「数え年」はいつ使うのか?
数え年の数え方。
皆さんは年齢を尋ねられたとき、どう答えますか? ほとんどの人は迷わず「満年齢」を答えるかと思います。
しかし、高齢の方の中には「数え年」で答える方もいらっしゃるはずです。
数え年とは、生まれた年を1歳とし、以降年が変わる(元日になる)たびに1ずつ加えていくもの。名前くらいは聞いたことがあっても、何のために存在しているのか、正直よく分からないという人も多いのでは?
厄年は数え年で計算する
数え年を最も身近に感じられるのは、おそらく「厄年」の計算のときでしょう。
最も重いとされる「大厄」(男性42歳・女性33歳)を迎える人は、何となく不安な気持ちを抱えているかもしれませんね。
2020年の場合、大厄に当たるのは1979年生まれの男性と1988年生まれの女性。そう、単純に満年齢で計算すると1年のずれが生まれてしまいます。
誰の歳を数えるのにも便利だった
日本で古来より普及していたのは、満年齢ではなく数え年でした。諸説ありますが、最大の要因は太陰太陽暦(旧暦)が採用されていたことだと考えられます。
月の満ち欠けをベースにした太陰太陽暦では、約3年に1度(※)という不規則な周期で「うるう月」が設けられます。つまり、うるう月に生まれた人にとっては誕生日が存在しない年も出てくるわけです。満年齢を計算しようにも、これではどうしようもありません。
※8年に3度、19年に7度などさまざまな方式で設けられた
「毎年1ずつ年齢が増えていく方が分かりやすい」という事情から、かつては数え年が広く浸透していたのです。
七五三などの伝統行事も、本来は数え年にしたがってとり行うものでした。現在は満年齢、数え年のどちらでも問題ないとされています。
人が亡くなって2年目の法要を「三回忌」というのも、数え年に由来しています。
「早生まれ」の謎も数え年で解決
「早生まれ」という言葉。1月1日から4月1日までに生まれた人を指します。
「早」生まれといいながら、同じ学年の中では誕生日が遅い方じゃないか! と疑問に思っていた方も多いはず。
ここにも、数え年の考え方が反映されています。小学校入学の時点で、4月1日より誕生日が早い人は数えで7歳。それ以降の人は8歳です。
「みんなが8歳になってから入学する中で、1歳早く入学する」という意味合いから「早生まれ」という呼称が生まれたと言われています。
おわりに
日本で数え年が普及したのは第二次大戦後だといわれています。太陰太陽暦から現行の太陽暦(グレゴリオ暦)への移行は明治維新の際に行われましたが、それ以降も慣習的に数え年が使用されていた、というのが実情のようです。
太古の遺産のようにも感じる「数え年」が、20世紀半ばまでごく普通に使われていたという事実は少々意外にも思えます。あなたの身近なところにも、その名残が潜んでいるかもしれませんよ。
参考文献
『日本大百科全書(ニッポニカ)』
関連記事
- 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
ニュースなどでよく見る表現も、意外と分からん……。 - 「稟議=りんぎ」「洗浄=せんじょう」ではない? 現代人には分からない“漢字の本来の読み方”
学校のテストで書いたら、逆に減点されそう。 - 「40−32÷2=?」この問題、解けますか?
理系にはすぐ解けて、文系には解けない、とんち問答のような問題がネットで話題に。 - 「大人」の読みは「おとな」じゃなかった! 「大人500円 小人200円」の読み方は?【漫画版】
「小人」も読めない。 - 「ピノはイタリア語で○○○」「ダースは“12個だから”ではない」 お菓子やジュースのネーミング、意外な由来を調べてみた
「じゃがりこ」の由来の「りかこさん」って誰だよ……
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
-
「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
-
海で“謎の白い漂流物”を発見、すくいあげてみると…… 2億1000万再生された結末に「本当によかった」「ありがとう」【チュニジア】
-
スーパーで売っていた半額のひん死カニを水槽に入れて半年後…… 愛情を感じる結末に「不覚にも泣いてしまいました」
-
難問の積分計算をホワイトボードに書き置きしておいたら……? 理系大学での出来事に「かっこいい」「数字でつながる感じいいな」の声 投稿者にその後を聞いた
-
「うおおおおお懐かしい!!」 ハードオフに3300円で売っていた“驚きの商品”が140万表示 「ガチのレアモンや……」
-
夫妻が41年ぶりに東京ディズニーランドへ→“同じ場所”での写真撮影時に「キャストの粋なサポート」明かす
-
「大企業の本気を見た」 明治のアイスにSNSで“改善点”指摘→8カ月後まさかの展開に “神対応”の理由を聞いた
-
カマキリを操る寄生虫「ハリガネムシ」食べてみた 未知すぎる“衝撃的な内容”に震撼 「正気を疑う」「鳥肌立ったわ」
-
ミスドのディグダを買おうとしたら…… とんでもなく疲れていそうな見た目に「悲壮感がすごい」「朝帰りのディグダ」と46万いいね
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた