度肝を抜かれた2本立て「ストロベリーナイト・サーガ」9話 二階堂ふみ×亀梨和也W主演は原作以上にプラトニック?(1/2 ページ)
斬新な構成は「サザエさん」オマージュ?
二階堂ふみ主演 「ストロベリーナイト・サーガ」 (フジテレビ系列・木曜よる10時〜 )の第9話はなんと二本立て。原作の誉田哲也がTwitterでサザエさんネタ(「さぁーて、来週の玲子さんは?」)を呟いていたのはこの「2本立て」演出をほのめかしていたのかしらん。
前半は第7〜8話(7話レビュー、8話レビュー)で描いてきた「インビジブルレイン」の「終章」にあたる部分(姫川玲子シリーズ4作目)。後半は「アンダーカヴァー」(原作は姫川玲子シリーズ7作目『インデックス』収録の同名短編)。玲子が牧田の死を乗り越え、姫川班の解体を乗り越え、刑事・姫川玲子の姿にもどるまでが描かれた。
姫川班解体
自分は柳井にとって大切な存在ではなかったのではないか。自分を残して死んでしまった柳井の恋人、内田貴代(永瀬莉子)が玲子に言う。玲子は静かに、だが力強く否定した。柳井が音声データを残した理由は、川上から貴代を守るためだった、「あなたの愛情はちゃんと柳井さんに届いていたんです」と励ます。
寂しそうな柳井を見て「いっしょな人、見つけた」とシンパシーを感じていた貴代。玲子と牧田が惹かれ合った理由も「同じ匂い」を感じたからだ。自分に似たものを感じて惹かれた人が、自分を守るために死んでしまった、という点で貴代と玲子は似ている。柳井の死を悲しむ貴代を抱き寄せた玲子の目にも涙が浮かぶ。
事件の真相は牧田の舎弟だった川上の供述で明らかになった。長岡刑事部長(小市慢太郎)は9年前の冤罪を隠し通そうとするが、ベテラン刑事の和田捜査一課長(羽場裕一)はその命令に背き、記者会見で全て公表する。隠蔽を良しとする刑事部長と刺し違える覚悟。「ああいうのをのさばらせちゃ世のためにならない。警察組織にとってもね」という和田の言葉がかっこいい。警察の正義が守られたシーンだった。玲子をレイプ被害から救い、立ち直らせた「警察」という組織。警察には和田のような信頼できる人間がいる。よかった……。
和田は刑事部幹部だけでこの事件の責任をかぶるつもりだったが、残念ながら玲子たちも無事には済まなかった。姫川班全員に異動命令が下る。玲子は池袋東警察署、保は愛宕西警察署、菊田は千住中央警察署、康平は亀有北警察署(あ、井岡がいる所だ)、葉山は上北沢警察署。菊田が姫川班に配属されてから半年での解体(原作だと2年)。
W主演ということでドラマオリジナルの恋愛シーンがあるのかなぁと開始前に勝手な予想していたのだが、原作に忠実に、原作以上にプラトニックな関係のまま、玲子と菊田は離れることになる。
「殉職した大塚のノートを握りしめてる主任を見たとき、俺は決めたんです。この人を支えようって。今も同じ気持ちです。これからも俺は」「菊田」「牧田のことなら……」
「違うの。これは私自身の問題だから」
「どういうことですか。牧田にあって俺にないものって何ですか」
「菊田にはわからないと思う」
牧田にあって、菊田にないものってなんだ。「同じ匂い」「人を殺したいと思ったこと」だろうか。以前玲子が菊田に言った「菊田は知らない、私の怖いとこ」か。
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