外国人であっても同じ地球人であることが際立つと思いました。
(『アニメディア』(学研プラス) 2019年5月号 P107)
いろいろな家族像を肯定したい。雨宮えれなのお父さんはメキシコ人だけど、異星人キャラがいるので「外国人」はすなわち「地球人」という概念になる、ということのようです。前作「HUGっと!プリキュア」では専業主夫から父親不在の家庭、「アンドロイドとその開発者」までさまざまな「家族の形態」が描かれてきましたが、今作でもさまざまなスタイルの「家族」を描いていくようです。
もちろんプリキュアというアニメーションのメインターゲットは子ども、ひいては「家族」であることから、どんな「家族観」も肯定していくことは当然ではあるのですが、「一様な家族観」に縛られずに生きていくことを、プリキュアを見ている子どもたちとその保護者にあらためて伝えていくことは、本当に真摯(しんし)な姿勢であると思います。
また、同インタビュー記事では「星名ひかる(キュアスター)」が天文台という「学校外のコミュニティー」を持っていることを積極的に描写し、小さな子どもたちに「学校以外にも、世界が広がっている」ことを伝えたかった旨も語られています。プリキュアを見ているような小さな子どもたちは「親が全て」「幼稚園、学校の社会が全て」と視野が狭くなってしまいがちなところを、少しでも「世界は広いこと」「あなたの存在を認めてくれるコミュニティーは1つじゃない」ことをも訴えかけているのです。
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