欅坂46・平手友梨奈とTAKAHIROが福島県の学生と「100人のサイレントマジョリティー」を完成させるまで 5時間密着、1万字レポート(5/5 ページ)

» 2019年08月03日 11時46分 公開
[Kikkaねとらぼ]
前のページへ 1|2|3|4|5       

授業を終えた先生2人から生徒のみんなへ向けたメッセージ

TAKAHIROさん

 今日は自分はすごくとても楽しみにして来ました。自分ももともと前でグイグイやるのが苦手で、ニューヨークにダンスをしに行ったんですけれども、いつも端っこの方でダンスをしているような子でした。体を動かすのもちょっと苦手で、家でラジオを聞いているような静かな子でした。でも人って可能性ってどこにあるか分からなくて、人が「君ってそういうタイプじゃないよね。それって無理だよ」って言っても、案外あっためて自分の種に水をあげると、その種こそ花を開く可能性があるかもしれません。


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち 生徒と積極的にコミュニケーションを取っていたTAKAHIRO先生。一部の生徒は名前も覚えていたもよう

 まず可能性があるかどうか、自分で水をあげてみると良いと思います。でももし本当に迷ったら、タイプの違う3人の人に相談しましょう。先生だったり、友達だったり、親戚だったり、種類の違う3人の人。(相談して)その3人の答えがバラバラだったら、自分の心を信じて良いと思います。でも3人とも同じように「やめたら」と言ったら、そのときはもう一度考えると良いかもしれません。

 これから先、皆さんがどんなクリエイター、どんな人になるのか分かりませんが、自分がもう少しダンスを続けていて、また成長したみんなに会えたら良いなと思います。今日は一日ありがとう。お疲れさまでした。


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち

平手友梨奈さん

 私も今日1日貴重な体験をさせていただいたなという日でした。100人の「サイレントマジョリティー」はすごかったですし、ずっとずっとみなさんのことを応援しています。今日は本当にありがとうございました。


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち


 ワークショップの最後は欅坂46流のあいさつということで、正座からの深いお辞儀で約半日に及ぶダンスレッスンは幕を下ろしました。またワークショップ後には各講師が囲み取材に応じ、ねとらぼ編集部も質問の機会を得ました。

囲み取材の様子

――TAKAHIROさんからみると、平手さんはある意味「教え子」だと思うのですが、TAKAHIROさんが平手さんに教えたことで、「これはずっと忘れないでほしいな」というものがあれば教えてください。

TAKAHIROよく寝て、よく食べて、よく遊ぶこと、です。

平手(照れ笑い)。

――ありがとうございます。平手さんは今日生徒さんに伝えたかったことはなんでしたか。

平手(芸能界に入ったことで)普通の人生で出会えなかっただろうなという人と出会えたのはすごくうれしいことなので、そのことは伝えました。

――ありがとうございます。


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち 疲れている中、笑顔で質疑応答に応じてくださった平手さんとTAKAHIROさん

平手友梨奈さん、TAKAHIROさん質疑応答編 

約半日の授業を取材して

 夏の青い空がすぐそこにあるような8月1日の福島県双葉郡。むせかえるような体育館には、数えきれない希望と情熱が集まっていました。

 すれ違う生徒の多くが「こんにちは!」と元気にあいさつしてくれる校内で撮影の準備をしていると、講師として廊下で待機していた制服姿の女の子が偶然こちらを向きました。各界の第一線で活躍する講師陣に囲まれ、恐らく人生初の「講師」という大役に胸を躍らせつつも緊張しているような雰囲気の彼女は、目が合った一瞬、「こんにちは」とほほ笑みながらあいさつをしてくれました。

 ともに取材していた記者が彼女について「面識があるとかないとかではなく、きっと自然にあいさつができる子なんだね。一生懸命な姿がいじらしくてファンになってしまう」と語る通り、同世代から「てちー」と声かけられると、照れながらも相手の目を見て「ありがとうございます」と返すなど、本当に誰に対しても礼儀正しいのだろうという様子が取材を通して随所から伝わってきました。


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち 「てち〜」と声をかけられる平手さん

双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち 照れながらもお礼をちゃんと言っていた

 また授業では、アイドルグループの中でもっとも難しいといわれる欅坂46のダンスに挑戦するとあり、始めの方には生徒に若干「難しい」「踊れない」という空気もありました。しかし言葉は少なくてもひたすら正しいフォームで踊り続けようとする姿、生徒たちが踊る様子を真剣に見つめる姿、全員に見えやすいようにといろいろな角度でポーズを見せる彼女の姿に会場の雰囲気が変わっていきました。「一生懸命やればできるかもしれない」。会場の誰もが“努力すること”を信じられたような瞬間が、確かに何度かあったと感じました。


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち 「平手さんがかわいかったです。大サビの肘を曲げるダンスはタイミング難しかったけれど、すごく楽しかった!」とキラキラした笑顔を見せてくれた4人

 平手さんは今回、黒い羊のキャンペーン衣装。TAKAHIRO先生はトレードマークでもある長袖の黒衣でしたが、体育館にはクーラー設備がなく、本当に暑かっただろうと思います。しかし2人ともつらそうな様子は一切見せず、目立たないように汗をぬぐっている様子にプロの力を見た気がしました。

 また若さゆえにTAKAHIROさんから「休憩しましょうか?」と聞かれても突っ走ろうとする生徒たちを、平手さんがTAKAHIROさんにアドバイスする形できちんと休憩させていたところも非常に気遣いを感じた他、生徒たちケガをしないようにという配慮が小さく積み重ねられていた点も素晴らしかったと思います。


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち 授業中は講師2人で相談して進めている姿が印象的だった

 そうした2人の熱意が伝わったのか、休憩時間中、早めに休憩を切り上げて設置された鏡の前でダンスの振りやフォームを確認する生徒、複数人で集まって移動の流れを確認している生徒など自主練に励む人が多く、本番ではその日1番の、最高の出来の「サイレントマジョリティー」を見せてもらうことができました。心が震える瞬間を、人生が変わる夏を、100人の生徒たちを迎えられたと思いました。


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち 熱心に練習していた高校生の男子は「欅坂46の大ファンなんですが、部活をやっている関係でほとんどライブとかには行けなくて。今回こんなすごい機会に参加できて幸せです」と白い歯を輝かせていました

 このすばらしい作品が完成した背景には、これまでTAKAHIRO先生が積み重ねてきた努力と経験と才能、欅坂46がMVやテレビやライブを通じて私たちに伝えてくれるメッセージ、楽曲の力、歌詞の力など、数えきれないほどたくさんの人の支えがあることと思います。

 そんな人の支え・力を必要とする地域が、福島にはまだまだあります。その一方でそうした思いや、今回のような素晴らしい授業・交流会が行われていることは全国的に広く知られていないようにも感じられます。

 今回、幅広い募集で総勢280人もの学生がこのイベントに参加できましたが、残念ながら抽選で外れてしまった生徒もいると聞いています。ですから、私は今自分ができることとして、この授業をなるべく詳しく伝え、その生徒たちにも届いてほしいと考えています。

 また重ねてにはなりますが、きっかけは欅坂46でもどんなことでも構わないので、福島県で「FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL」という取り組みが行われていること、講師の皆さんが努力を惜しまず素晴らしい授業を行っていたこと、福島県をはじめ、被災地の皆さんがまだまだ支援を必要としていることを少しでも多くの方に伝えたいと思っています。

 最後に、D組でダンスを習った皆さんへ。とても暑い日の授業でしたが、体調は大丈夫でしたか。私ほとんど全ての授業時間、皆さんのことを見ていましたが、一生懸命踊ろうと努力する姿、本当にかっこ良かったです。ほとばしる汗に、未来への希望を感じました。平手先生とTAKAHIRO先生に学んだこと、授業を通して感じたこと、この夏みんなで踊ったこと、ずっとずっと忘れないでください。皆さんのこれからを微力ながら応援しています。また会ってください……!


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち ファンだという男の子の希望で欅ポーズで1枚。ちなみに自動で付けたファイル番号が偶然「46」になっているこの画像。なんという欅のキセキ

2019年8月20日画像追加


双葉郡 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL 平手 平手友梨奈 てち TOKYO FM系のラジオ「SCHOOL OF LOCK!」8月20日放送分にて取り上げていただきました集合写真。「てち大好きサッカー少年くん」がサイマジョポーズをバッチリ決めている画像を発見したので追加しておきます。ごめんね クリスマス! なぜこうなったかというと、急にサイマジョポーズをやることになったので、後方の生徒さんがポーズが分からない状態になっており、学校のオフィシャルカメラに皆さんの勇姿がバッチリ残るよう、記者が自分のカメラを置いてポーズの指導に入っていました(カメラマン失格!)。指導しながら撮った1枚に彼もポーズしている物があったので追加しておきます。以上、「ロックのスペルはLOCK!」よろしくお願いします!

(Kikka)

前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/16/news007.jpg まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  2. /nl/articles/2411/16/news013.jpg 自宅のウッドデッキに住み着いた野良の子猫→小屋&トイレをプレゼントしたら…… ほほ笑ましい光景に「やさしい世界」「泣きそう」の声
  3. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. /nl/articles/2411/17/news066.jpg 「ヤバすぎwwww」 ハードオフに1万8700円で売っていた“衝撃の商品”が690万表示 「とんでもねぇもん見つけた」
  5. /nl/articles/2411/16/news014.jpg 330円で買ったジャンクのファミコンをよく見ると……!? まさかのレアものにゲームファン興奮「押すと戻らないやつだ」
  6. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  7. /nl/articles/2411/11/news056.jpg 大量のハギレを正方形にカット→つなげていくと…… “ちょっとした工夫”で便利アイテムに大変身! 「どんな小さな布も生き返る」
  8. /nl/articles/2411/17/news038.jpg 58歳でトレーニングを始めたおばあちゃん→10年後…… まさかまさかの現在に「オーマイガー!!!」「これはAIですか?」【海外】
  9. /nl/articles/2411/17/news039.jpg 母犬に捨てられ山から転げ落ちてきた野良子犬、驚異の成長をみせ話題に 保護から6年後の“現在”は……飼い主に話を聞いた
  10. /nl/articles/2411/17/news004.jpg 「水曜どうでしょう」“伝説のシーン”そっくりな光景にネット騒然 「ダメだ笑っちゃう」「なまら怖い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた