「これでシリーズが終わってもハッピーだと思っている」 「トイ・ストーリー4」の監督が公開前に語ったウッディの成長の“完結”

今回は非常にエモーショナルな結末を用意しています(クーリー監督)。

» 2019年07月05日 12時00分 公開
[大原絵理香ねとらぼ]

 7月12日から全国ロードショーが始まる「トイ・ストーリー4」では、おもちゃたちの持ち主がアンディからボニーへ変わった前作「トイ・ストーリー3」のその後が描かれる。

 「おもちゃにとって大切なのは、子どものそばにいること」。新たな持ち主ボニーを見守るウッディやバズたちの前に現れたのは、彼女の一番のお気に入りで手作りおもちゃのフォーキー。しかし、本来は使い捨てフォーク(ごみ)として捨てられる運命にあるフォーキーは、おもちゃとして生きることから逃げ出してしまう。ボニーのためにフォーキーを連れ戻そうとするウッディを待ち受けていたのは、1度も愛されたことのないおもちゃや、かつての仲間ボー・ピープとの運命的な出会い、そしてスリルあふれる遊園地での壮大な冒険だった。見たことのない新しい世界で、最後にウッディが選んだ“驚くべき決断”とは……?

トイ・ストーリー4 ジョシュ・クーリー ウッディ 新たな持ち主・ボニーのお気に入りのおもちゃ、フォーキーが登場 (C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 今回は、監督であるジョシュ・クーリーへインタビューを実施。「これでシリーズが終わってもハッピーだと思っているし、そうなるようにウッディの成長も一度ちゃんと完結できたと感じている」と言い切った同シリーズの“ある種ひとつの完結”である「トイ・ストーリー4」について語ってもらった。

トイ・ストーリー4 ジョシュ・クーリー ウッディ 監督のジョシュ・クーリー

――昨今、多くの映画、もちろんディズニー作品でも女性が強く描かれることが増えました。今回も、ボーが今までのかわいらしい女の子から一転、ヒーローのように描かれていましたが、そこまで彼女に変化を与えた理由はどうしてですか。

ジョシュ・クーリー監督(以下、クーリー監督): ピクサーはもちろんのこと、映画は常に時代を反映しているものですが、「トイ・ストーリー4」について言うと、作り始めたのは5年前で、時流に合わせてボーを強く描こうと思ったわけではありません。もともと、ピクサー映画では「メリダとおそろしの森」(2012年公開)のメリダや「インサイド・ヘッド」(2015年公開)のJoy(ヨロコビ)もそうであるように、特に女性キャラクターが強く描かれることが多いのです。

 また、ボーは急に強くなったわけではありません。僕も今回、彼女を描くに当たってシリーズをさかのぼって見ましたが、あまり前に出る存在ではないけれど、ウッディが迷ってしまったときなど大切なタイミングでアドバイザーとして存在感もあったし、真の強さもありました

 とはいえ、大きく感じられた彼女の変化は、彼女が長い間持ち主のいない“サバイバー”であり、その中で身に付けた強さや賢さのおかげだと思います。

トイ・ストーリー4 ジョシュ・クーリー ウッディ たくましくなった姿で再登場を果たすボー (C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

――おもちゃはずっと“持ち主の子どもたち次第”だった人生でした。しかし今回、自分の幸せを自分で決める生き方を知ったウッディを始め、多くのおもちゃたちがその考え方から変化をみせています。こうした変化はシリーズの中でも強調されているように感じますが、このテーマを据えたのはなぜですか?

クーリー監督 確かに、今作ではこれまでのシリーズ以上にウッディに対して大きな変化を与えました。彼は「おもちゃは子どもたちのためにある」と言い続けてきましたが、持ち主が彼を必要としなくなってしまった場合、どうするのか、彼の変化への挑戦を描きたかった。そうした彼の変化が他のおもちゃたち……例えばギャビー・ギャビーなどに影響を与えていくんです。

トイ・ストーリー4 ジョシュ・クーリー ウッディ 初期不良のため1度も子どもから愛されたことがないギャビー・ギャビー(中央)。いつか愛されたいと望んでいる (C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

――別の場で監督は「終わりがあれば始まりがある」とおっしゃっていました。「トイ・ストーリー4」を終わりとするなら、このシリーズにはどんな新たな始まりがあると思いますか。それはつまり、「トイ・ストーリー5」の構想につながるのでしょうか。

クーリー監督 「トイ・ストーリー」シリーズはいつも「新しい約束」で終わっています。ただ、今回に限って言えば、僕としてはこれで完全に終わったとしてもハッピーで、そうなるようにウッディの成長も一度ちゃんと完結していると思っています。

 もちろん、「トイ・ストーリー5」が絶対にないとは言えませんし、よいアイデアがあれば作るかもしれないですが、現在は何のプランもなく、あるとしてもだいぶ先になると思います。ただ、「Disney+」という配信サービスで短編は製作中です。スピンオフ作品でまたウッディをはじめとするおもちゃたちに会ってもらえるでしょう。

トイ・ストーリー4 ジョシュ・クーリー ウッディ 「僕としてはこれで完全に終わったとしてもハッピーだと思っている」

――今作でもボニーがフォークから作った手作りのフォーキーをはじめとしたファニーでキュートな新キャラクターが出てきました。監督が一番お気に入りのキャラクターは?

クーリー監督 フォーキーは今までにいないキャラクターなので、見ていて楽しいし、飽きないですね。でも、僕としてはダッキー&バニーが大好きです。彼らはいつでもゲームの商品として飾られていて、絶対に子どもたちの元へ行くことができない。僕はそこに面白みを感じていて愛着があります。

トイ・ストーリー4 ジョシュ・クーリー ウッディ 監督のお気に入りはダッキー&バニー (C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

――ありがとうございました。最後に、「トイ・ストーリー4」を楽しみにしている日本のファンに一言お願いします。

クーリー監督 僕たちは、大きな愛を込めてこの「トイ・ストーリー4」を作り上げました。「トイ・ストーリー」はピクサーが特に大切にしているシリーズのひとつですが、今回もこれまでのウッディたちの冒険を本当によい形で続けられたと思っています。

 過去3作で描いてきたおもちゃ同士の友情や子どもたちとの絆、愛情があると思いますが、今回は非常にエモーショナルな結末を用意しているので、楽しみにしていただきたいです。

トイ・ストーリー4 ジョシュ・クーリー ウッディ 7月12日(金)から全国ロードショー (C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

動画が取得できませんでした
「トイ・ストーリー4」日本版予告

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2505/15/news169.jpg 「よく企画通せたなぁ(笑)」 ローソンの“ニッチすぎる”コンビニスイーツが話題 「ほとんどの人が知らないでしょw」「なぜwww」
  2. /nl/articles/2505/19/news170.jpg “バンド解散から3カ月後”ベーシストが死去 メンバーは「毎日毎日涙が止まらない」と吐露 親族は「そっと見送って」とコメント
  3. /nl/articles/2505/17/news021.jpg 50年間放置して“ジャングル化”したおばあちゃんの家 → 掃除したら…… “木の中から現れたもの”が170万再生 「予想を超えた」「ブラボー」【海外】
  4. /nl/articles/2505/19/news026.jpg 築50年、薄暗かった実家の玄関→4年かけてDIYしたら……「これがあの家…?」 様変わりした空間に反響
  5. /nl/articles/2505/18/news056.jpg 昼休みにペットカメラで留守番中の猫をのぞいたら……「猛烈に帰りたくなった」 凄まじい破壊力の猫に「これは寄り道なんて無理」
  6. /nl/articles/2505/19/news109.jpg マクドナルド、ハッピーセットの「早期終了」を発表 横行する転売――モラルのない行動に第2弾販売への不安広まる
  7. /nl/articles/2505/20/news041.jpg 妻に叱られ反省中の夫、すると隣にいた猫まで…… 「なんで?」まさかの表情に「腹抱えて笑った」と510万再生
  8. /nl/articles/2505/19/news015.jpg 絵が得意な妹が描いたシュールなイラスト→「見覚えあるなぁおもったら」…… まさかの正体に「フフフってなっちゃいました」
  9. /nl/articles/2505/19/news013.jpg 動物病院を頑張った13歳柴犬、飼い主が迎えに行くと…… 姿を見た瞬間「パァっ」と笑顔になる姿が324万再生突破 現在どうしてるか飼い主に聞いた
  10. /nl/articles/2505/18/news010.jpg 日本人のママと米国人のパパが国際結婚→生まれた子どもは…… 290万再生の“まさかの現在”に「びっくりしました」「心温まる」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. マクドナルド、ハッピーセットの「早期終了」を発表 横行する転売――モラルのない行動に第2弾販売への不安広まる
  2. 小5のときに描いた絵→4年後…… 「ねぇ何があったん?」「鳥肌立った」中3になって描いた絵が160万再生
  3. 50年間放置して“ジャングル化”したおばあちゃんの家 → 掃除したら…… “木の中から現れたもの”が170万再生 「予想を超えた」「ブラボー」【海外】
  4. “1K8.5畳”の新居を一人暮らし男子が模様替え→1年後…… 「もうホテルやん笑」生まれ変わった空間に驚き「こんな部屋に住みたい」
  5. 「娘の目が大きいのは赤ちゃんだから」と思っていたママ、成長すると…… 驚きの姿に「ディズニープリンセスだ」【海外】
  6. ショウガを土に埋めて水やりすると……「すごすぎる!!」 想像もつかなかった、とんでもない状態に37万再生
  7. ボランティアで庭を掃除していたら…… 物置から見つかった“ヤバいもの”で警察沙汰に 「通報して正解」「絶対に触らないで」【海外】
  8. 皇后さま、全身「真っ白な衣装」に18万いいね
  9. 日本人のママと米国人のパパが国際結婚→生まれた子どもは…… 290万再生の“まさかの現在”に「びっくりしました」「心温まる」【海外】
  10. 「子供泣くぞこれ」 トーマスの塗り絵、描き始めて2秒で…… “予想を超えた変貌ぶり”に反響「夢に出てきそう……」「ヒィィ…!!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  2. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  3. 49歳病没の大宮エリーさん、生前開催の個展で「体調も万全でなかったので不安」 3カ月前には苦しげな姿も「声が出にくい」
  4. 自販機に“1000円”を入れたら……? 出てきた“とんでもないお釣り”にお口あんぐり「こんなん初めて見た」
  5. 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  6. 100万円の“錦鯉”を自宅の池に入れたら…… 「おかしいでしょ」3日後、まさかの事態に「鯉は難しい…」「信用が大切ですね」
  7. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  8. 「成長したらそのうち襲ってくる」と言われたワニ、16年後……→ 280万回再生を突破した驚きの姿に「初めて見た」の声
  9. 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  10. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」