中学教員「残業100時間超は当たり前。“残業代”は1〜2万円」 現役教師が語る「ブラック職場としての学校」(2/3 ページ)
残業100時間以上でも、もらえるお金は1〜2万円
―― 残業代出たら、すごい金額になりそう。
そうね。でも、教員は給特法(※)で「4%分給料を増やす代わりに残業代ナシ」ということになってる。若手の給料は20〜25万円だから、1〜2万円くらいプラスされるだけ。
ブラックでしょ(笑)。
※給特法:「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」の略称
―― ……正直、働く側としては割に合ってないよね。
でも、普通に残業代を払うと、財政が大変なことになっちゃう。学校は、1人の教員が2〜3人分の仕事をすることで何とか成り立ってると思う。「子どもが好きだから」って気持ちだけでやっていける職場ではないよ。もはや忍耐力の問題。
教員なりたてのころ、部活が終わって18時半に帰ろうとしたら、先輩教員から引き止められたことがあってさ。「周りを見て。他の先生、皆残ってるでしょ。1年目の君がもう帰るの?」って真顔で言われて。
この世界だと、こういう感覚が当たり前なんだよ。他校の教員にグチってみても「うちの学校も同じです」って言われるだけ。
―― 教員として働く人たちは、長時間労働に納得してるの?
今でも2〜3割の教員は「長時間労働は美徳」「遅くまで残っている人ほど仕事ができる」と本気で思っているかもしれないけど、ここ5年くらいでずいぶん変わってきたよ。管理職も「早く帰りましょう」と言うようになった。「だったら、残業しなくていい仕事量にしてよ」って思うけどさ。
世間には「公務員のくせに甘えるな」って言う人もいるけど、「甘い仕事だと思うなら、あなたが教員をやればいい。俺の代わりに毎日朝6時半に学校に来てくれ」って言い返したい。きっと教員の労働環境を知らないんだろうな、って思ってる。俺は大学出てすぐ教員になったから民間のことはよく知らないんだけど、周囲の話を聞く限り、こんなに時間外労働してる人いないんだよね。
―― 民間でもゼロではないんだろうけど、残業規制が進んでるって聞くからなあ……。
(続く)
※本企画は、1人の現役教員の声をそのまま記事化したものです。実際の労働環境は自治体、学校などによって異なる可能性があります。
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