悲劇「ストロベリーナイト・サーガ」8話 二階堂ふみ(刑事)と山本耕史(容疑者)の残酷な「ロミオとジュリエット」(1/2 ページ)
泣き出しそうな亀梨和也の表情に胸がぎゅっとなる。
「極桜会の会長だと知らずに会っていたんですよね。もう、会いませんよね」
菊田(亀梨和也)に玲子は「情報提供者として会っていただけ」と答える。少しふてくされているようにも見えるし、泣き出しそうにも見える菊田の表情に胸がぎゅっとなる。
二階堂ふみ主演 「ストロベリーナイト・サーガ」 (フジテレビ系列・木曜よる10時〜 )。第7〜8話の原作は誉田哲也の小説『インビジブルレイン』(姫川玲子シリーズ4作目)。
「同じ匂い」で惹かれ合う玲子と牧田
小説ではふたりで飲みに行ったり(ただしチェーン店居酒屋、『ストロベリーナイト』文庫P.57)突然玲子からアプローチがあったり(『ソウルケイジ』文庫P.170)と恋愛っぽいシーンもある玲子と菊田だが、ドラマの菊田は小説以上に不器用。玲子への気持ちはひたすら秘めている。けなげというか不びんというか……。
玲子は「極桜会の会長・牧田」から柳井の情報を聞き出すため、再び牧田を呼び出す。牧田の犯行歴についても調査済みだ。
「俺はそういう男だ。幻滅したか。あんたに会ったのも捜査状況を聞き出すためだ。でもそれだけじゃない。同じ匂いがするってわかるか。あんた、人を殺したいと思ったことがあるだろう」
牧田は家族を亡くした復讐のために暴力団組員を刺し殺した過去があった。玲子も、高校時代に自分を犯したレイプ犯を殺したいほど憎んでいる。原作の玲子のせりふを引用すると「私は……あなたの殺意を認めはしないけれど、でも、理解はできると思いました」。ドラマ第4話で「(辛い過去に対し)だけど私は勝った。乗り越えて刑事になった。刑事になったからこそ私は生きていけるの」と話していた玲子。憎しみや殺意を乗り越えたという意味も含まれていたのかも。殺意は認めないとしながら、玲子はこれまでも何人かの犯人に対して理解を示している(第1話の連続殺人犯・エフこと深沢由香里には「同じよ、私もあなたと同じだから」と声をかけている)。
1話のラストでガンテツが玲子に「ホシと似た思考回路を持っている」「お前は危険だ」と言っている。これは今回の伏線だったのか。シンパシーを感じたふたりはお互いの立場を知りながら気持ちを抑えられない。車中でのラブシーン、牧田の「あんたが欲しい」の声、そして牧田の首に絡む玲子の手がとんでもなく色っぽかった(俗に言う「着衣の方がエロい」ってこういうこと?)。
まるでロミオとジュリエット
警察上層部から「柳井健斗について追求するな」という命令があったため玲子は単独捜査、姫川班メンバーはそれがばれないように動いてきた。しかし柳井健斗が首吊りの状態で発見されたことで状況が変わる。
「このままじゃ天国の大塚に怒られるんじゃないかって」「自分たちは姫川班なんですから」という菊田の言葉をきっかけに姫川班も積極的に捜査を開始し、小林を殺害したのは牧田だという答えにたどり着く。小説と違う設定だがここのシーンがチームプレイになったのはうれしかった。
再び玲子は牧田を呼び出す。何を聞いてもしらを切る(ように見える)牧田。
「違う。信じてくれ。俺は」
「信じたい。信じたい。でも無理でしょ。全部、あなたに都合が良すぎるもの。信じてたのに」
「なにもかも嘘だと思うのか。俺たちのことも」
そこへ突然、刃物を持った舎弟の川上(田邊和也)が現れる。玲子に向けられた殺意。とっさに牧田は玲子の盾となり、そして倒れ込んだ。
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