棚一つ分の小さな“本屋”が78軒集まったお店 シェアする本屋「ブックマンション」に行ってきた
お客さんに自分の“推し本”をプレゼンできる全く新しい古本屋!
2019年7月、吉祥寺駅(東京都武蔵野市)から徒歩5分という好立地に「ブックマンション」(Book Mansion)という新しい本屋がオープンしました。三鷹(東京都三鷹市)で無人古本屋「BOOK ROAD」を運営する店主の中西功さんが、「本屋をシェアする文化の発信基地を作りたい」という想いで立ち上げたお店です。
お店を立ち上げるにあたってはクラウドファンディングで支援金を募りました。結果は目標金額を超えた支援総額575万6000円でフィニッシュ。“シェアする本屋”への注目がうかがえます! しかし「本屋をシェアする」とは一体どういうことなのでしょうか。実際に目にするまではいまいちピンと来ない……そんなわけで実際に行ってみました。
吉祥寺の「ブックマンション」(Book Mansion)へ
地下に「ブックマンション」が入居する「吉祥寺×4ビル(バツヨンビル)」は、東急百貨店の裏手、ZARAの目の前に位置します。駅からの道も分かりやすいです。
入店すると所狭しと並ぶ本棚……。全部で150ある本棚ですが、写真左側の棚は中西さんの蔵書で埋まっています。店主の中西さんの興味は多岐にわたり、あらゆるジャンルの本があります。しかもこれで5分の1だそうだから驚き。
本棚は人生、そしてお客さんへのプレゼン
そして奥から見て右側の本棚。こちらにはユーザーに貸し出している31センチ×31センチの貸し本棚がたくさん並んでいます。この貸し本棚一つ一つが、ユーザーが出店する小さな本屋さんなんです。……これ、なんかすごく面白いぞ!??
それぞれの“本屋”に置かれている書籍のラインアップから、棚を借りているのはどんな人なんだろうと自然に考えていました。なんだか人の頭の中をのぞいているような面白さがあります。本棚は人柄が表れるというか、その人の人生そのものかもしれない。
棚を借りているユーザーは棚を通じてお客さんとコミュニケーションできるし、本棚はお客さんへの“推し本”のプレゼンの場でもあります。
本棚は月ごとに利用料(税込3850円)が固定でかかり、販売する本も本につける値段も出店者自身で決められます。棚に置いてある本が売れるごとに、中西さんは1冊100円を出店者から受け取ります。「ブックマンション」では店番もシェアしており、出店者は月に1回程度、店頭に立つことができます。
個性爆発の棚を見ていると自分でも棚を持ってみたくなりますが、残念ながら本棚の枠は現在すべて完売しており、追加募集はしていません。今後棚に空きが出た場合などは追加で募集する可能性があるとのことです。
歴史関係の書籍を集めた戦国棚がありました。こちらはオープン初日にひとりの方にすべて買われてしまいそうになったという人気の本棚です。
棚を借りる理由も人それぞれ。純粋に興味があったから借りてみた方、本屋経営に興味がある方、出版関係の業界の方、本の著者の方……。
中には、自分の好きな本を多くの人に読んでもらいたいがために大量に仕入れた棚も。ほかに置く本もその本のタイトルから連想するような(タイトルに含まれる「茶色」にちなんでチョコレートの本を置くなど)、引き立てるような本で構成されていました。ちなみにこのために新刊を大量に仕入れたので、売れる度に赤字らしいのです。なんという1冊への情熱。
500円以上本を買うとわたあめを作らせてくれますよー! わたあめ作ってみましたが、簡単そうに見えて意外と難しい……。
棚を見ているだけでも楽しくて、気になる本を手に取って、と過ごしていると時間がわたあめのように溶けていきます。なんて恐ろしい店だ……。みなさん1時間とか普通に滞在していくそうです。
上の1階はコーヒースタンド、2階と3階は喫茶店やワークスペースとして利用予定ですが訪問時は準備中でした。コーヒースタンドの決済には「からくり決済」を導入。お金を入れてレバーを引くとからくりが動きます。
ちなみに訪問時はからくりが故障してしまって動いていませんでした。想定以上に湿度が高いなどからくりにはちょっと厳しい環境だそうなので稼働していたらラッキー! ぐらいの気持ちでチャレンジしてみてください。
中西さんが掲げているのは「日本列島、本屋さん増大計画」。なにかと苦境に立たされているリアル本屋だけど、「ブックマンション」や「無人古本屋」の運営を通じて新たな本屋さんの開店、運用の選択肢の一つを提示して、全国に新しい本屋さんが増えることを目指しています。
実際に、無人古本屋の方は日南、高知、横浜と日本に広がりつつあり、現在他の場所でも相談を受けているそうです。“シェアする本屋”という新しいカタチの本屋が今後全国に広がる日もそう遠くないかもしれません。
(ちぷたそ)
「ブックマンション」(Book Mansion)
住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-13-1 吉祥寺×4ビル(バツヨンビル)吉祥寺駅から約徒歩5分
営業時間 11時00分〜19時00分
定休日 火曜日
関連記事
“入場料のある本屋”が六本木にオープン 3万冊を1日楽しめて1500円
進化した漫喫的な。「スイカ丸1個を素手でえぐって食べた」 日記もPOPも自由すぎる八戸の本屋さんに話を聞いた
オリジナルキャラクター「キムネコ」が本の魅力を紹介するPOPと、「POP担当日記」をTwitterで紹介。どちらも楽しい。効能「小説の世界に入り込めます」 本を薬袋に入れて売る学芸大生協の“本の処方箋”がステキ
用法用量お守りください。“泊まれる本屋”の入口が隠し扉のようでワクワクする ロッカーを開けて読書の世界へ
ロッカーの扉じゃ狭くない? と思ったら、擬装されたでっかい扉だった。こたつで本が読める本屋さん――書店の枠を飛び越えた天狼院書店に行ってきた
こたつに入ってまったりと本を読む。そんな至福の時が過ごせる本屋さんがありました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
絶対にプラスチックのカップで「焼きプリン」を作るという執念 森永「焼きプリン」の製法特許がすごいと話題
13年外につながれボロボロのおばあちゃんワンコを保護 人間を信じ始める姿に涙「今まで苦労した分以上の幸せな余生を送れますように」
犬同伴OKのビュッフェに柴犬と行ったら…… 全く別の楽しみ方をしてしまう姿に「かわいいいいい」「気持ちよさそう」
入院で2週間不在だったママを待ち続けた猫、再会の瞬間…… 涙を誘う喜びあふれる“お返事”に「深い絆に涙が」「嬉しさがひしひしと」
同居猫のおしりを嗅いで「テメェ屁こいたなぁ!!!!!??(怒)」と理不尽ギレする猫の姿に抱腹絶倒「夜中に爆笑させないで」「名作」
遠藤憲一、保護犬を家族に迎える 「保護時には栄養失調と足に怪我を」悲しい過去も、ウキウキお散歩ショットにほっこり
愛猫が息を引き取る直前「ありがとう、楽しかったよ」と声を掛けたら…… 家族みんなが久々に集った夜の奇跡に涙
短編ホラーゲーム「8番出口」で“開発者も知らない異変”が発生し笑いと恐怖 「マジでホラー」「本物の『怪異』だ」
捨てられて真っ黒だった元野良猫が、家猫になった今では…… 真っ白で幸せいっぱいの暮らしに「ほんときれいな美猫さんに」「胸が熱くなる」
ミス東大の水着グラビアデビューに「東大まで行って」と失望の声 本人&現役グラドルも加わるネット論争に
- オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
- 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
- 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
- マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
- 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
- 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
- “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
- 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
- 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
- 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
- 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
- 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
- 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
- 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
- “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
- 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
- おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
- 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」