「知り合いからしか仕事が来ない慣習を変えたい」 ガキ使・激レアさん担当作家が「日本放送作家名鑑」を作ったワケ(2/4 ページ)
――プロの放送作家から見て「この番組はすごいな」「面白いな」と思う番組は何ですか。
深田:めちゃくちゃベタですがTBS系「水曜日のダウンタウン」ですね。最近の新元号が当たるまで帰れないやつもめちゃくちゃ面白かったです。
――「水ダウ」はうちの編集部でもファンが多くて、演出の藤井健太郎さんを取材したこともあるのですが、ぶっ飛び加減が最高ですよね。
深田:「水曜日のダウンタウン」は業界人もみんなが素直に「面白い」と認める番組ですね。そういえばインタビュアーのKikkaさんって欅坂ファンなんですよね……? 僕も欅坂ファンなんですが、テレビ東京系の「ひらがな推し」(現・「日向坂で会いましょう」)は面白いっていう業界人多いですよ。
――はい、朝起きて聞くのは「エキセントリック」、満員電車で聞くのは「不協和音」、夜に息を潜めて灯りをつけずに聞くのは「キミガイナイ」というライトな欅坂ファンです。確かに「がな推し」面白いですよね。
深田:あの番組って、日向坂46のことを知らない人や、好きじゃない人が見ても単純に面白いんですよ。それってテレビ番組としてすごく優秀な番組ということだと思います。もちろん日向坂46のみなさんがタレントとして優秀で頑張り屋さんだということも大きいと思いますが。
そもそも日曜深夜の坂道枠・「乃木坂工事中」(テレビ愛知系)、「欅って、書けない?」(テレビ東京系)、「日向坂で会いましょう」を担当している「ケイマックス」という制作会社は、元をたどると「内村プロデュース」(テレビ朝日系)をやっていた会社なんですよ。先に挙げた3番組は「ツッコミテロップが面白い」とよく言われますが、それは「内P時代のノウハウ」がいきているからだと聞いたことがありますね。
また放送作家だけ見てみても、3番組とも日本でトップを走っている売れっ子たちが担当しているので、面白くならないわけがないと思います。
――ドキュメンタリー番組だとどんな番組に注目されていますか。
深田:フジテレビ系の「ザ・ノンフィクション」ですね。話題になった回はなるべくチェックしているのですが、先日放送されたビッグダディの元妻の美奈子さんが出ていた「新・漂流家族」は面白かったです。
――ご自身が担当された番組で、これはよくできたなという仕事はどんなものでしょうか。
深田:そうですね……(熟考)。「笑ってはいけないシリーズ」(日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」)は1年目からずっと関わらせていただいているのですが、僕の放送作家人生の中で「一番多くの人を笑わせられた」という意味では、俳優の西岡徳馬さんにやっていただいた「なんでだろう」と「乳首ドリル」のネタですかね。有りもののネタのカバーなので、放送作家として「よく思い付いたな」というネタではないのですが……。
――あれ深田さんが考案されたんですか! 放送時、めちゃくちゃ笑いました。
深田:ありがとうございます(笑)。レギュラーの「ガキ使」で「これまでで一番面白かったネタは?」みたいなトークをされていたときに、確か松本さんが「西岡徳馬さんの『なんでだろう』と『乳首ドリル』のネタは今までで一番笑った」くらいのことをおっしゃってくださっていて、それを見たときは僕もうれしかったですね。
あと個人的に気に入っているのは「絶対に笑ってはいけない大脱獄24時」の回で、刑務所にいる母親に子どもが面会しに来るという場面でやったネタ。「お父さんが亡くなった」という話題が出た際に、お父さんの手紙を読み上げるというシーンで、徐々にオーバーラップして父役の元プロレスラー・天龍源一郎さんの声が入ってくる……っていうのは、面白かったかなと思います。天龍さんの“何言ってるか分からない笑い”はそれまでもあったんですが、ドラマでよく見る演出を「笑ってはいけない」に持ってきたのは良かったんじゃないかなと。
――鉄板な天龍さんと斬新な演出が絶妙な笑いを引き出していましたよね。
深田:他には、「笑ってはいけない」シリーズの中で、昼食のランクを決めるために即興替え歌を歌うというゲームをやっていたのですが、あれの元になっているのは「絶対に笑ってはいけない熱血教師24時」の「五・七・五 ちょっと工夫でこの上手さ! お料理即答褒め川柳」という企画なんです。これは「親子丼!」と言われたら、「5・7・5で親子丼を褒める」といったゲーム(※)なのですが、スタッフ間でやっても結構面白くて。高須さんにも「あれは結構良い企画だった」とほめてもらえたり、自分の中でも印象に残っています。
(※)「ステーキ」に対して月亭方正さんが「分厚くて・肉汁たっぷり・おいしいよ」。「月見うどん」に対して松本さんが「僕好きよ・月見があるから・僕好きよ」などの回答。筆者のオススメは「ひつまぶし」に対してココリコ・田中直樹さんが答えた「うなぎの雰囲気・たっぷりまぜて・三度飯」。
ゼロイチから始まる放送作家のお仕事
――ドラマだと“脚本家”、バラエティー番組だと“構成作家”。呼び方が違うようにお仕事の内容も全然違うんでしょうか。
深田:ドラマのことはあまり分からないですが、バラエティー番組作りの流れとしては、定例会議(全体会議)で今後やる企画を決めて、その企画の担当が振り分けられます。そして担当になったディレクターと構成作家が「分科会」という小会議をやって企画のベースの構成を考えます。それを番組の定例会議に提出して、総合演出の人を中心に全員でどうすれば面白くなるのかを考えていき、新たに出た課題をまた分科会で話し合うという繰り返しです。もちろん、番組によってやり方は異なりますが。
――1つのネタにはトータルでどれぐらいの時間をかけますか。
深田:企画にもよりますが、企画構想から台本にするまでは、1ネタ2〜4週間くらいかけて作っていますかね。定例会議に3回から4回出して、修正しながら収録を迎えるという感じですね。
――放送作家の方って、営業はどうされるんでしょうか。
深田:放送作家は普段、テレビ番組での企画・台本作りとは別に、テレビ局員のディレクターや制作会社の人と一緒に番組企画書を作っています。これは番組作りにおける本当のゼロイチの部分なので100案出して1案通るかどうかという感じですし、ギャラは0円です。しかしこれをやっておくことで、そこで企画が通らなくても企画打ちをしたディレクターが別の機会に使ってくれることもあるので、重要な仕事だと思います。なので結果的にこの「企画打ち」がいわゆる“営業”なのかもしれません。
――面白いですね。これ以外にも番組の参加ルートはあるのでしょうか。
深田:番組の立ち上がり時にディレクターやプロデューサーが「この番組ならあの人が向いている」といった感じで知り合いを入れることが多いので、このタイミングで呼ばれることもありますし、コアメンバー(局員のディレクターやプロデューサー)が選んだ制作会社のディレクターから呼んでもらえることもあります。あとは番組に入った放送作家から「この人も向いているはずです」と紹介してもらえる場合もありますね。ただ全てに共通するのは知り合いから呼ばれるということです。
――新人さんの場合ってそういう知り合いもいないですよね。その場合はどうなるんでしょう。
深田:本当にそこをまずどうするかなんですよね。一回番組に入っちゃえば次からのつながりができるんですが、まず関わりができなければ“呼ばれようがない”んです。それに例えば僕の場合は大阪体育大学に通っていたので、スポーツが得意で、「スポーツバラエティーを担当したい」とずっと思っているんですが、知り合ったことのないディレクターはそれを知らないわけです。放送作家もタレントさんみたいに、知らない人からも番組に呼ばれる状況を作れたらいいなと思ったのも「日本放送作家名鑑」をやろうと思った理由の1つですね。
「日本放送作家名鑑」を作った理由
――「日本放送作家名鑑」のアイデアにはクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で多くの支援が集まりました。具体的にはどんなサイトになるのでしょうか。
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