「凪のお暇」今夜最終回 本質は「慎二かゴンか」の三角関係決着じゃない 単純な恋愛ドラマで終わらないのがこのドラマの魅力だ(1/2 ページ)
慎二(高橋一生)とは似た者同士だと気付いた凪(黒木華)、ゴン(中村倫也)が回収した合鍵のキーホルダーが全部同じだった理由は?
9月14日に「凪のお暇」(TBS系)の第9話が放送された。大島凪(黒木華)と我聞慎二(高橋一生)は共通項が多過ぎる。徹底的に見ていく。
親から罪悪感を与えられる凪と慎二
凪と慎二は似た者同士。今回のテーマは「毒親」である。
凪の結婚相手(と偽った)慎二と初対面したときの夕(片平なぎさ)の圧は異常だった。笑うだけであんなに圧を出せるとは……。
夕「まあ! 慎二さんのお父様、霞が関でご立派なお仕事してらっしゃるのねえ」
慎二の父が官僚だと知り、大喜びする夕。その喜びは「娘がいい人とお付き合いしている」ではなく、明らかに「私はやっと地獄から抜け出すことができる」というワクワク感からくるものだ。
この様子を横目で見る隣人たちは、凪を心配している。一番の年長者、吉永緑(三田佳子)はしみじみつぶやいた。
緑「家族って厄介ねえ」
三田佳子にこのセリフを言わせるなんて、余計にハートに響いてくる。
慎二の祖母の米寿祝いのパーティに凪と夕は招待された。慎二の母・加奈子(西田尚美)は興信所で凪の家族について調べていた。凪の父が借金で蒸発していたこと、凪がすでに会社を退社していることを知った加奈子は、慎二との結婚を認めなかった。
加奈子「もし、こんなことが皆様にバレたら、お母さん恥ずかしくて死ぬしかないわ」
加奈子は事あるごとに「死ぬしかない」と言う。慎二は幼い頃からこの言葉を聞かされていたはず。夕とタイプは違うが、彼女も罪悪感を与える形で子を脅迫する母親である。
ここからパーティ会場は修羅場と化す。突如、慎二の兄・慎一(長谷川忍)が乱入し、我聞家の仮面を剥ぎ取りにいったのだ。よそに愛人と子どもを作っている父。整形依存症の母。自分はアメリカの大企業務めなどではなく日本でYouTuberをしている。右往左往して泣き顔になる慎二を見た夕は、あざ笑いながら凪に吐き捨てた。
夕「昔からそうだもんね。あなた、何やらせてあげたって何一つ身にならないで、お母さんの期待に応えたこともない、一度だって。そのあげくのこれね」
月に3万仕送りをし、車検代、リフォーム料金を立て替えても、この言い草か。人間は自分の幸せが一番大事であるべき。他者の期待に過度に応えることで歪みが生じることもある。空気は読むものではなく、吸って吐くものだ。
ゴンの言葉に背を押され、初めて「嫌い」と言えた凪
パーティに出席する前、凪は安良城ゴン(中村倫也)から言われていた。
「人って変われると思うよ、本当に変わりたいって思ったら」
以前、苦手なとうもろこしを前にした凪にゴンは言っていた。
「嫌いなことを口に出して自覚するとちょっと楽になるっての、あると思うよ」
家族に振り回されても奮闘し続ける慎二。彼は家族の影響下にいる。
凪「おんなじ。この人、私だ」
凪は初めて素の慎二を見た。
夕「ハッハッハッハッハ。さすがあなたが選んだ人ね、凪。みっともないご家族」
凪も、凪が愛する(という設定)の人をも全否定する最低のセリフだと思う。
凪「嫌い……。お母さんがずっと。罪悪感あおって言うこと聞かせようとするところとか、外ではいい人ぶるところとか、自分もできないようなこと私に期待するところとか、嫌い」
やっと、言えた凪。慎二を口撃する母を見て、ようやく言うことができた。
凪「行こう、慎二」
今度は凪が救った。慎二を連れ出す凪。似た者同士の2人の、毒親からの卒業である。
近くの公園で2人は号泣していた。
凪「お母さんにひどいこと言った(泣)」
慎二「ばあちゃんに、おめでとうって言うの忘れた(泣)」
言ってスッキリじゃないのだ。親の支配から簡単には抜け切れない。頑張って反抗したのに、自分で傷付いている2人は似た者同士である。
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