新人教員のころ、理不尽な初任者指導に「いじめかと思った」 現役中学教員に聞く「ブラック職場としての学校」(1/3 ページ)

何も教えてもらえないなか、OJTという名目で教育現場へ。

» 2019年10月05日 12時00分 公開
[ねとらぼ]

 子どもの成長を支える場でありながら、ブラック労働環境が問題視されている学校現場。ニュースなどでも盛んに取り上げられているテーマではありますが、実際に働いている教員は、どのような思いを抱いているのでしょうか。

 本記事は、公立校の中学教員であるAさん(仮名)に「1人の一般教員として感じている“学校の労働環境の問題点”」を語ってもらう連載企画となります。

理不尽な初任者指導に「職場いじめかと思った」



―― 新人教育はどの職場でも行われるもの。“職員室1年目”はどうやって仕事を覚えていくの?

 「OJTで仕事をしながら教える」ということになっていて、初任者でもドンドン仕事させて、年度が切り替わった4月1日から「今日からお前も教員だ!」みたいな感じで、1週間後にはもう担任を持たされていたりする。

 でも、ちゃんと教えてもらえるとは限らない。

 例えば、初任者の場合、ベテランの先生が指導してくれることになってるんだけど、そういう人は1人で何校も見てるから、自分のところに来てくれるの週に1〜2回だけ。しかも、教科については聞けないのが普通。初任者指導の先生は自分と同じ教科ではないことのほうが多いから。

―― じゃあ、授業のことは誰に相談するの?

 同じ学校で働いてる教員。だけど、同じ教科の先生は何人もいるわけじゃないし、新人、ベテランがバランス良く配置されているとも限らない。「国語教員が2人だけで、1人は教員1年目、もう1人は教員2年目」みたいなこともある。

―― ほぼ新人が、新人教育してるようなものじゃない

 その他のアレコレに関しても、初任者をフォローするのは基本的に現場の教員。でも、ボランティアのようなものだから、丁寧だったり、聞かないと教えてくれなかったり、機嫌が悪いとダメだったり……。対応の仕方は人それぞれだね。

―― 「新人教育がないわけではないけど、仕組みが整っていないから行き届かない場合もある」といった感じなのかな

 中には、全く教えてくれない人もいる。俺のときがそうだった。

 1年目のとき「情報教育担当」を任されて、失敗して怒られたなあ。

―― 情報で教育だから……視聴覚室、パソコン室などの管理をする担当?

 と思うでしょ? ある日、全校集会に行ったら「おい、マイクがないぞ」「情報教育担当、誰だ!」と騒ぎになってて。「あ、それって俺の仕事なんだ」と初めて知った。というか、マイクがしまってある場所も分からない。

―― 「情報教育」から「全校集会の準備」を連想するのは、厳しいなあ……

 でも、周りは「知っててて当然だろ!」「何でこんなこともできないの?」と本気で言ってくるから、いじめかと思ったよ。

―― そんな状況で、どうやって仕事覚えるの?

 教えてもらえないから、ミスしながら1つ1つ覚えていくしかない。でも、新しいことが起こるたびにミスするから「こいつ使えねえな」みたいな雰囲気になる。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」